上野大臣会見概要

(令和8年4月14日(火)8:59~9:17 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
私から1点ですが、iDeCo普及・推進特別会議についてです。今年の12月に、iDeCoの拠出限度額と加入可能年齢が引き上げられ、掛金の所得控除が最長で70歳になるまで受けられるようになります。これを契機に、iDeCoの加入者の一層の増加、大幅な増加に向けて周知・広報を強力に進めていきたいと考えています。既に経団連の皆さんにもご協力いただき、説明の場をいただき、従業員の方々に向けた周知をお願いしています。新入社員など若い世代の皆さんにもメリットや意義を知っていただきたいと考えていますし、50代からでも決して遅くはなく、ライフステージに応じた活用を期待しています。今のところiDeCoの加入率は約5%と、少し低い水準になっていますし、iDeCoの認知率自体も約60%ということで、NISAに比べて低い状況です。加入率を大幅に引き上げたいと考えていますし、その前提として、iDeCoの認知率の向上にも取り組んでいきたいと考えています。さらに、本日、金融機関、金融庁等の関係団体にご参加いただき、iDeCo普及・推進特別会議を開催します。業界の皆さんとも一丸となって、更なる加入率の向上、認知度の向上に取り組んでいきたいと考えています。会議の詳細等については、事務方にお尋ねいただければと思います。

質疑

記者:
高額療養費についてお伺いします。野党の一部からは、議員立法を提出する動きもあり、その中では、給与や収入の状況、適切な受診に与える影響などへの考慮事項を追加するよう求める見通しです。今回の健康保険法改正案にも配慮規定が盛り込まれていますが、国会審議を通して今後見直しを検討することもあり得るのか、また医療保険部会での更なる議論は行わないのかというところについてご見解をお願いします。
大臣:
ご指摘の議員立法ですが、詳細は承知していないため、コメントは控えさせていただきたいと思います。今回の見直しに当たっては、患者団体の方にもご参画いただいた専門委員会で様々な角度からの議論を積み重ねていますし、制度の持続可能性や長期療養者、所得が低い方へのセーフティネット機能の強化という観点で取り組ませていただくものです。予算についても今国会でお認めいただいているので、今後は、丁寧な周知を含め、施行に向けた準備に万全を期してまいりたいと考えています。
記者:
先週10日に日本医師会など医療関係団体との意見交換があったと思います。各団体からの意見を聴いて、大臣として特に問題意識を持たれた点があれば教えてください。団体からは買い占めなどへの懸念が示されたとお聞きしましたが、これについて具体的な対応策を検討しているのかどうかということ、10日からEMISによる医療物資の供給状況の把握が始まったと思います。現時点で必要な物資が入手できないといった問題などが確認されていないかというのも併せて伺えればと思います。
大臣:
今お話のあったとおり、10日に医療関係団体との意見交換会を行いました。医療関係団体からは、供給不安を踏まえた買い占め等につながらないよう、適切な情報発信をお願いしたいといったご意見や歯科医療に用いるグローブの入手が困難である旨のご意見がありました。3月30日と31日に、医療機関及び供給業者団体の双方に対して、必要量に見合う量の受注・発注、適切な対応への協力を既に依頼していますが、引き続きその状況について注視していきたいと考えています。また、4月13日に、日本歯科商工協会に対して、歯科診療の現場に必要な医療用手袋等が適切に供給されるようご協力いただきたい旨の依頼を行っています。引き続き、流通の目詰まりの解消に向けた対応を行ってまいりたいと思いますが、その状況については積極的な情報発信を含め、適時かつ正確な発信に努めていきたいと考えています。また、EMISの関係ですが、いくつか情報も集まってきています。精査中ですが、その情報を精査し、万が一安定供給に支障が生じる恐れがあると判断した場合には、経済産業省と連携して対策していきたいと考えています。
記者:
