上野大臣会見概要
(令和8年2月20日(金)9:48~10:02 省内会見室)
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 引き続き厚生労働大臣を務めることとなりました。しっかり職務に邁進したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
- 私からはまず1点ですが、iPS細胞製品の承認についてです。報道等も出ておりますが、昨日の薬事審議会において、iPS細胞を用いた再生医療等製品である、重症心不全に使用するリハート、パーキンソン病に使用するアムシェプリの薬事承認を、条件及び期限付きで可とする意見が取りまとめられました。これらの研究開発に当たっては、これまでも厚生労働省において、関係省庁とも緊密に連携しながら継続的に支援してきたものです。今般の薬事審議会の見解を大変喜ばしく受け止めています。今後、手続を速やかに進め、早ければ、3月上旬にも承認に至る見込みですので、承認されれば、山中教授が確立されたiPS細胞をもとに、日本の研究者・企業が開発した治療製品が、世界で初めて実用化されるということになります。なお、今回の承認は、条件及び期限付き承認であり、承認後も有効性の検証を行うなど、引き続き必要な取り組みを進めることとしております。厚生労働省といたしましては、成長戦略の戦略分野の一つである創薬・先端医療、これから成長戦略、政府全体として取りまとめることになりますが、そうした中においても、官民投資を促進し、更に様々な支援を進めていきたいと考えています。
質疑
- 記者:
- 第2次高市内閣の発足に当たって、総理から全閣僚に対して指示があったと思います。昨年10月の指示から新たに加わった項目や変更点があれば教えてください。また、その指示に対して、大臣がどのような方針で取り組まれるかも併せてお聞かせください。
- 大臣:
- この度、総理から指示書をいただきました。「財務大臣をはじめ関係大臣と協力して給付付き税額控除の制度設計を含む税と社会保障の一体改革に取り組む」、「デジタル大臣や内閣府特命担当大臣(科学技術政策)をはじめ関係大臣と協力して、戦略17分野のうち、創薬・先端医療等における官民連携による投資促進に取り組む」、「経済産業大臣や賃上げ環境整備担当大臣をはじめ関係大臣と協力して、賃上げに向けた環境整備を加速させる」などのご指示がありました。これらのご指示を踏まえて、全力で諸課題に取り組んでいきたいと考えています。
- 記者:
- 生活保護の最高裁判決をめぐる対応について伺います。厚生労働省は今日、追加給付に関する告示を公布する予定です。適用を3月1日からとした場合、原告や原告以外には、いつ頃支給が開始される見込みでしょうか。また、現在保護を利用しておらず、自治体に受給記録が残っていない対象者にも正確に支給できるかどうかが課題ですが、どのように進めていくお考えでしょうか。
- 大臣:
- 追加給付のスケジュールについては、できる限り早期に対象となる方に支給させていただきたいと考えています。大まかな現在の状況を申し上げますが、原告について、本年3月以降、個別の状況を踏まえて支給させていただきたいと思います。原告以外の保護を受給中の世帯の方については、各自治体における準備状況に応じて順次支給を開始し、来年度中の支給を想定しています。原告以外の保護を受給していない世帯の方については、本年夏頃から申出を受け付け、その後に各自治体の準備状況に応じて支給していくこととしています。なお、現在生活保護を受給されていない世帯については、自治体の状況によっては、当時の保護決定に関する詳細な情報やデータがない場合があろうかと思います。こうした場合については、当時の世帯主から保護を受けていた旨の申出を行っていただいた上で、自治体において申出内容や挙証資料等を確認の上、追加給付を行うこととしています。国としては、今後、対象となる方に対する周知・広報を徹底的に取り組んできたいと思っていますし、各種お問い合わせや相談に対応する相談センター、仮称ですが、これを設置する予定です。いずれにしても、自治体と緊密に連携して、適切に対応する必要があると考えていますので、しっかりやっていきたいと思います。
- 記者:
- 冒頭ご発言にもありましたiPS細胞を使った2つの製品について伺います。今回の2製品について、実際に患者さんのお手元に届くのは保険収載された後かと思われますが、2つの製品の保険収載はいつ頃を見込まれているでしょうか。
- 大臣:
- ご指摘のとおり、承認を受けた後に、企業からの申請に基づく保険収載の手続を経て、中央社会保険医療協議会において了承されると保険適用となって、保険診療下で使用可能という形になります。一般的ではありますが、再生医療等製品について、個々の製品の作用機序などを踏まえて、医薬品か医療材料として保険収載された場合に、その時期については、まず医薬品の場合には、薬事承認後、遅くとも3か月以内を目途としています。医療材料の場合は、企業の保険適用の申請後、4か月ないし5か月以内ということを目途としています。具体的な時期は未定ではありますが、患者さんからの期待も大きいと思いますので、できるだけ早くお手元に届くことを私どもとしても期待しているところです。
- 記者:
