上野大臣会見概要
(令和8年2月24日(火)10:35~10:49 省内会見室)
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 私からは発言はありません。
質疑
- 記者:
- 高市総理大臣が20日に施政方針を発表されました。働き方改革の総点検や裁量労働制の見直し、テレワークなどの柔軟な働き方の拡大に向けた検討を進めるなどということですが、大臣の受け止めや今後の取組の見通しなどをお願いします。
- 大臣:
- 先般の施政方針演説において、高市総理から、「働き方改革の総点検においてお聞きした働く方々の声を踏まえ、裁量労働制の見直し、副業・兼業に当たっての健康確保措置の導入、テレワークなどの柔軟な働き方の拡大に向けた検討を進める」旨の発言がありました。また、私が厚生労働大臣を拝命するに当たって、総理から改めて、心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和の検討を行うように指示があったところです。労働時間規制については、様々なご意見があるところですが、今後、日本成長戦略会議の下に設けられた労働市場改革分科会でご議論いただくこととしています。その議論の状況を踏まえて、労働政策審議会において、公労使の委員の皆様に、具体的に議論いただきたいと考えていますが、引き続き丁寧な検討を進めていきたいと考えています。
- 記者:
- 西日本で1968年に発生した食品公害のカネミ油症の次世代調査についてお伺いします。この調査は、認定患者の子どもや孫からの健康被害が相次いでいることから、2021年から毎年厚生労働省によって実施されており、今年で5年目になります。いつまで調査を続けるのか、結論をどのように目指すのかといった見通しがいまだ示されていない状況なのですが、調査のロードマップは存在するのか、今後の見通しをお答えください。
- 大臣:
- カネミ油症患者の方のお子様については、これまでの研究から、母親を介してダイオキシン類等が移行する場合もあると判明しています。このため、カネミ油症患者のお子さんやお孫さんといった次世代の方々の健康状態を把握するための調査を令和3年度から実施していますが、これまでの研究においては、次世代の方々にみられる自覚症状や先天性異常とカネミ油症との関係性について調査を行っていますが、現時点で両者の間には科学的な関係は認められないとされているところです。本調査においては、次世代の方々に見られる症状とカネミ油症の科学的な関係性を分析するには、更なるデータを継続して収集する必要があると考えているので、調査を行う具体的な年数などについては、なかなか現時点ではお答えすることは難しいわけですが、引き続き、調査を継続して、今後の調査結果を踏まえて、必要に応じた診断基準の見直し等についても検討していく必要があろうかと考えています。
- 記者:
- 新内閣発足に当たり、総理から上野大臣に宛てられた指示書の内容についてお伺いします。昨年10月の第一次高市内閣発足時の指示書では、「兼業・副業を促進するとともに、最低賃金の引き上げを加速させる」との文言が入っていましたが、取材では、今回は削除されています。最低賃金について、引上げを加速させるとの文言が消えたことについての大臣の受け止めをお聞かせください。また、石破政権で閣議決定された「2020年代に全国平均1,500円」という引上げ目標について、現在も政府目標となっているのか、改めてお聞かせください。もう1点ですが、裁量労働制についてもお伺いします。先ほども質問がありましたが、高市首相は20日の施政方針演説で、裁量労働制の見直しに言及しました。上野大臣の受け止めをお聞かせください。また、見直しの中身について、対象業務の拡大など何らかの制度拡充を目指しているのか、今後の検討の方向性についてもお聞かせください。また、日本成長戦略会議の労働市場改革分科会である程度の方向性を示した上で、労働政策審議会で議論していくという形になるのか、議論の具体的な進め方についてもお聞かせください。
- 大臣:
- 1点目ですが、最低賃金の目標自体は現在も維持されていると認識しています。ただ同時に、目標を事業者に丸投げしないということが高市内閣の基本的な考えだと承知しています。その上で、最低賃金を含むこれまでの政府決定への対応については、昨年、総理から賃上げ環境整備担当大臣である城内大臣に指示された、物価上昇を上回る賃上げが継続する環境整備に向けた戦略を策定する中で、経済動向等を踏まえて、今後、具体的に検討していくものと承知しています。その上で、今般総理からいただいた指示書においては、「経済産業大臣や賃上げ環境整備担当大臣をはじめ関係大臣と協力して、賃上げに向けた環境整備を加速させる」とのご指示をいただいたところです。そして、高市総理が改めて述べられた「政府としては、賃上げの責任を事業者に丸投げせず、継続的に賃上げできる環境を整えて」いくといったお考えを踏まえた指示であると認識しています。厚生労働省としては、労働市場全体の賃上げを支援する賃上げ支援助成金パッケージによる支援や、関係省庁と連携した、価格転嫁等の取引適正化などによって、企業が賃上げしやすい環境の整備に取り組んでいるところですが、今後ともそうした環境整備に向けて努力していきたいと考えています。2点目に、裁量労働制についてですが、労使からは、健康確保を前提に制度の拡充を求める意見がある一方で、長時間労働を助長しかねないため拡充すべきではないといったご意見も示されているところです。いずれにしても、この関係については、現段階で具体的な検討の方向性を決め打ちしているものではありませんが、今後、先ほども申し上げた労働市場改革分科会でご議論いただいて、その議論の状況も踏まえて、労働政策審議会において、公労使の委員の皆様に具体的に議論いただきたいと考えているところです。
