上野大臣会見概要

(令和8年2月10日(火)10:51~11:06 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
冒頭発言は私からはありません。

質疑

記者:
ご当選おめでとうございます。衆議院選挙について2点伺います。今回の衆議院選挙では自民党単独で3分の2以上の議席を確保しました。今回の選挙結果をどう受け止めていますでしょうか。
大臣:
選挙結果ですが、政府の立場ですので、この場でのコメントは差し控えさせていただきます。
記者:
2点目ですが、今回、社会保障の財源である消費税の減税を、自民党を含むほぼ全ての政党が掲げています。時限的な食料品の消費税ゼロなど、減税が実現すれば、この分社会保障に充てる税収が目減りして、その穴を埋める必要があります。消費税減税の方向性、また、今の社会保障制度と減税の両立が可能なのか、そのあたりも含めて、大臣はどのようにお考えか、お願いします。
大臣:
各党の公約についてのコメントは差し控えたいと思いますが、その上で、昨日総理から、党総裁としての会見ではありますが、国民会議において、給付付き税額控除制度の導入に向けた議論を進めていく、また、制度導入までの間、2年間に限り、飲食料品に対する消費税をゼロとすることについて、その実現に向けた諸課題の検討を進めていくといったご発言があったと承知しています。いずれにしろ、厚生労働省としては、必要な社会保障サービスが必要な方に適切に提供されることが大事ですので、そのためには安定的な財源を確保して、社会保障制度を安定的に運営していくことが重要だと考えています。
記者:
今の質問にも関連しますが、消費税減税について、重ねてになってしまうかもしれませんが、消費税は社会保障財源の一つに充てられているかと思います。社会保障給付費は高齢化の進展や医療の高度化、あるいは、最近では物価上昇への対応などによって今後も増加が見込まれると思いますが、減税した場合、増え続ける社会保障給付費というのを、総理は、租税特別措置や補助金の見直し、税外収入の活用などで検討するとしていますが、全て安定しているとはなかなか言い難いところもあると思いますが、安定的に社会保障費を賄うことが、消費税を減税したことでできるとお考えになるかどうか。また、消費税減税によって必要な給付が削られたり、現役世代の保険料負担や患者や利用者の自己負担が増えたりするおそれはないのでしょうか。
大臣:
重ねてとなりますが、昨日の会見においても総理から、「国民会議において、スケジュールや財源の在り方など、その実現に向けた諸課題の検討を進めていく」と、消費税に関してですが、そういったお話がありました。その際には、特例公債の発行に頼ることはなく、補助金や租税特別措置の見直し、税外収入などによって2年分の財源を確保した上で実現できるように知恵を絞っていくという発言があったと承知しています。厚生労働省としては、先ほどもお話させていただきましたが、いずれにしろ、必要な社会保障サービスが必要な方に提供されるということが大事ですので、社会保障制度を安定的に運営していくという観点が重要だと考えています。
記者:
つまり、2年限定であれば、社会保障の給付に影響しないという考えでしょうか。
大臣:
消費税の財源論については、大変恐縮ですが、私の立場からなかなか申し上げにくいことだと思っています。所管上の問題もありますので。いずれにしろ、そうした財源論は財源論として社会保障の給付、サービスの提供ということについては、先ほど申し上げたとおり、安定的な財源を確保した上で、安定的に社会保障制度を運営していくことが大事だという観点で、我々も取り組んでいきたいということです。
記者:
もう1点、消費税の減税が議論されている背景には、物価高対策ということがあるかと思いますが、大臣の考える物価高対策として、最も重要と考えること、それが消費税の減税なのか、あるいは別のことにあるのかという点です。春闘がまもなく本格化しますが、今年の春闘については、物価高対策という側面からみたときに、どういったことを期待されますか。
大臣:
物価高対策で、厚生労働省所管でいくつか対策を講じています。一つは、昨年の補正予算で講じた医療・介護等支援パッケージですが、この支援策を早急に病院や診療所等にお届けするということが大事だと考えています。とりわけ、病院については、年度内に支給できるようにサイトも立ち上げたので、まずしっかり早急にやっていきたい。それ以外の施設等についても、昨年の同種の事業に比べて3か月程度前倒ししてお届けできるよう努めていきたいと考えています。もう一つ春闘のお話がありましたが、やはり物価高対策としては、物価上昇に負けない賃上げを実現していくことが大変重要な課題であると認識しています。春季労使交渉については、一昨年、昨年と30年以上ぶりに5%を超える高水準となっているので、今年もこれと遜色のない水準での賃上げ、とりわけ、物価上昇を上回る賃上げが実現することを期待しているところです。厚生労働省としては、引き続き、賃上げ支援助成金パッケージ等を通じて、事業主の皆様が、継続的に賃上げできる環境の整備に取り組んでいきたいと思いますし、今、全都道府県で設けている地方版の政労使の会議がありますが、こうしたところで地方、あるいは中小企業への賃上げについても十分ご議論いただいて、しっかりとそうした環境が整うように、我々としても期待しているところです。
記者:
