上野大臣会見概要

(令和8年4月28日(火)9:02~9:13 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
私からですが、雇用統計についてです。令和8年3月の有効求人倍率は1.18倍と、前月より0.01ポイント低下となりました。また、完全失業率は2.7%と、前月より0.1ポイント上昇となりました。なお、令和7年度平均の有効求人倍率は1.20倍と、前年度から0.05ポイント低下しました。求人・求職の動向や労働力調査の結果をみますと、現在の雇用情勢は、有効求人倍率はおおむね横ばいで、求人が引き続き求職を上回って推移しており、緩やかに持ち直しています。物価上昇・中東情勢等が雇用に与える影響に留意する必要があると考えています。

質疑

記者:
健康保険法について伺います。一部報道には、今国会で成立見通しとの報道もあります。ただ、高額療養費制度の見直しやOTC類似薬の薬剤給付費の見直しについて、患者団体を中心に反対の声が根強いのもまた事実かと思います。これらを見直すに当たり激変緩和策などの考えはあるのか、また、これらの声をどう受け止めているのか教えてください。
大臣:
今回の見直しですが、患者団体の方にもご参加いただいた専門委員会において、関係者の方々からのヒアリングを行うとともに、延べ20を超える様々な事例や、家計調査を用いた家計の収支状況といった資料などをお示しし、様々な角度から丁寧に議論を重ね、整理・合意いただいた考え方に基づくものでもあります。今回の見直しは、制度の持続可能性と長期療養者や低所得者へのセーフティネット機能強化の両立を目指すものです。患者団体をはじめ、保険者、労使、医療関係者など、高額療養費制度を支える多くの関係者と丁寧な議論を積み重ねた上で決定したものであると考えているので、見直しの趣旨・内容についてご理解いただけるように、丁寧にこれからも説明していきたいと考えています。また、OTC類似薬の保険給付の見直しですが、必要な受診を行った上で、結果的に対象となるOTC類似薬が支給される場合に別途の負担を求めるものです。この別途の負担については、急激な負担増とならないように、薬剤費の4分の1に設定しています。また、施行に当たっては、引き続き必要な受診が確保されるよう、がん・難病患者等に対しての配慮措置も今後検討していくこととしています。その具体の範囲については、法案のご審議なども踏まえ、今後、有識者の検討会で技術的な観点から議論いただいた上で、医療保険部会や中医協でも議論いただくこととしているので、関係者のご意見を伺いながら丁寧に検討していきたいと考えています。
記者:
今月22日の成長戦略会議で、家事支援サービスの国家資格について、これを創設して、2027年秋頃をめどに第1回目の試験実施を目指すと示されました。国家資格を創設する意義と少子高齢化や労働力確保の観点からどういった効果を期待するのか教えてください。またもう1点、既にある社団法人の試験を発展させるという報道もありますが、現時点でどのような資格を検討しているのか、税制措置の支援策とも連動したものなのか、教えてください。
大臣:
育児や介護等による離職を防止し、多様な人材の労働参加を進める環境が整備できるように、家事等の負担軽減を図ることが重要だと考えています。このため、品質向上や信頼性確保の観点から、家事支援サービスに関する国家資格の創設に向け、取り組んでいきたいと考えています。具体的には家事支援サービスにかかる業界標準としての技能検定を創設して、2027年秋頃に第1回を実施する方向で検討しています。新設を目指す国家資格の保有者など質の高いサービスの利用に対する税制措置も含めた支援策の検討を行うこととしています。関係省庁や業界団体等と連携しながら丁寧かつスピード感をもって検討を進めていきたいと考えています。
記者:
高額療養費専門委員会では、患者の支払い余力を検討する際に、患者の家計収入から税・保険料、食費、光熱費、住居費を控除しましたが、なぜ教育費を控除していないのでしょうか。患者の収入減少を、支払い余力を検討する際に前提としなかったのはなぜでしょうか。今年8月施行となる改正健康保険法の附帯決議では、教育費や収入変動等に留意すると決議されました。決議を踏まえて今年8月からの引上げも再検討すべきではないでしょうか。一部保険外療養の対象範囲について、24日の審議で大臣は、法制上は、薬剤費全額を別途負担とすることは可能と答弁されましたが、今後、法制上、薬剤費を全額自費にすることは可能という理解でよいのでしょうか。法制上は対象薬剤を何品目まで拡大することができるのでしょうか。
大臣:
患者お一人お一人が置かれた状況は様々であり、病状、家族構成、就労の有無、貯金の状況など、例えば1万人の患者さんがおられれば1万通りの状況があり、その状況は全て異なっていると考えているので、そのような点を念頭に置きながら、専門委員会において、関係者からヒアリングを行ってまいりました。その際には、家計への影響を検討するため、延べ20を超える様々な事例や家計調査を用いた資料も提出し、ご議論いただくなど、様々な角度から丁寧に議論を重ね、見直しの考え方について整理の上、合意いただいたものと承知しています。その際、専門委員会の委員からは、扶養家族がいるにもかかわらず負担限度額が同じであることは負担感が大きい、あるいは就労面では、収入の減少や非正規雇用への転換というケースも少なくないなど、様々なケースを念頭に置いたご意見をいただきました。このようなプロセスを経て決定したのが今回の見直し案です。このように、患者の多様性に留意した議論を重ねた上での今回の見直しですが、将来の見直しに際しても、「高額療養費の支給を受ける者の多様性に留意すること」という附帯決議を尊重する必要があると考えており、仮に、将来見直しを行う場合には、この点は当然留意していきたいと考えています。また、一部保険外療養についてですが、法制上は、先般の国会答弁のようなことかと存じますが、この別途の負担の設定に当たっては、患者の状況や負担能力に配慮する必要があるので、現時点で別途の負担を薬剤の全額とすることは考えていません。今後、対象薬剤の拡大については、与党の政調会長間合意や大臣折衝事項において、OTC医薬品の対応する症状の適応がある処方箋医薬品以外の医療用医薬品の相当部分にまで対象範囲を拡大することを目指すこととされているので、そうしたことも踏まえて、施行状況等について厚生労働省において把握・分析を行った上で、令和9年度以降にその対象範囲について検討することとしています。
記者:
子育て世帯、現役世代の2人以上世帯の家計調査をモデルケースとしてなされていて、子どもを持つがん患者が一番苦しいということで、ずっと訴えていらっしゃるので、今後の検討では附帯決議に留意するというご回答がありましたが、令和9年というのは今後なので、令和9年の引上げについて、今後再検討するお考えがないかというのを、是非、附帯決議に留意してご検討いただきたいと思いますし、もし、ご見解があればお願いするというのと、先ほど、一部保険外療養については、法制上は全額自費にすることは可能といえば可能というご答弁のとおりということでよろしいのでしょうか。それと、法制上の話と、今はやらないが今後は可能性としてはあるという理解なのでしょうか。そこが不安の材料になっているので、ご回答お願いします。
大臣:
まず1点目は、今回の見直しは令和8年度と令和9年度をパッケージとしてお示しし、予算委員会や法案の審議でもご議論いただいているので、将来の見直しに際しては、先ほど申し上げたように、附帯決議に沿って検討する必要があろうかと考えていますが、それを今回のパッケージとしての見直しのことではなく、その後に行われるかもしれない見直しについてのことだとご理解いただければと思います。
記者:
後段の、大臣が24日に答弁されたことを改めてご紹介いただいた方がよいのかなと思うのですが。
大臣:
法制上は、条文を見ていただければ分かろうかと思いますが、何分の1をいただくとか、そういったことは書いてありませんので、その点はご指摘のとおりかと思いますが、先ほど申し上げたとおり、患者の皆さんの状況や負担能力といったことに配慮する必要があるので、現時点で別途の負担を薬剤の全額とすることは全く考えていません。

(了)