上野大臣会見概要
(令和8年6月16日(火)8:58~9:13 省内会見室)
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 私から冒頭1点申し上げます。マンジャロ等の適正使用についてです。マンジャロは、2型糖尿病のみを効能・効果として承認されており、臨床試験ではダイエットなどの効果は証明されておらず、本来の目的以外で使用した場合、思わぬ健康被害が生じる可能性があります。お使いになる方には正しく理解して適正に使用いただくことが必要ですので、医療者の方からのリスクについての十分な説明を改めてお願いしたいと考えています。このため、本日、XなどのSNSを通じて国民の皆様向けにも改めて注意喚起を行うとともに、マンジャロ等の治療薬の適正使用を徹底するために、改めて医療機関等に通知を発出します。医薬品の添付文書に基づく適正使用、副作用に対して直ちに適切な処置ができる体制の整備、虚偽または誇大広告の禁止など医療広告に関する注意事項などを示したいと考えています。また、マンジャロ等を製造販売する製薬企業に対しては、医療機関や薬局への注意喚起の徹底や安全性情報の収集への協力要請など、適正使用の促進に向けた対策を講じるよう本日付けで要請を行うこととしています。マンジャロ等の適応外使用による思わぬ健康被害を防止するために、引き続き、関係団体や製薬企業とも連携しながら、必要な対応に取り組んでいきたいと考えています。
質疑
- 記者:
- マダニが媒介する感染症、SFTSについてお伺いします。今年これまでの感染者数は、先月31日までで65人と、年間の感染者数が過去最多だった去年の同時期を既に上回っています。現在の感染状況をどのようにみていらっしゃいますか。また、マダニの多くは春から秋にかけて活動が活発になりますが、屋外での活動が盛んになる時期において、感染を防ぐために呼びかけがありましたら、お願いいたします。
- 大臣:
- マダニが媒介する感染症である重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の今年の感染者数は、先月31日の時点で65人です。これは昨年同時期の56人を上回っているといった状況です。現時点の感染者数のみをもって、今年の感染症の発生状況を判断することは難しいわけですが、近年、患者数は増加傾向にあります。また、これまで西日本を中心に患者の発生が報告されていましたが、昨年には北海道で初めて症例が確認されるなど、全国的な注意が必要になっています。厚生労働省としては、引き続きSFTSの感染状況を適切に把握することに加えて、令和7年度から、人と動物に共通する感染症の病原体情報を一元的に管理・共有する人獣共通感染症病原体監視システムを構築しました。愛玩動物等におけるSFTSの発生状況を収集することとしており、都道府県等と連携して発生動向を注視していきたいと考えています。国民の皆様におかれては、草むらや藪などに入る場合には、マダニに刺されないよう、肌の露出を控えるとともに、虫除け剤を使用することや、ペットの犬や猫にもマダニの駆除・防虫薬を使用することなどの感染防止対策をお願いしたいと考えています。
- 記者:
- がん対策基本法の成立から20年となりました。この間のがん対策の進展などについて、どのように進んでいるか、ご見解をお願いします。また、今後の医師不足や検診の受診率の向上、がん患者への支援策の充実といった課題にどう取り組まれていかれるのか、ご見解をお願いします。
- 大臣:
- 平成18年のがん対策基本法の成立以降、がん対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、4期にわたり、がん対策推進基本計画を策定し、がん診療連携拠点病院などを中心とした医療提供体制の整備や、がん患者とその家族等の療養生活の質の向上に資する取組などを進めてまいりました。がんの年齢調整死亡率の減少に着実につながっていると考えています。現在、令和5年3月に閣議決定された第4期がん対策推進基本計画に基づいて、がん予防、がん医療、がんとの共生の3本柱で、各種取組を進めています。医師不足という観点からは、特に外科医の方が不足しているような状況があるので、勤務環境の改善に取り組む医療機関への伴走支援や、令和8年度診療報酬改定での外科の勤務環境・処遇改善等の体制の評価などを行ったところです。がん患者の皆さんが安全で質の高い患者本位の医療を適切な時期に受療できるように配慮しつつ、拠点病院等の役割分担を踏まえた集約化を検討することとしています。また、がん検診の受診率については、「攻めの予防医療」の観点からも、受診率向上をより一層推進していきたいと考えています。未受診者に対する個別の受診勧奨の徹底、国民健康保険におけるがん検診受診率が高い保険者の評価、労働安全衛生法の努力義務の枠組みを活用したがん検診の受診勧奨とその結果に基づく医療機関への受診勧奨の促進、自治体・職域・国民等に向けたがん検診ポータルサイトの開設やメディアとのコラボレーションによるがん検診に関する正しい知識の普及、がん検診データの見える化などに取り組んでいきたいと考えています。
- 記者:
- 高齢者の医療費窓口負担について伺います。大臣はこれまで、高齢者の医療費の窓口負担割合については、全世代型社会保障を構築する観点からも避けて通れない検討課題だと述べていますが、高齢者の医療費窓口負担については、既に1割、2割、3割と、所得に応じた負担割合が設定されています。大臣は今の負担割合について、どの点が問題で、どのようなことが検討課題だと考えているのか、ご認識を伺わせてください。
- 大臣:
- 高齢者は、一般的に、若年世代と比較して所得が低い一方で、受診頻度が高く医療費が高額になる傾向があります。このため、所得に応じて1割から3割の負担割合としていますが、こうした考え方に合理性はあるものの、一方で、後期高齢者の医療給付費については、約4割を現役世代の皆さんからの支援金で賄っています。高齢化が進展し医療費が増大する中で、現役世代の負担の上昇を抑制し、制度を持続可能なものとしていく必要があり、そのためには、全ての世代で能力に応じて負担し支えあう全世代型社会保障の構築が重要です。こうした観点から、高齢者の医療費の窓口負担割合については、避けて通れない検討課題と考えています。現在、自由民主党と日本維新の会において、窓口負担も含めた社会保障改革についての議論が行われているので、厚生労働省としては、その状況を踏まえて、高齢者の受診状況や家計の状況などを確認しながら、引き続き丁寧に検討を進めていきたいと考えています。
- 記者:
- 一部保険外療養の法解釈変更についてお伺いします。5月28日、間保険局長は、一部保険外療養の規定について、法第63条第1項第2号に規定する薬剤のみを対象としたものと解釈すると答弁し、療養の給付全部に適用可能とする従前の法解釈を修正しましたが、政府解釈は将来的に修正されることはないのでしょうか。薬剤に限定していることが分かるように法律も修正すべきではないでしょうか。一部保険外療養の対象が薬剤に限定され、薬剤費の一部が保険除外されるとすれば、法制上、薬剤費の全額自費はなくなったと理解してよいでしょうか。特別料金を徴収しない配慮対象について、インフルエンザや新型コロナなどの感染症でOTC類似薬が処方された場合は、特別料金は徴収されますか。定期接種の対象である高齢者も、この際特別料金が徴収されるのでしょうか。ご見解をお伺いします。
- 大臣:
- 一部保険外療養の規定ぶりですが、公党間の合意や医療保険部会における議論の経緯、その状況も含めた立法事実、「その他の療養」の前に「代替性が特に高い薬剤を用いた療養」と規定されていること、附則の検討規定といったものを踏まえれば、今回、解釈を明確化したわけですが、条文を修正しなくとも、別途の負担を求めうる対象は薬剤のみと解釈されることが明らかだと考えています。将来の解釈の修正も想定していません。また、一部保険外療養は、処方・調剤を受けて薬剤を受け取るという一連の療養のうち、その一部を保険給付の対象としないとして別途の負担をいただくものです。この場合の別途の負担の対象は薬剤のみと解されるところです。薬剤費は一連の療養のうちの一部であることから、法制上はその全額を別途の負担として設定することも可能ではあるが、この薬剤に関する別途の負担の設定に当たっては、患者の状況や負担能力に配慮する必要があるので、現時点で別途の負担を薬剤の全額とすることは考えていません。インフルエンザ等の場合の負担ですが、本制度については、必要な受診を行った上で、結果的に対象となるOTC類似薬が処方される場合に別途の負担を求めるものです。インフルエンザ、新型コロナなどの感染症の場合や、定期接種対象の高齢者であったとしても、対象となる薬剤を使用する場合に、例えば、他の配慮措置、がん患者さんであったり難病の方であったり、そうした者に該当する場合は別ですが、一般的には原則として、対象になる薬剤に当てはまる場合には、別途の負担をいただくということは、当然あり得ることだと考えています。なお、インフルエンザ、新型コロナの治療に用いられる抗ウイルス薬については、そもそも対象に含まれていないので、それについては当然別途の負担は求められないということになろうかと思います。いずれにせよ、配慮の具体的な範囲については、今後、有識者の検討会で技術的な観点から議論いただいた上で、医療保険部会や中医協でも議論いただくことを考えているので、引き続き丁寧に検討していきます。
- 記者:
- 確認ですが、前回花粉症は別途の負担をいただくとご答弁いただいて、1年以内に花粉症だけではなく、今回インフルエンザなどの感染症も基本的には皆さん追加料金を取られる。ただ、対象薬剤は抗ウイルス薬などが入っていないので、それほど影響はないとはみていますが、今後、対象拡大していくという方針もあるので、インフルエンザの場合は解熱やカロナールなど、結構影響が大きいですから、その点配慮していただいた方がよいのかなと思います。それを含めて、まだ確定ではないという理解でよろしいですか。今後検討するということで。
- 大臣:
- 対象成分の拡大等については、今後、今般の制度改正を踏まえた状況をみながら、政党間を含めて検討を進めることになろうかと考えていますが、今の段階で特段何か具体的に検討しているというわけではありません。
- 記者:
- 拡大ではなくて、インフルエンザは配慮対象ではないということは先ほどのご答弁で確定したというか、そういう理解でよろしいでしょうか。インフルエンザや新型コロナなどの感染症は、特別料金を徴収されますかという質問に対して、配慮の対象に今回は含まれていないという理解でよろしいですか。
- 大臣:
- そのとおりです。
- 記者:
- インフルエンザにかかって、ムコダインという去痰薬が対象リストに入っています。一部ではありますが、当然インフルエンザや新型コロナになって、発熱症状にムコダインという去痰薬をよく使いますので、そういう影響があるのではないかということで、今日ご質問させていただいたということで、それは現時点では配慮されないということですか。
- 大臣:
- 現時点では、特段インフルエンザにかかった場合に配慮するということにはしていません。
- 記者:
- 配慮していないということですね。いかなる方もということですね。分かりました。
(了)