- 労働規制の緩和に向けた検討についてお伺いしたいのですが、去年10月に総理から指示があったと思いますが、その際、働き方の実態調査を踏まえて丁寧に議論を進めるとしていると思います。いつ調査結果が公表され、具体的な検討が進められていくのか、また労使で様々な意見が出ていますが、いつ頃をめどに結論を出す方針なのか、見通しをお伺いできればと思います。
- 大臣:
- ご指摘の総点検の結果ですが、現在、取りまとめ作業を行っているので、取りまとまり次第、速やかに公表させていただきたいと思います。その上で、労働時間規制ですが、日本成長戦略会議の下に設けられた労働市場改革分科会でご議論いただくこととしているので、そこでご議論いただきたい。そしてその議論の状況を踏まえて、私どもが所管している労働政策審議会において、公労使の委員の皆様に、具体的な議論を進めていただきたいと考えています。いずれにしても、引き続き丁寧な進め方で取り組んでいきたいと考えています。
- 記者:
- 昨日、全国保険医団体連合会が呼びかけた高額療養費の限度額引上げ撤回を求める25万1,258人分の署名が厚生労働省に提出されました。制度を利用する患者さんの悲痛な訴えも多く寄せられています。1点だけ、「リウマチの持病を持つ高市首相なら、患者側に寄り添っていただけると思っていましたが、裏切られた気持ちでいっぱいです」などの声をいただいています。患者さんたちの訴えを聞いて大臣の受け止めをお聞かせください。
- 大臣:
- ご指摘のご署名については、事務方からも報告を受けています。高額療養費の見直しに対して不安を感じられている方々のお声の一つだと受け止めています。今般の見直しですが、高齢化や高額薬剤の普及等により、高額療養費が医療費全体の倍のスピードで伸びていく中において、制度を将来にわたって堅持していくための持続可能性の確保と、長期にわたって治療が必要となる方や低所得者へのセーフティネット機能の強化の両立を目指して行うものです。見直しに当たっては、ご案内のとおり、患者団体の方にもご参画いただいて議論を進めてまいりました。特に治療にかかる経済的負担が厳しいと考えられる長期療養者や所得の低い方に対するセーフティネット機能を強化していることもあります。引き続き、このような制度の趣旨を丁寧に説明していきたと考えます。
- 記者:
- 新型コロナワクチンの副反応疑い報告漏れについて、前回の続きを伺います。厚生労働省は、報告は適切にされており重大な懸念はないという見解を崩していません。しかし、それは客観的な事実が否定しています。3点例示しますが、1点目、厳密な報告基準がある心筋炎・心膜炎ですら、救済制度で認定された事例のうち、70件の報告漏れが確認されています。基準があるものすら報告されていません。2点目ですが、昨年7月の医薬品等行政評価・監視委員会の資料でも、厚生労働省自身が「自発報告は全ての副作用が報告されるわけではない」と、過少報告、報告バイアスの存在を公式に認めています。3点目ですが、国際的なシステマティックレビュー、ヘーゼルとシャキールの研究では、自発報告で捕捉できるのは発生数のわずか6%、94%は見逃してしまうという科学的な知見もあります。このような事実がある中で、2,303件という死亡報告が的確に報告されていると主張するその科学的根拠をご提示いただけますでしょうか。
- 大臣:
- 副反応疑い報告については、医師が副反応であると疑った事例について幅広く報告を求めており、新型コロナワクチンに関しては、これまで約67,000例の報告をいただいています。死亡報告については2,302例です。これも一例一例、因果関係の評価を行っており、ワクチンと症状との因果関係が否定できないもののみならず、因果関係が認められないものも報告されています。幅広く疑わしい事例が報告されていると考えていますので、安全性を評価する観点からは的確に報告されているのではないかと認識しています。その上で、審議会においては、薬事承認時には想定されていなかったまれな副反応の発生や、想定されていた副反応の増加等の安全性の評価を行っており、現時点で安全性にかかる重大な懸念は認められないと評価されているところです。ご指摘のあった心筋炎・心膜炎等については、今、注意喚起等を行っていますので、引き続き、報告をしっかりやっていただくように、我々としてもしっかり求めていきたいと思っています。
- 記者:
- 質問に答えていただいていないと思うんですね。今回は別にワクチンの安全性云々ではなくて、報告が適切にされているという根拠を示していただきたいということなのですが、もう一度よろしいでしょうか。
- 大臣:
- 報告については、先ほど申し上げたように、一例一例安全性について評価しているので、安全性の判断については、適切に行われているものと考えています。
- 記者:
- その報告が上がっていないという話です。上がった後の評価ではなく、報告が適切にそもそもテーブルに載っているのかという話です。
- 大臣:
- いずれにしても、ワクチンが安全かどうかという判断ができることが大事だと思っています。
- 記者:
- そこを伺っているのではなくて、報告がされているのかという質問です。
- 大臣:
- 前回申し上げたとおり、全ての報告が完璧に行われているかどうかについては、たしかにいろいろなご意見もあろうかと思いますが、いずれにしても、報告されたものを一例一例慎重に丁寧に評価し、現時点では安全性にかかる重大な懸念は認められないと評価されています。
- 記者:
- そこは伺っていないのですが。
- 大臣:
- そこはご理解いただいているという理解でよいですね。
(了)