山口県宇部市の長生炭鉱について3点伺います。地元の市民団体やダイバー有志らが2月3日から7回目の潜水調査を始めましたが、7日に外国人ダイバーが潜水中に亡くなる事故が起きました。長生炭鉱をめぐり、政府は昨年8月に収容した遺骨を日韓両政府で協力して身元特定すると表明する一方、安全性への懸念から収容作業には積極的に関与することを否定してきました。厚生労働大臣として死亡事故が起きたことの受け止めを教えてください。また、潜水調査前の1月30日には厚生労働省職員や専門家が初めて現地を視察し、市民団体とも意見交換しました。視察の目的を教えてください。視察や今回の死亡事故を踏まえ、国として今後どのようにこの問題に関与するつもりかお尋ねします。最後に、今回の潜水調査でも新たに遺骨を収容しています。1月の日韓首脳会談後に表明されたDNA鑑定の対象に、今回収容された遺骨も含まれるのでしょうか。市民団体は活動再開の見通しが立っていませんが、今後収容される遺骨も対象になるのか、改めて教えてください。
大臣:
1点目ですが、2月7日に市民団体による潜水調査中に、ダイバーの方、海外の方ですが、1名が亡くなられました。お亡くなりになったダイバーの方に、謹んで哀悼の意を表したいと思いますし、ご遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げたいと思います。2点目ですが、視察を行いました。現地確認ですね。1月30日に厚生労働省の事務方が、専門家同行の下で、長生炭鉱における遺骨収容のための潜水調査等の安全性の評価に資するように現地確認を実施しています。また、事務方からは、現地確認の後に、市民団体の皆さんから活動状況を伺うとともに、専門家の知見を踏まえた意見交換を行ったと聞いています。厚生労働省としては、引き続き、遺骨収容のための潜水調査等の安全性に関する専門的な知見を踏まえて対応していきたいと考えています。3点目ですが、今回発見された遺骨の身元の特定については、今後、韓国政府とも意思疎通を図りながら、国内法令に沿って、関係省庁において、適切に対応されるものだと承知しているので、厚生労働省としても、政府の一員として、関係省庁と連携して対応していきたいと考えています。
記者:
高額療養費についてお伺いします。高額療養費の限度額引上げによる2026年度予算の国費の削減額についていくらを見込んでいるかということ、社会保障費全体の割合についても教えてください。また、選挙期間中、SNSを中心に高額療養費限度額引上げ中止を求める大きな世論が巻き起こっています。昨年末に決定した限度額引上げを中止するお考えについてもお聞かせください。
大臣:
今回の見直しによる2026年度予算案への影響については約300億円の減を見込んでいます。この制度見直しによる予算の減少額と、来年度予算案における社会保障関係費全体を比較することが必ずしも適切だとは正直思いませんが、機械的に計算すると、社会保障関係費が約39.1兆円ですので、この額の割合というのは、約0.08%となります。また、引上げに関する見解ですが、今般の見直しについては、高齢化や高額薬剤の普及等によって医療費全体が増加する中で、高額な医療を必要とする場合の極めて重要なセーフティネットである高額療養費制度を将来にわたって堅持していくという観点から行うこととしたものです。見直しに当たっては、患者団体の方にも参画いただいた専門委員会において、丁寧な議論を行ってまいりました。多数回該当の金額維持や、年間上限の仕組み、これは患者団体の方からも特に強い要望があったものですが、これを新設することにしています。また、年収200万円未満の課税世帯の多数回該当の金額を引き下げるなど、特に治療にかかる経済的負担が厳しいと考えられる長期療養者や所得の低い方に対するセーフティネット機能については強化しているところですので、引き続き、このような制度見直しの趣旨を丁寧に説明していくことが必要だと考えています。
記者:
新型コロナワクチンについて伺います。2月4日に審議会が開催されましたが、新たな副反応疑い報告事例、これまでの死亡報告数の合計や製薬メーカー別の内訳、また死亡報告の因果関係評価の内訳等を教えていただけますでしょうか。
大臣:
お尋ねの死亡報告のこれまでの件数は、2月4日の審議会における報告を含めて、合計2,302件となっています。この製造販売業者ごとの内訳ですが、ファイザーが2,013件、モデルナ・ジャパンが269件、第一三共が9件、Meiji Seika ファルマが5件、武田薬品工業が6件となっています。また、因果関係の評価の内訳ですが、α判定が2件、β判定が12件、γ判定が2,288件となっています。
記者:
新型コロナワクチンの接種が始まってから、今月でちょうど丸5年経過なのですが、今大臣がおっしゃったとおり、γ判定、つまり情報不足等により評価できない事例が99%以上を占めている状況です。これは、大臣としてはこのままで仕方ないとお考えなのか、この評価が進められるようにという課題意識をお持ちなのかいかがでしょうか。
大臣:
ご指摘の数字は先ほど申し上げたとおりですが、これは報告された情報を一例ごとに精査し、専門家による因果関係評価を行っています。個々の症例について、γと評価されたものであっても、安全性の評価には必要な情報ですので、報告頻度等の集団としての情報を基に解析、評価を行うとともに、国内外の学術論文等の科学的知見も踏まえ、審議会において安全性の評価を行っているところです。そうしたことを踏まえて、現時点では重大な懸念は認められていないと評価されているものだと承知しています。いずれにせよ、引き続き科学的知見の収集に努め、専門家によるワクチンの安全性の評価を適切に行うことが大切ですので、新たな知見が得られた場合には、速やかに国民や医療機関の皆様にも情報提供を行っていきたいと考えています。

(了)