- 記者:
- 今言及のあった裁量労働制についてですが、先ほど長時間労働を助長するという指摘もあるという話でしたが、今見直しを検討する必要性について、大臣自身はどのようにお考えになっているのかということと、長時間労働のところですが、そういった懸念点についてどのように対応していこうと考えているのか教えてください。
- 大臣:
- 繰り返しになって恐縮ですが、この制度については、労使から様々なご意見をいただいています。適用労働者にとって満足度が高く、健康確保を前提に制度を拡充すべきだというご意見がある一方で、長時間労働を助長しかねない、拡充すべきではないといったご意見もあると承知しています。裁量労働制については、不適切に運用されてしまうと、本人に裁量が与えられていないとか、長時間労働になってしまうなど様々な懸念がありますので、そうしたご懸念のところについても十分に検討した上で今後の方向性について出していくことが必要かと考えています。
- 記者:
- 前回に続いて、新型コロナワクチンの副反応疑い報告の報告漏れについて伺います。厳密な報告基準がある心筋炎ですら、国の救済制度認定事例70件が報告漏れされていました。この事実があるにもかかわらず、現在の副反応疑い報告制度が的確に報告されていると大臣はおっしゃいますが、この科学的根拠は何でしょうか。厚生労働省が根拠としている、最も信頼できるエビデンスを示していただけますでしょうか。
- 大臣:
- 副反応疑い報告については、私どもから報告が適切になされるように依頼していますが、現場の医師の判断に基づいて報告されるものであるので、報告されていないといった疑いがある事例がある可能性を否定することはできないと考えています。ただ一方で、安全性を評価するという観点からは的確に報告されていると先日お答えしました。これは専門家によって、副反応疑いとして報告された個々の事例の把握・検討に加えて、薬事承認時に想定されていた副反応について、報告頻度の変動等を確認して注意すべき変化がないことを確認されていることや、薬事承認時には想定されていなかった副反応の探知のため、幅広く事例の報告を求めて確認していること、さらに、副反応疑い報告に加え、国内外の学術的な研究から得られた科学的知見も合わせて総合的に評価いただいていることなどから、ワクチンの安全性の評価については適切・的確に行われているものだと認識しています。
- 記者:
- 安全性の評価は置いておいて、報告がされているのかというところをお尋ねしていますが、先ほどの大臣の答弁を私なりに理解すると、医師の方が報告してくれているだろうということがエビデンスということでよろしいですか。それ以外にありますか。
- 大臣:
- 少し誤解があると申し訳ないですが、報告自体が的確になされているかどうかということについては、そうではない可能性というのはもちろん否定できないと考えています。ただ、先般来申し上げているのは、安全性を評価するという観点からは、十分な報告がなされていると考えているということです。
- 記者:
- 安全性が評価されるために十分な報告というのは、どのような量のことをおっしゃっているのでしょうか。それが明らかに一部しか報告されていないのであれば、安全性の評価ができるわけがないと考えますが、どのように安全性が評価できるだけ十分な量があると判断されていますか。
- 大臣:
- 具体的な量については、事務的にお尋ねいただければと思いますが、先ほども申し上げたように、例えば想定されていた副反応について、報告頻度の変動等を確認しても注意すべき変化がないといったことを考慮すると、十分な報告がなされているのではないかと考えているということです。
- 記者:
- 報告が上がってきたものだけをみていますと、どれだけ報告漏れがあるかというのは分からないわけです。たまたま網に掛かったものが、種類が多くて死亡事例が2,300件あって、いろいろな種類があるから報告されているはずだと私は伺ってしまったのですが、真にこの報告が機能しているかどうかは、その網の外にあるものをみないといけないと思いますが、こういった観点はいかがでしょうか。報告漏れがあるのかというチェックなどはお考えになりませんか。
- 大臣:
- 副反応疑い報告のみでは検証が不可能な、例えばワクチン接種群と非接種群における有害事象の発現率等を比較して安全性を評価するような研究、これについても審議会に報告し評価いただいています。そうしたことも考慮すると、現時点において、ご報告は安全性を評価する観点からは適切に行われているのではないかと考えているところです。
- 記者:
- 最後に1問ですが、では、副反応疑い報告に漏れていた救済制度認定事例の心筋炎70件、これはもう全く問題ないのでしょうか。安全性の評価において。報告されていないことが。
- 大臣:
- それも含めて問題ないと思っていますが、このケースにおいても、安全性の評価の観点からは問題はないと認識しています。ただ、こうした報告漏れがあるということは、やはり問題があると思いますので、これについては、引き続き注意喚起等を通じて依頼していきたいと考えています。
(了)