高額療養費制度についてお伺いします。参議院予算委員会の参考人質疑で、患者団体は高額療養費の月額上限の引上げに同意していません。専門委員会での再検討を求めています。患者団体の合意がないまま政府案を決めたのに、国会で患者団体の意向と発言がありましたが、問題ではないでしょうか。4月7日の審議で高市総理が「今年8月から開始するということが、患者の皆様の意向にも沿うもの」との認識を示されましたが、何を根拠にそのような答弁をされたのでしょうか。高額療養費の専門委員会では、収入減少に伴う家計の支払い余力に関する患者影響調査を実施していません。教育費支払いによる患者家計への影響も考慮されていませんが、そのような認識でよろしいでしょうか。
大臣:
第8回の専門委員会で、見直しの考え方を整理いただいていますが、その際には、所得の低い方への負担に配慮する、一人当たり医療費の伸びに応じて月額上限額を見直す、また、応能負担という観点に基づき所得区分の細分化を行う、長期療養者や低所得者へのセーフティネット機能を強化する観点から、多数回該当の据え置きや年間上限の創設、年収200万円未満の方の多数回該当の金額の引下げなど、具体的な見直しの方向性を記載した資料をお示しした上で議論いただき、合意されたものです。今回の見直しについては、患者団体の方をはじめ、保険者、労使、医療関係者など、多くの関係者と丁寧な議論を積み重ねた上で整理いただいた、今申し上げた考え方を踏まえて、具体的な金額を決定したものです。なお、総理の発言について言及がありましたが、これは年間上限の導入に関するものです。年間上限については、まさに患者団体の皆様からのご意向が強いものですし、現物給付化するためのシステム整備を待つのではなく、まずは償還払いであっても早急に実現を図るというのが専門委員会の議論の到達点であることを踏まえたものです。また、家計への影響については、それぞれの患者さんが置かれた状況、具体的には、病気の状態や世帯構成、就労の有無、預貯金の状況などは様々であるという前提に基づいて、専門委員会において、延べ20を超える事例や家計調査を基にした資料などお示しして、丁寧に議論を重ねてまいりました。その上で、専門委員会の委員からは、長期療養者の方は、経済的負担が累積されるため、生活や就労に直結する深刻な問題となっていること、就労面では、収入の減少などというケースも少なくないこと、また、現在の多数回該当のみの制度では、長期利用者の生活への影響を緩和することが難しいといったご意見もいただいたので、このような議論も踏まえて、多数回該当は据え置き、年間上限の創設など、先ほど申し上げたセーフティネット機能の強化に努めてきたところです。今回の見直しによる患者の皆様への影響については、今後ともしっかりと注視してまいります。
記者:
お答えになられていないのでもう一度聞きます。昨年12月25日、具体的な月額上限の引上げ金額が初めて示された会合では、患者団体は同意していません。そのことをお認めにならないのであれば、事実をお認めにならないことになりますので、再度そのご認識を改めていただきたいと思います。あと、専門委員会での収入減少、家計一般の話ではなく、収入が減るのですよ。がん患者は治療で。そのことを一切考慮されていないと思うので、これは先ほど質問のあった健保法の議論にも関係してきますので、このままだと、健保法の家計への配慮規定の中に、肝心な収入減少や教育費というのは一切入らない状態になってしまいます。そこが不十分なところがあるとお認めにならないと、今後のいろいろな検討の際に、実態と乖離したことになるので、是非その2点は今即答できなくても踏まえてほしいし、最低限、患者団体の意向ではないというご見解をお願いします。
大臣:
患者団体の皆さんからさまざまなご意見をいただいているのは事実ですが、先ほど申し上げたとおり、基本的な考え方については合意いただいた上で、金額等については政府として責任を持って決定させていただいたものです。また、教育費等については、先ほどの家計調査の中に当然含まれているものですので、その状況をお示ししながらご議論いただいたものと認識しています。
記者:
収入が減るのですよ。収入が減らない状態の収入で月額上限が決められて、かなりきついというのが、それが一番重要なところなので、一番重要なところを検討していないから不満が残っているのですよ。それは今即答できなくても、収入が減るということが患者さんにとっては一番大きいのですよ。そこがないので、今皆さんは怒っているので、収入が減らないのであれば払えるのではないかという議論をされているのですよ、そちらは。それではだめだということをずっと言っているのにかみ合わないというのがあるので、そこは是非検討してください。
