上野大臣会見概要

(令和8年5月19日(火)8:59~9:13 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
私からですが、リハビリテーション統括調整室の設置についてです。近年、リハビリテーション専門職の皆さんの活躍の場は医療、介護にとどまらず、予防や健康増進の分野にも拡大しています。今後、攻めの予防医療の具体化に取り組んでいく中で、リハビリテーション専門職の皆さんが果たされる役割は大きいと考えています。こうした観点も含め、また理学療法士及び作業療法士法の施行から約60年が経過していますが、その間役割の変化ということも考えられます。そうしたことも踏まえながら、制度的な見直しというものが考えられるかどうかということを検討していく必要があると考えています。そのため、省内の関係部局が一丸となって、分野横断的にリハビリテーション政策を進めるために、本日、医療介護連携・データヘルス改革担当の大臣官房審議官を室長とするリハビリテーション統括調整室を設置いたしました。この体制の下で、国民の健康の増進に寄与するリハビリテーションを戦略的に推進していきたいと考えています。詳細については、事務方にお尋ねください。

大臣が説明した資料のリンクはこちら[538KB]

質疑

記者:
アメリカ企業が開発しキッセイ薬品工業が国内で販売するタブネオスについて伺います。タブネオスをめぐっては、服用した患者20人が死亡したと報告されています。会社側は、新規患者への投与を当面控えるよう呼びかけていますが、すでに投与されている患者への健康被害等の心配はないのでしょうか。また、アメリカのFDAは、タブネオスの承認申請の書類に虚偽の記載が含まれていたと明らかにしています。有効性に疑義が生じる中、厚生労働省としての今後の対応を教えてください。
大臣:
ご指摘の死亡例に関しては、本医薬品の副作用である肝機能障害によるものと承知しています。この副作用については、承認時から添付文書に重大な副作用として明記し、投与中は定期的な肝機能検査を行うことなどの注意喚起を行っているところです。しかし、市販開始以降、肝機能障害に関連した死亡例の副作用報告が一定数、随時報告されており、一定の集積が見られたため、今般、製造販売業者に注意喚起を行わせることとしました。これを受けて、先週15日、当該企業から医療現場に対して、重篤な肝機能障害に注意すること、新規投与を控えることを周知したほか、継続投与中の患者に肝機能のリスクについて説明し、定期的な検査実施や患者の自覚症状等に注意しつつ、継続投与の是非を慎重に判断することを促しているところです。患者の方がご心配される場合には、主治医にご相談いただくように促していきたいと考えています。また、厚生労働省においても情報を精査しており、更に必要な安全対策を速やかに検討してまいりたいと考えています。一方、有効性に係る治験のデータに関する疑義については、欧米の状況を踏まえ確認を進めており、米国が4月27日に公表した文書を踏まえ、改めて事実関係を含めた詳細について報告するよう当該企業に指示したところです。今後、当該企業からの報告を確認の上、海外規制当局とも連携しながら必要な対応を進めていきたいと考えています。
記者:
昨日、連合の芳野会長が上野大臣と面会し、裁量労働制や変形時間労働制の要件緩和を行わないよう要請したかと思います。この中であった具体的なやり取りについて教えていただきたいのと、労働市場改革分科会では今月中にも考え方を取りまとめる予定となっていますが、裁量労働制の見直しについては、労使間の意見の隔たりがまだあるかと思います。今後どのように議論をまとめていくのかということも含めてお願いします。
大臣:
昨日、連合から、働く者の声を尊重した労働時間法制の実現を求める緊急要請等をいただきました。連合からは、現場の実情を踏まえた、忌憚のないご意見を伺ったものと承知しています。私からは、労働時間規制について、労働市場改革分科会や労働政策審議会において、労使の皆様のご意見を伺いながら、丁寧に議論を進めていく旨を申し上げたところです。また、裁量労働制については、適正な運用が行われれば、労使双方にとってメリットのある働き方が実現できる一方で、制度の趣旨に沿っていない運用がなされた場合には、労働者の健康確保や処遇確保などの観点から問題があるとも指摘されています。こうした点も含めて検討していく必要があると考えています。労働市場改革分科会においては、構成員の皆様から幅広くご意見を頂戴して議論を行っていますが、取りまとめに向けて何らかの方向性を決め打ちしているものではありません。ただ、裁量労働制を含む労働時間規制については、働き方の実態とニーズを踏まえて、運用・制度の両面から、議論を進めていくこととしているので、構成員の皆様の幅広いご意見を丁寧に取りまとめていきたいと考えています。
記者:
外務省が昨日、山口県の長生炭鉱で発見された人骨のDNA型鑑定について、日韓両国で協力について一致したと発表しました。これまで厚生労働省は、炭鉱の調査に関して専門家を現地に派遣するなどしてきましたが、調査の検討の現状や今後炭鉱内や周辺を調査する考えがあるかを教えてください。また、仮に人骨の身元がDNA型鑑定で特定された場合、遺族への補償などについてはどのように対応されるのかも教えてください。
大臣:
お尋ねのご遺骨の調査ですが、現時点で、政府が直接行うことは考えていませんが、厚生労働省としては、これまで現地において、市民団体の皆さんの活動状況や遺骨収容のための潜水調査等の安全性に関する専門家の知見などを伺ってきたところです。これまでに集積した専門的な知見等を整理した上で、引き続き対応していきたいと考えています。また、身元が特定された場合の遺族の方への補償については、仮定の質問であるので、お答えは差し控えさせていただきたいと考えていますが、いずれにせよ、身元特定のためのDNA型鑑定については、厚生労働省としても、適時・適切に関係省庁と連携して対応してまいりたいと考えています。
記者:
先ほど幹事社からも質問のあったキッセイ薬品工業の関係でお伺いします。先ほど大臣からも言及のあったタブネオスに対する、厚生労働省として速やかに検討するとした必要な安全対策についてですが、具体的にいつ頃までにどのような中身で検討されているのか、例えば、承認の取消しや使用できる人の限定など、現時点で検討の中身の見通しについてもお示しできるものがあれば教えていただければと思います。
大臣:
現時点において、様々な情報なども整理しながら検討しており、いつ頃までに何を、ということはなかなか現段階では申し上げることはできません。
記者:
改正健康保険法が参議院で審議中ですが、改正によって創設される一部保険外療養は、OTC類似薬以外の医療全般に適用拡大されると、法制上解釈できる規定になっていると認識しています。将来的にOTC類似薬以外に拡大しないと断言できる、歯止めとなる法的根拠はありますか。また、財務省が4月28日の財政制度等審議会で医療機関における窓口業務費用の保険給付外サービス化を提案されています。今回、一部保険外療養を適用し、通常診療における窓口業務が保険適用から除外されるのではないかという懸念が起こっていますが、仮に保険適用から除外される場合、法的根拠も含めてご答弁をお願いします。
大臣:
一部保険外療養については、本法案の附則において、OTC類似薬の一部保険外療養の見直し規定を設けているように、法案全体を読めば、見直しの対象は薬剤を念頭においたものとなっています。現時点でOTC類似薬以外を位置付けることは想定していません。また、財政審については、私からコメントすることもありませんが、厚生労働省として、一部保険外療養により窓口業務の費用を徴収することは考えていません。
記者:
薬以外の窓口業務と診療本体に対して、一部保険外にすることや、特別料金を徴収することは現時点では考えていらっしゃらないということですが、法制上もそういうことができないという理解でよろしいですか。それとも政策上、今は考えていませんということなのか、その違いだけ教えてください。
大臣:
法制上のお話がありましたが、具体的な対象範囲については、下位法令で定める規定ぶりになっているので、そのようなご懸念があろうかと思いますが、本法案の附則においては、OTC類似薬の一部保険外療養の見直し規定を設けているので、こうした点から申し上げると、法案からは見直しの対象は薬剤を念頭においたものになっていると考えています。繰り返しになりますが、現時点でOTC類似薬以外を位置付けることは想定していません。
記者:
ゾンビたばこと呼ばれる指定薬物のエトミデートについて伺います。元広島東洋カープの選手がエトミデートを使用したとして、先週、実刑判決を受けました。子どもたちを含め社会的に影響力のある元プロ野球選手がエトミデートを使用したことについてどのように受け止めていますか。また、公判の中で、他の選手も使用していたという趣旨の説明があり、球団が調査に乗り出すことになりましたが、球団に対し求めることがあれば教えてください。併せて、国内での乱用や蔓延の状況をどのように認識し、これ以上の広がりを防ぐためにどのように対策していくのかも教えてください。
大臣:
個別の事案について、お答えすることは差し控えたいと考えています。ご指摘のエトミデートについては、昨年5月に、医薬品医療機器等法の指定薬物として指定し、製造、輸入、譲渡、所持、使用などを厳しく規制しているところです。同月以降、警察や地方厚生局麻薬取締部等において、エトミデート事案の摘発を進めているところです。昨年7月に沖縄県での検挙事例があって以降、本年3月末時点までに、12都府県において検挙事例があると認識しています。厚生労働省としては、取締りに加えて、SNSを活用した予防啓発等を行っており、引き続き関係省庁等とも連携しながら、国内に薬物乱用が広がらないようにしっかりと対応してまいりたいと考えています。
大臣:
タブネオスについて安全対策を検討しています。早急に対応を検討できるように努力していきたいと考えています。

(了)