上野大臣会見概要
(令和8年7月14日(火)9:37~9:47 院内大臣室前)
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 私から2点ございます。まず1つは、第六次薬物乱用防止五か年戦略フォローアップについてです。本日、私が議長を務める薬物乱用対策推進会議で、第六次薬物乱用防止五か年戦略のフォローアップを取りまとめましたので、報告します。令和7年の薬物情勢は、大麻事犯の検挙人員が過去最多の7,120名となりました。3年連続で、覚醒剤事犯の検挙人員を上回る結果となりました。特に、引き続き、若年者の大麻の乱用が顕著です。大麻事犯の検挙人員の7割以上は30歳未満の若年層が占めています。大麻の不正使用等については、令和6年12月から規制・罰則を強化しています。乱用拡大を阻止すべく、引き続き、関係省庁と連携の上、予防啓発や取締りの強化などの対策を徹底していきたいと考えています。また、国際社会が直面している薬物問題にも対応するため、国外の関係機関とも緊密に連携して、政府一丸となった総合的な薬物対策を推進していきたいと考えています。詳細については、事務方にお尋ねください。
- もう1つは、世界保健機関(WHO)東京事務所-UHCナレッジハブ開所式典の開催についてです。本日7月14日、世界保健機関東京事務所-UHCナレッジハブ開所式典が開催されます。日本政府は、全ての人が経済的な困難を伴うことなく保健医療サービスを受けられるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の2030年までの実現に向けて、世界銀行やWHOと連携し、開発途上国のUHC達成のための知見共有や人材育成を行う世界的な拠点であるUHCナレッジハブの取組を進めてきました。今般設置されたWHO東京事務所は、日本におけるWHOの窓口機能を果たすとともに、WHOにおけるUHC推進に向けた取組において重要な役割を果たすことが期待されます。本日の開所式典は、その取組の一つのマイルストーンであり、日本政府としても、引き続き、WHOなど関係機関と連携して、世界におけるUHC達成に向けて尽力していきたいと考えています。
質疑
- 記者:
- 厚生労働省では今、受動喫煙対策に関して、加熱式たばこの規制強化については、見送りの方向で検討が進んでいると思いますが、大臣のお考えをお願いします。
- 大臣:
- 改正健康増進法では、加熱式たばこを、他人の健康を損なうおそれが明らかでないたばことして位置づけており、法改正の際の附帯決議では、可能な限り早期に結論を得て、必要な措置を講ずることとされました。7月9日の受動喫煙対策専門委員会では、加熱式たばこに関して、WHOの見解をはじめ、これまで収集された科学的知見をもとに、副流煙中に有害物質が含まれることは報告されていますが、その人体への影響については、現時点では科学的知見が十分に蓄積されているとはいえないことを確認しました。加熱式たばこ専用喫煙室で喫煙とともに飲食等を可能とする経過措置は継続した上で、研究を進め、知見の収集に努めることを事務局から提示し、ご議論いただきました。引き続き科学的知見の収集を進めるとともに、望まない受動喫煙が生じないよう分煙の取組を進めるとした改正健康増進法の目的を踏まえて議論を進めて、結論を得てまいりたいと考えています。
- 記者:
- GPIFの関係で主に4点お伺いします。1点目は、片山財務大臣が7月10日の閣議後記者会見で、GPIFをはじめとする年金基金による日本の金融資産への更なる投資を後押しする方策を追求したいと発言しました。GPIFを所管する厚生労働大臣としてどのような対応を考えているのかお伺いします。2点目は、国内外の株式・債券いずれも25%とする基本ポートフォリオについて早期に見直すべきだという考えはありますかというのを伺います。片山大臣は、海外への投資比率を下げて国内の投資比率を高めるべきだと受け取れる発言内容でしたが、大臣のご認識を伺います。国内金融資産への投資拡大は公的年金の財政安定に貢献するとお考えでしょうか。3点目は、近年のGPIFは厳密に基本ポートフォリオを管理しており、許容乖離幅は活用していません。乖離幅を戦略的に活用するといったリスクテイクを容認すべきだとお考えでしょうか。4点目は、基本ポートフォリオの策定・議論はGPIFの経営委員会マターで、3月に検討の必要なしと判断したばかりです。大臣のご認識を伺います。GPIFを所管していない片山財務大臣の発言は適切だったとお考えでしょうか。
- 大臣:
- 1点目ですが、GPIFの対応についてです。GPIFの運用は、法律に基づき専ら被保険者の利益のため、長期的な観点から、市場その他の民間活動に与える影響に留意しつつ行うこととしているところです。GPIFは、国内市場における最大のアセットオーナーとして、運用の高度化により収益機会を確保し、日本経済の成長の果実を年金財政の安定につなげ、国民が利益を享受できるよう寄与していきたいと考えています。また、GPIFは、その運用方針の下、日本が新たな成長型経済に移行する中において、データ整備や強化された体制の下、オルタナティブ投資を実施し、その結果、国内プライベート・エクイティをはじめとする国内案件について着実に投資を積み上げることも通じて、国内経済の成長にも寄与していくものです。2点目と4点目ですが、GPIFの運用は、基本ポートフォリオに基づいて収益を獲得することが基本です。GPIFは、運用の高度化を図ることで4資産均等の基本ポートフォリオを維持するリバランスを機動的に実施しています。現在の基本ポートフォリオは、年金財政に照らして必要となる運用目標、これは名目賃金上昇率+1.9%ですが、これを長期的に、最低限のリスクで確保するために策定したものですが、現在の運用環境は基本ポートフォリオが想定しているものから大きく乖離しているとは考えていません。一方で、基本ポートフォリオについては、専門的見地から毎年度適時適切に検証しているので、今後必要があれば、見直しの検討を進めることになります。厚生労働省としては、引き続きGPIFの基本ポートフォリオの検証状況を注視していきたいと考えています。3点目ですが、乖離許容幅は、基本ポートフォリオの資産構成割合をベースとしながら、合理的に無理のない範囲で機動的な運用を可能とする仕組みです。GPIFは、適時適切なリバランスを通じて、基本ポートフォリオからの乖離を極力抑えるように運用していますが、これは基本ポートフォリオに基づいて収益を獲得することが重要であることを踏まえたものであると考えています。
- 記者:
- 片山大臣の発言が適切だったかについてもお願いします。
- 大臣:
- 大臣の発言について、これが適切かどうかということについては、私の立場から申し上げるものではないと思いますが、いずれにせよ、成長戦略をはじめとして、各種政策については、当然片山大臣をはじめ、政府一丸となって取り組んでいるところです。
- 記者:
- 関連で確認ですが、片山大臣は、国内の投資を増やした方がよいのではないかという問題意識をお持ちですが、そこについては、上野大臣は同じような問題意識をお持ちなのでしょうか。
- 大臣:
- 繰り返しとなり恐縮ですが、GPIFの運用については、法律に基づいて、専ら被保険者の利益のために長期的な観点から市場その他の民間活動に与える影響に留意しつつ行うこととしているところです。一方で、先ほど申し上げたオルタナティブ投資をはじめ、国内経済の成長にも寄与していく面があろうかと考えています。
(了)

