上野大臣会見概要
(令和8年5月12日(火)8:59~9:13 省内会見室)
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 私からは冒頭発言ありません。
質疑
- 記者:
- クルーズ船で確認されたハンタウイルスについて伺います。クルーズ船に乗っていた日本人1人は、イギリスで健康観察中だと思いますが、現在の容体と今後の対応について教えてください。また、ハンタウイルスの患者はこれまで日本で確認されたことはないということですが、国として、今後どのように警戒や対応するのかも併せて教えてください。
- 大臣:
- ハンタウイルスへの感染が発生したクルーズ船ホンディウス号に乗船していらっしゃった邦人1名は、現地時間5月10日、英国政府が手配されたチャーター機の余席提供を受けました。英国に到着されたと承知しています。この方の健康状態には問題はないとお伺いしています。今後、WHOの推奨等に基づいて、英国にて、現地保健当局による最大45日間の健康観察等を受ける予定だと聞いています。邦人保護及び感染拡大防止の観点から、外務省及び在外公館の職員が、この方と緊密に連絡をとり、運航会社や関係政府、関係機関等とも連携しながら支援を実施いただいています。引き続き、適切に対応していく考えと承知しています。日本国内の対応ですが、今回の事例においては、ハンタウイルスの一種であるアンデスウイルスが確認されています。これは、過去に限定的ではありますが、感染者との濃厚な曝露による飛沫等によって、ヒトからヒトへの感染事例が報告されています。感染者と接触者の適切な管理により感染拡大を防止できるものとされています。日本国内にはアンデスウイルスを媒介するげっ歯類がそもそも存在しません。アンデスウイルスを原因としたハンタウイルス肺症候群の患者の発生はこれまで全く確認されていません。そういう状況があります。厚生労働省においては、ハンタウイルスを媒介するげっ歯類が生息する南米からの入国者のうち、体調に異状のある方に対して、げっ歯類との接触の有無などを確認し、必要に応じて医療機関への受診を勧奨するよう検疫所に指示を出しているところです。5月4日に出しました。今回の事例については、WHOのガイドライン等に基づいて、関係各国にて適切な感染拡大防止の対応がとられています。WHOからも公衆衛生上のリスクは低いと評価されていることから、現時点において、我が国に対して直ちに大きな影響が及ぶことはないと考えています。ただ、引き続き、事態を注視しながら、必要な感染対策に万全を期していきたいと考えています。国民の皆様におかれましては、海外への渡航時には、動物との不用意な接触を避けていただくとともに、政府からの情報発信を注視するなど、冷静な対応をお願いしたいと思います。
- 記者:
- 障害者雇用ビジネスについて伺います。障害者雇用ビジネスをめぐっては、仲介業者サンクスラボを利用する企業が雇用した障害者に実質的な仕事を与えずに事実上放置するなど、企業が障害者を形だけ雇って、就労管理を仲介業者に丸投げしている実態が明らかになりました。今回のサンクスラボをめぐる問題について大臣の受け止めをお聞かせください。また、障害者雇用ビジネスをめぐっては、厚生労働省が労働政策審議会の分科会で利用企業による報告制度やガイドライン創設などの対応について議論する予定ですが、障害者雇用ビジネスに対する受け止めや、障害者雇用に対する在り方についての見解をお聞かせください。
- 大臣:
- 報道にありますが、個別の事案ですので、私の立場からお答えすることは差し控えたいと思います。その上で、一般論として申し上げますが、障害者雇用促進法においては、全ての事業主に対して、障害者である労働者の能力を正当に評価し、能力にふさわしい雇用の場を用意することや、適正な雇用管理、職業能力の開発・向上に関する措置などを行う責務を課しているところです。この責務には、自らが採用した障害者に対し、適切に業務を付与し、能力発揮を促していくことが当然に含まれていると考えています。一方で、いわゆる障害者雇用ビジネスについては、利用企業と障害者の間で、業務内容や就業場所が離れているので、利用企業側の雇用責任の希薄化が見られることや、不十分・不適切な雇用管理、障害者の能力発揮の成果が有為な事業活動に十分活用されていないなどの課題が指摘されているところです。こうした課題については、これまで、有識者による研究会において議論を行い、本年2月に取りまとめられた報告書において、障害者雇用ビジネスの利用状況や実態を着実に把握し、必要な指導監督を行うため、利用企業に対して一定の報告義務を課していくことや、利用企業側、また、障害者雇用ビジネス事業者側の双方に対し、望ましい在り方を示すガイドラインの策定等について検討を深めていく方向性が示されているところです。この報告書も踏まえて、今年の4月から、労働政策審議会において、次期制度改正に向けた検討を開始したところです。障害者雇用ビジネスをめぐる課題についても、しっかりと議論を行い、検討を深めてまいりたいと考えています。
- 記者:
