上野大臣会見概要
(令和8年5月18日(月)10:49~10:57 中央合同庁舎5号館1階タリーズ前)
広報室
会見の詳細
発言要旨
- 大臣:
- 私から2点お話しさせていただきます。今般のクルーズ船におけるハンタウイルス感染症発生に係る英国へのファビピラビルの提供等についてです。今般発生したクルーズ船ホンディウス号におけるハンタウイルス感染症の事案に関連して、ハンタウイルス感染症の患者等と接触した者の発症の予防に使用するため、我が国が保有するファビピラビル、商品名アビガンの提供に関する要請があったことを受けて、英国時間5月15日、英国にアビガンを提供いたしました。今回の事案について、クルーズ船の乗客であった邦人1名に関し、チャーター機の余席提供及びその後の英国での健康観察など、多大なる協力をいただいていることや、厚生労働省と英国健康安全保障庁との覚書に規定される相互協力の精神等を踏まえて、今般の提供を行うこととしました。英国から謝意が表明されたと承知しています。厚生労働省としては、引き続き、邦人保護や感染拡大防止に向け、国際社会と緊密に連携してまいります。なお、この後事務方からブリーフィングを行わせていただきます。
- もう1点は、エボラ出血熱についてです。5月17日、WHOがコンゴ民主共和国及びウガンダにおけるエボラ出血熱の流行について、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)と判断しました。WHOによれば、5月16日時点で、コンゴ民主共和国のイツリ州において、疑い例も含めて254件の症例、また80件の死亡例が報告されているほか、隣接するウガンダにおいても2名の感染が報告されています。厚生労働省としては、検疫所において、ポスターによる注意喚起を行うとともに、感染発生地域に滞在歴がある入国者等に関する検疫所における健康監視等について、5月17日に事務連絡を発出しました。現時点では、国内で患者が発生するリスクは低いと考えていますが、引き続き状況について注視するとともに、関係省庁と連携して必要な対応をとってまいります。国民の皆様におかれましては、厚生労働省や国立健康危機管理研究機構等から発信する情報をもとに、冷静な対応をお願いいたします。
質疑
- 記者:
- アビガンについて伺います。ハンタウイルスにアビガンの予防効果が期待できるとか、何かしらの効果が期待されるから要請があったということだと思いますが、そのデータはあるのでしょうか。
- 大臣:
- 現時点で、ヒトを対象とした臨床試験においてハンタウイルス肺症候群の治療や予防に関する有効性・安全性が確認されているものではないと承知しています。ただ、動物実験においては、アビガンがハンタウイルス感染後の生存率を上げるという実験結果が存在するものと承知しています。
- 記者:
- アビガンの提供ですが、今回は無償で、ということなのでしょうか。
- 大臣:
- その点に関しては、英国当局との外交上のやり取りでもあるので、詳細についてお答えを差し控えたいと思います。
- 記者:
- 拠出するのはいわゆる政府備蓄からになるのかということと、政府備蓄への影響、数量の問題などあるのでしょうか。
- 大臣:
- 政府備蓄からの提供です。アビガンについては、新型インフルエンザ対策としての備蓄目標が200万人分で、備蓄状況はそれを超えています。ですから、今回の供与により、国内への影響があるとは考えていません。
- 記者:
- それに関連してですが、英国政府にはどれくらい、何人分の量を提供しているのでしょうか。
- 大臣:
- それも大変恐縮ですが、外交上の関係ですので、具体の数字については、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
- 記者:
- 英国で経過観察中の日本人1人の方の健康状態について、最新でお分かりのことを教えていただければと思います。
- 大臣:
- それも大変恐縮ですが、プライバシー保護の観点からお答えを差し控えたいと思います。
- 記者:
- 別件で恐縮です。キッセイ薬品工業の血管炎治療薬タブネオスについてお伺いします。会社側の説明ですと、金曜日に、アメリカの食品医薬品局は承認申請の書類に重要な事実に反した虚偽の記載が含まれていると説明しており、国内でも服用後20人が死亡したと発表しています。厚生労働省としてはこの事案についていつ認識し、また事実関係をどう把握しているのか、加えて厚生労働省としての今後の対応や呼びかけがありましたらお願いします。
- 大臣:
- 重篤な副作用を把握した場合、企業は医薬品医療機器総合機構(PMDA)に報告するように、医薬品・医療機器等法で義務づけられています。随時それは報告されているところです。また、治験のデータに関する疑義に関しては、欧米の状況を踏まえて確認を進めています。米国において、4月27日に公表された文書を踏まえ、改めて事実関係を含めて、詳細について企業に報告を指示したところです。本剤の肝機能障害は死亡に至るおそれのある重大な副作用です。承認時から添付文書に重大な副作用として注意喚起をしてまいりました。詳細な報告時期については確認中ですが、市販後に肝機能障害に関連した死亡例の副作用報告が一定の集積を見たため、企業に対して現場への注意喚起を行わせたものです。厚生労働省においても情報を精査しており、必要な安全対策を速やかに検討していきたいと考えています。医療上の安全性を確保するため、当該医薬品を新規の患者には投与しないよう、改めて現場にはお願いします。詳細は事務方にお尋ねください。
- 記者:
- 評価に関してはこれからですか。
- 大臣:
- そうです。
(了)

