上野大臣会見概要
(令和8年6月26日(金)8:33~8:42 衆・分館第16委員室前)
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 私からですが、ドクターヘリに関する検討会を設置したいと考えています。ドクターヘリは平成13年に運航が始まりました。それ以来、関係者のご尽力によって発展し、現在、全国各地の救急医療体制を確保する上で極めて重要な役割を果たしています。一方、ドクターヘリをめぐっては、人口構造の変化や技術革新などを踏まえ、その役割や課題を今一度整理したいと考えていますし、また、最近、様々な課題についても地方自治体の皆さんからいろいろなご意見をいただいているので、そうした点も含めて検討していきたいと考えています。ドクターヘリを用いた救急医療搬送体制の在り方を検討するための検討会を7月中に立ち上げることとしました。関係省庁と協力した上で、有識者や関係団体にもご参画いただき、財政的な支援の在り方を含む国の関与の方策、また、操縦士、整備士などの安定的な人材確保に関する事柄といったことを中心に議論を進めていきたいと考えています。いずれにせよ、安定的で持続可能な運航体制の確保に向けて具体的な方策を検討していきたいと考えています。現場の意見も十分に伺いながら鋭意検討を進めていきたいと思いますし、私自身も、現場にお伺いし、直接お話を伺いたいと考えています。詳細については、事務方にお尋ねいただければと思います。
質疑
- 記者:
- 昨年6月の生活保護費をめぐる最高裁判決への対応について伺います。全国各地の自治体で保護費の追加給付が開始されています。原告団らの調査では、虐待やDVなどを受けた方で世帯を離脱した方には、世帯主ではなく個人単位での給付を求める声があがっています。これらの要望について、大臣の問題意識と具体的に対応していく考えがあるか伺います。併せて、追加給付を受けた人数や自治体数など、現状の給付の進捗状況についても伺えればと思います。
- 大臣:
- 生活保護における保護費については、世帯を単位として、世帯主に支給することとなっています。その上で、今回の追加給付について申し上げると、ご指摘の虐待やDV等の被害を受けられた方に対して個人単位で追加給付することに関しては、現在の離別の状況にかかわらず、当時の受給状況に鑑みて支給することが基本ではないかと考えていますし、虐待等の被害者と加害者の双方の調整に行政として立ち入ることにもつながるので、なかなか難しい面があろうかと考えています。そうしたことを考えると、慎重に検討すべきものと考えているところです。また、給付実績の話ですが、取りまとめに一定の期間を要するので、現時点で自治体を通じて国として把握できているのは令和8年4月までの分となります。その実績については、合計約2万世帯について保護費の追加給付が行われていると承知しています。厚生労働省としては、引き続き、対象となる方々に対する周知・広報に取り組んで、本年3月から設置している相談センターや自治体と緊密に連携しながら、支給事務を進めていきたいと考えています。
- 記者:
- 小児がんの治療薬をめぐって、NHKが製薬会社を対象に行った調査で、治療で欠かせない医薬品の一部が、薬価の引下げや原材料費の高騰などを受けて採算がとれない状態にあるということが分かりました。こうした状況に対して、希少疾患の新薬の開発や製造に対する加算の仕組みを、そういった治療薬の薬価にも適用すべきだと指摘もあるということです。この問題に対する受け止めと、今後、厚生労働省としてどのように対応されていくか教えてください。
- 大臣:
- 小児がんの治療薬をはじめ、医薬品の安定供給は極めて重要だと考えています。薬価制度においては、医薬品の安定供給確保の観点から、薬価の下支えを行っており、具体的には、医療上の必要性やサプライチェーンリスクなどを考慮して、供給確保医薬品のうち、特に重要なものに対しては、不採算品再算定として薬価の引上げを行っているところです。また、創薬イノベーションを推進する観点から、製品の特性に応じた有用性を評価して、加算の充実を図ってきています。例えば、既存薬について小児に対する適応拡大が行われた場合には、薬価改定のタイミングで加算を行っているところです。こうした薬価上での対応に加え、仮に供給不安が生じる場合は、製薬企業に対し、増産や備蓄への補助等の支援も行っているところでもあります。NHKで調査された医薬品についてですが、設備更新に伴って供給量が低下している一部の品目はありますが、いずれも、通常出荷であるという報告を受けていますが、いずれにせよ、今申し上げた薬価の問題や補助等の手法によって、必要な医薬品を安定供給できるように、これからもしっかり適切に対応してまいりたいと考えています。
- 記者:
- 障害者雇用率に関してお伺いします。7月1日に法定雇用率が2.5%から2.7%に上がります。改めて、この施策のねらいと、受け入れる企業側への要請などあれば教えてください。また、企業の達成率は現段階で半数に満たず、昨今は雇用率を達成しようとする中で雇用の質も問われていますが、課題認識と対応についても併せてお願いします。
- 大臣:
- 来月7月1日の引上げに向けて、この間、全国のハローワークを通じて、新たに障害者雇用が必要となる企業に対して重点的にマッチング支援などを実施してまいりました。改めて、企業の皆様におかれては、障害の有無にかかわらず共に働くという障害者雇用促進法の理念をご理解いただき、取組を進めていただくようにご協力をお願いしたいと考えています。また、足下の法定雇用率の達成企業割合は46.0%となっていますが、法定雇用率の達成を目指して、多くの企業に尽力いただいてきた結果、障害者の雇用者数は大きく増加しているので、その意味では着実に進展してきていると考えています。やはり雇用の量の確保のみならず、障害のある労働者の方が、その能力を十分に発揮していただき、働きがいを感じながら活躍できるということは大変重要ですので、質をいかに高めていくかということについても、次期制度改正に向け、検討しているところですので、しっかり検討を深めていきたいと考えています。
- 記者:
- 最低賃金の目安議論に関して伺います。今日から最低賃金の目安額を決める議論が中央最低賃金審議会で始まります。労使双方に影響の大きいテーマですが、大臣のお考えをお聞かせください。また、昨年は過去最大の目安となった一方、発効日の遅れや隣県競争の激化といった課題も指摘されました。先日の審議会では、昨年の課題も踏まえた論点も整理されましたが、その点についてもどのように受け止めているか教えてください。
- 大臣:
- 最低賃金の改定については、本日、中央最低賃金審議会を開催し、今年度の地域別最低賃金額改定の目安について諮問を行う予定です。具体的な目安額は、最低賃金法に定める3要素のデータに基づいて、公労使の三者で構成される中央最低賃金審議会で議論いただくものですので、審議会においては、真摯なご議論をお願いしたいと考えています。また、昨年度の審議結果ですが、今お話があったように、近隣県等との過度な競争意識や最下位を回避したいといった意識による地域の実態と乖離した引上げや、発効日についての課題があるというご指摘もあったので、その考え方を整理いただき、先日、中央最低賃金審議会でご了承いただきました。今年度の審議においては、この考え方の趣旨も踏まえた議論がなされることを期待しているところです。
- 記者:
- 最低賃金に関して、報道で1,500円の目標を後ろ倒しにするということがありますが、大臣のお考えをお聞かせください。
- 大臣:
- 報道でいろいろあることは承知していますが、夏の成長戦略の取りまとめに向け、これから具体的な検討ということになろうかと思うので、現時点でその具体的な内容について私からお答えすることは差し控えたいと考えています。
(了)

