上野大臣会見概要
(令和8年7月3日(金)9:33~9:44 省内会見室)
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 私からですが、コンサータの登録薬局間での譲渡・譲受についてです。ADHDの治療薬であるコンサータは、近年の需要増を受けて、昨年9月から限定出荷の状況が続いています。厚生労働省では、これまで、早期の限定出荷の解除に向けて、製造販売業者に増産を要請してまいりました。また、医療機関や薬局に当面必要な量のみを購入するようお願いしてきたところです。このコンサータについては、依存性や乱用リスクが高く、投薬する医師、医療機関、薬局を限定するなど、厳格に流通を管理していますが、患者団体からのご要望などを踏まえて、製造販売業者と薬局間譲渡の在り方について協議を重ねてきました。その結果、適正な管理が確保されることを前提に、現在の供給不足が解消するまでの当面の間、特例的に、流通管理システムに登録された薬局間での譲渡・譲受を認めることとし、先般、製造販売業者にシステム改修などを依頼したところです。今後、準備が整い次第、関連通知を発出し、本年7月中旬を目途に特例的に譲渡・譲受を認める方向で準備を進めてまいりたいと考えています。詳細については、事務方にお尋ねいただければと思います。
質疑
- 記者:
- 5月にブルーレターが出された血管炎治療薬タブネオスについて伺います。米国の食品医薬品局に続き、欧州医薬品庁も先月、臨床試験の有効性の根拠が信頼できないとして、欧州連合に製造販売承認を取り消すよう勧告しました。タブネオスの承認の根拠になった論文も29日付けで撤回されています。大臣は5月の会見で、企業からの報告を確認の上、海外の規制当局とも連携をしながら必要な対応を進めると述べていましたが、検討状況といつ頃までに対応を決める考えかお伺いします。
- 大臣:
- 本剤については、欧州においては、今お話のあったとおり、欧州医薬品庁(EMA)より承認取消勧告が出されています。また、開発国である米国においては、米国食品医薬品局(FDA)から承認取消の勧告が出され、今後、アムジェン社からの聴聞が行われる予定です。国内では、タブネオスの製造販売業者であるキッセイ薬品工業に対して、まず、臨床試験結果の取扱い等について詳細な報告を求めたところです。その報告内容を踏まえ、6月19日、更に薬機法に基づく報告命令を発出しています。回答提出期限を7月21日としているところです。今後、企業から提出される報告や、開発国である米国の今後の動向も踏まえ、引き続き必要な対応を検討してまいりたいと考えています。
- 記者:
- 最低賃金についてお伺いします。政府の成長戦略の原案で、最低賃金の目標について、遅くとも2030年代前半できる限り早期に達成が加わることが示されました。2020年代1,500円台から遅れることになりますが、なぜ2030年代前半を盛り込むことになったのか、その理由を教えてください。また、今年の目安を決める中央最低賃金審議会は始まっています。この方針をどのように反映させていくのか、大臣のお考えをお聞かせください。
- 大臣:
- 石破内閣で閣議決定した高い目標については、引き続き、官民のたゆまぬ努力により目指すこととした上で、遅くとも2030年代前半できる限り早期には達成するということを明確化したものです。厚生労働省としても、賃上げ環境整備の取組を強化したいと考えています。また、お尋ねの方針については、日本成長戦略会議等において引き続き議論を行っています。まだ正式に決まったものではありませんので、今年度の最低賃金額改定の議論での扱いについて、それ以外に現時点で決まっていることはないということです。
- 記者:
- 財務省の財政審建議や日本維新の会は、高齢者医療の原則3割化や高額療養費の外来特例廃止を主張しています。また、骨太方針2026原案では、高齢者の受診行動や所得状況等を踏まえた医療費窓口負担の見直しを、令和9年度予算編成過程で結論を得るとしています。70歳以上の高齢者医療の窓口負担を一律3割、高額療養費の外来特例を廃止した場合、負担増となる高齢者の人数と一人当たりの年間負担額はどれくらいになるでしょうか。また、70歳以上の高齢者で、窓口負担が1割もしくは2割の住民税非課税の方の人数は、どれくらいいらっしゃいますか。原則3割化・外来特例廃止による本人・家族への影響をどのように考えていますか。
- 大臣:
- ご指摘の高齢者の医療費窓口負担の見直しや、外来特例の在り方の見直しについては、現在、自民党と日本維新の会の社会保障協議で議論が行われているところと承知していますが、何ら決まったものではありませんので、原則3割化や外来特例の廃止など、仮定に基づいた影響は現時点で私どもとしては持ち合わせていません。いずれにしても、高齢者の医療費の窓口負担の在り方については、今申し上げた政党間の議論の状況なども踏まえつつではありますが、高齢者の受診状況や家計の状況なども確認しながら、引き続き丁寧に検討を進めることが必要だと考えています。
- 記者:
- 現在の70歳以上の1割ないし2割の方の人数なども、この場では。
- 大臣:
- 数字などは事務方にご確認ください。ただ、繰り返しにはなりますが、何ら決まっていないので、誤解を招くようなことがあるといけないので、この場ではお答えを差し控えたいと考えています。
- 記者:
- 介護保険サービスについて伺います。サービス利用に当たっては、制度上、まずケアマネジャーを見つけてサービス事業者と調整を依頼することが前提となっていますが、テレビ朝日の取材では、利用者や家族が複数の居宅介護支援事業所に依頼しても断られ、ケアマネジャーが決まるまでに3か月程度かかった事例を確認しています。こうしたケアマネジャーが見つからないために、必要な介護保険サービスの利用開始が遅れる事例について、全国的な発生状況や地域間での格差を把握されているかと、大臣の受け止めをお教えください。また、厚生労働省として、ケアマネジャーの確保策、その後の居宅介護支援事業所との調整など、自治体にどのような対応を求めているのか、現状と今後の対応方針についてお教えください。
- 大臣:
- 全国のケアマネジャーの充足状況については、厚生労働省で調査したところ、「大きく不足している」と回答した自治体が2割程度存在していると承知しています。また、ケアマネジャーが決まるまでに調整が必要なケースが生じた場合には、地域の職能団体や地域包括支援センターなどの公的な機関が地域内での利用者の受け入れに向けて調整を行うケースがあると承知しています。介護保険サービスの利用が円滑に行われるように、地域におけるケアマネジメントの体制を確保することが重要です。こうした観点からも、ケアマネジャーの人材確保や業務負担軽減は、喫緊の課題であると認識しています。令和7年度補正予算や令和8年度報酬改定において、ケアマネジャー等も対象として賃上げ支援を実施していますし、ケアマネジャーの新規の入職を促進する観点から、昨年度補正予算では、魅力発信のための予算についても確保しているところです。さらに、先般成立した社会福祉法の改正では、ケアマネジャーが対応せざるを得ない、いわゆるシャドウワークについて、市町村が主体となって地域課題として対応できるように、実効的な議論を推進するための枠組みを整備するようにしています。また、資格については、更新制を廃止しました。こうしたことで負担の軽減にも努めていきたいと考えています。このような取組を総合的に行って、地域におけるケアマネジメントの体制の確保にこれからもしっかり取り組んでいきたいと考えています。
(了)