- 健康保険法等の改正案の中の一部保険外療養についてご質問します。今回の一部保険外療養は、薬剤費を一部とはいえ保険外として追加負担を求める内容で、日常的に治療に要する医薬品を保険給付から外すことにほかなりません。現行健康保険法第63条第1項で疾病・負傷に対して、診察、薬剤、処置・手術、看護などを一体で保険給付してきていますが、この大前提を覆すもので、これまでの保険外併用療養費制度からみても前例のない制度改変ではないでしょうか。前提を覆した上で配慮対象を設けていくということですが、これでは同じように保険料を支払って、医師の診断・処方がされ、かつ保険適用されている薬であるのに、全額保険給付される患者とされない患者が生じることは制度上不平等・不公平が生じるのではないかと考えますがいかがでしょうか。
- 大臣:
- 今般のOTC類似薬の保険給付の見直しについては、医療保険制度の持続可能性を確保し、現役世代を中心とした保険料負担を軽減していくため、保険を使って医療用医薬品の処方を受ける方と保険を使わずOTC医薬品で対応する方との公平性を確保する観点から、必要な受診を行った上で、結果的に対象となるOTC類似薬が支給される場合に、別途の負担を求める新たな仕組みです。この考え方のもとで、本制度では、一部保険外療養の定義においても、適正な医療の提供を確保する旨を明記しています。法律の第63条第2項第6号です。また、がんや難病患者などに対しては別途の負担を求めないといった仕組みとすることで、引き続き必要な受診を行っていただくことを前提としています。したがって、必要かつ適切な医療は基本的に保険診療により確保するという国民皆保険制度の理念とは矛盾しないものと考えています。本制度の考え方等について患者の皆様にご理解いただけるように、これからも丁寧に説明を進めてまいりたいと考えています。
- 記者:
- これまで一体で、投薬まで確保されていたものが、一部保険給付から外れるということだと思いますが、これは前例がこれまでなかったのではないかと思いますが、今回、大きくその部分は変えるということでよろしいでしょうか。
- 大臣:
- ジェネリック医薬品と既存の薬との関係で同様の制度はあるので、これが全く新しい制度かといわれると、そうではないと考えています。先ほども申し上げたように、今回の制度については、制度全体の持続可能性の確保という観点と、現役世代を中心とした保険料の軽減という観点、OTC医薬品で対応する方とそうでない方との公平性の観点等を踏まえたものですので、その点の趣旨についてはこれからもしっかり説明していきたいと考えています。
- 記者:
- 選定療養は患者の選択というところが前提となっていたかと思いますが、今回大臣もおっしゃったように、まず受診し、結果的にOTC類似薬が処方された場合ということで、そういう意味では、受診して必要だということで処方された薬が一部除外されるということでは、これまでの選定療養の考え方からも大きく超えるものだと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
- 大臣:
- それとの比較も大事かもしれませんが、先ほど来申し上げているとおり、そういった制度の趣旨で今回見直しさせていただく予定ですので、その点は是非ご理解をお願いしたいと思います。
- 記者:
- 5月8日午後、厚生労働省前に新型コロナワクチンの被害者遺族や心ある市民ら数千人、延べ人数でいえば万単位の人が集まり、ワクチン事業の即時停止や被害者救済、WHOからの脱退などを主張しました。その際、上野大臣らとの対話を再三求めていましたが、なぜ、対話に応じてくれなかったのでしょうか。お教えください。
- 大臣:
- ご指摘の5月8日の件について詳細は承知していませんが、新型コロナワクチンに関しては、これまで様々なご意見をいただいています。ワクチン接種後の健康影響に苦しむ方々のご意見や、定期接種の中止を求めるご意見もあると承知しています。新型コロナワクチンに限らず、他の医薬品による健康被害に遭われた方もいらっしゃる中で、全ての方の要望を直接お伺いするということはなかなか難しいわけですが、ワクチン接種後の健康被害を訴える方々やそのご家族の皆様のお声については、担当部局からの報告などを通じてしっかり承るように努めてまいりたいと考えています。
- 記者:
- 5月8日に、ここに大勢の市民が集まっていたのはご存じだったでしょうか。
- 大臣:
- その際私は外で出張していましたので、大変恐縮ですが、当日は存じ上げませんでした。
- 記者:
- 伊原事務次官や迫井医務技監など、幹部もいらっしゃらなかったのでしょうか。
- 大臣:
- それは確認していませんので、事務方に聞いてください。
- 記者:
- では最後に1問。今後、ワクチン被害者遺族が面談を求めた場合に、応じるおつもりはありますか。
- 大臣:
- 繰り返しになりますが、新型コロナワクチンに限らず、他の医薬品による健康被害に遭われた方もいらっしゃる中で、全ての方の要望を直接お聴きするということはなかなか難しいと考えていますが、先ほども申し上げましたが、担当部局からの報告等をしっかり承ってまいりたいと考えています。
- 記者:
- 応じられる可能性もないわけではない。
- 大臣:
- 担当部局からの報告を通じてしっかり承るように努めたいと考えています。
(了)