大臣:
それはまた後日にさせていただきたいと思います。
記者:
今月から定期接種が開始された妊婦向けRSウイルスワクチンについて1点伺います。3月31日の会見において、上野大臣は、早産増加の統計的有意差について私が質問したところ、論文には記載されていない旨を答弁されました。しかし、厚生労働省のワクチン分科会の資料にある国際共同第3相試験の結果として、妊娠28週~32週未満の接種は1.43、括弧書きで1.02~2.02と、早産が多いことが記載されています。これについて、もちろん解釈や評価が様々あることは重々承知していますが、少なくとも統計学上の定義において有意差があるのか、それともないのか、どちらなのかをご回答いただけますでしょうか。
大臣:
先日もお答えした件かと思いますが、28週~32週未満の方に関しては、事後的に行われた補足的な解析ですので、この結果については、解析の一部分として結果が掲載されているものと承知しています。統計学的に有意に上昇したとの解釈は、本文中には記載されていないものと承知しています。なお、このような補足的な解析の結果を部分的に捉えて、リスクが増加したと認めることは、統計学的な解釈として一般的には適切ではないと承知しています。
記者:
そこは重々承知しているわけです。ただ、私が今聞いているのは、1.43(95%信頼区間)で1をまたがないで1.02~2.02という数字、これは統計学的に有意差があると考えるのが普通かと思いますが、ないとおっしゃるのですか。これは、あるかないか、どちらかで答えられるものなのですが。
大臣:
統計学的にまさに有意かどうかというところは、論文中には記載されていないので、私が今有意かどうかということをお示しすることは避けたいと思いますが、いずれにしても、それをリスク評価の上で、統計学的には、よくご存じのことと思いますが、解釈として使うことは適切ではないということです。
記者:
その上で質問させていただきますが、アメリカではこのワクチンの承認について、私が先ほど申し上げた28週~32週未満を外して、32週以降~36週の承認に限定しています。アメリカはなぜこういう判断をされたと承知していらっしゃいますか。
大臣:
アメリカの審査の詳細については承知していませんが、米国のFDAが発行している資料を確認すると、早産との因果関係については、認める又は認めないと評価できる十分なデータはないとされています。ただ、早産の潜在的なリスクを回避するために、妊娠32週~36週の者への使用について薬事承認がなされたのではないかと考えています。
記者:
では、厚生労働省としては、FDAが認めている早産の潜在的リスクはお認めになるのでしょうか。
大臣:
いずれにしても、定期接種化に関して審議会で議論させていただき、その審議会での議論の結果、現時点では明確に早産のリスクの上昇を示唆する報告は確認されていないとされています。一方で、28週以降の妊婦に打った際には、その有効性が非常に高いということも確認されていますので、我が国においては、そのような取扱いを審議会からも提案いただいたものだと承知しています。
記者:
東京23区で民間企業が運営する火葬場の火葬料が高騰している問題についてお伺いします。旧厚生省は「火葬場の経営主体は原則として地方公共団体でなければならない」などとする通知を出していますが、この通知に絡んで、火葬料に関する指導権限を明確化など、墓地埋葬法の改正の必要性をどのように認識されているかという点と、昨年11月に東京都と特別区長会の要望を受けた際に、火葬料について、「国として何ができるか研究したい」と応じられたかと思いますが、現時点で具体的なお考えがあればお聞かせください。
大臣:
東京都において実態調査が実施されました。東京都ではその結果を精査して、有識者等を構成員とする検討会で、火葬能力の確保や火葬場の経営管理が適切に行われる方策について議論されるものと承知しているので、私どもとしては、特に東京都からのご要望で、今いろいろな議論をさせていただいているところですので、その東京都の議論の推移をしっかりみていきたいと考えています。

(了)