上野大臣会見概要
(令和8年1月20日(火)10:39~10:52 省内会見室)
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 私からですが、予備費の支出についてです。本日の閣議において、昨今の世界情勢を受けて、我が国の重要なサプライチェーンの強靭化に万全を期すために、予備費の使用が決定されました。厚生労働省関係においては、急激な感染症の流行等による医薬品の供給不足に備えるため、71億円が措置されています。具体的には、抗菌薬についてです。供給が途絶えた場合には、生命に直接影響が及ぶものですから、製薬企業が行う抗菌薬の原薬の備蓄の積み増しを支援し、感染症の流行を含め危機発生時においても、抗菌薬を安定的に供給できる体制を早急に整備してまいります。
質疑
- 記者:
- 昨日、総理が衆議院の解散を表明しました。解散による予算審議の遅れを懸念する声もありますが、このタイミングでの解散について、大臣の受け止めをお願いします。また、選挙に向け各党、総理からも食料品の消費税率をゼロにする減税策を公約に盛り込むとの表明がありましたが、社会保障への影響についてはどうお考えでしょうか。
- 大臣:
- 解散を昨日表明されました。1つは、政権選択としての意味合いを明確にされたと考えています。引き続き、高市政権として政権を維持し、その中で政策の大転換を実施していく。そのためには、国民の皆さんの信任がなければいけないといった考え方に基づいて、解散を表明されたものだと承知しています。また、消費税のお話がありましたが、政府の立場としては、各党の政策についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。その上で、いずれにしても、社会保障サービスが必要な方に適切に提供していくということが非常に大切ですので、安定的な財源確保というのは今後とも必要になろうと考えています。
- 記者:
- 新型コロナワクチンについて2点伺います。12月26日の会見において、救済制度の審査結果の備考欄にある「厳密な医学的な因果関係までは必要とせず」という文言について、大臣は「誤解がないように不断に見直す」「検討させてください」と答弁されました。しかしながら1月19日に公表された資料では、修正等はありませんでした。どのような検討が行われたか説明していただけますでしょうか。2点目ですが、前回1月16日の会見において、救済制度は厳密な因果関係を求めていないので、安全性の評価に使うのは適切ではないという趣旨の答弁をされました。しかし現在、副反応疑い報告に上がっている2,300件の死亡事例のうち、99.4%は因果関係不明の評価不能として処理されています。つまり、安全性評価のための副反応疑い報告制度もまた厳密な医学的因果関係が特定されていない事例の集合体ということになります。それならば、救済制度で認定された事例を副反応疑い報告制度に加えることは、なんら矛盾はないはずです。なぜ、個人の医師が自発的に報告した事例は受け入れるのに、複数の医師らが認定してご遺族にお金を払っているといった国が認定した事例は排除するのか、納得できる説明をお願いできますでしょうか。
- 大臣:
- 1点目ですが、認定結果の資料に、具体的にどのような場所にどのような記載をすれば分かりやすいのか、また国民の皆様が混乱なく確認しやすいタイミングなどについて、担当部局で検討しているところですので、引き続き整理していきたいと思います。2点目ですが、副反応疑い報告のうち、死亡症例については、医師等から報告された情報を1例ごとに精査して、専門家による因果関係評価を実施しています。一方、救済制度の審査においては、申請に基づき、ご案内のとおりですが、厳密な因果関係までは必要とせずに、幅広に認定を行っています。このように、ご案内のとおりですが、両制度は評価基準が異なるので、なかなか同列に位置づけることは適切ではないと考えています。
- 記者:
- 私が提案申し上げていることが正確に伝わってないかもしれませんが、私は今、救済制度の認定事例を副反応疑い報告で因果関係ありとして扱えと申し上げているのではなく、今700件以上の死亡認定事例がそちらに入っていないということなので、そちらに資料として含めて、副反応疑い報告制度で改めて因果関係の評価を行えばよろしいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
- 大臣:
- 必要な部分については、医師から副反応疑い報告に上げていただくようにしているので、そうした中で、しっかりと対応していければと考えています。
- 記者:
- それが現実に上がっていないということが、1,000名を超える死亡認定事例のうち、700件以上が上がってないというのが、厚生労働省自体が調査して分かったことですから、上がっていないわけです。これから報告をお医者さんにしてくれと、これからの対応はそれであるとしても、現実に700件以上、厚生労働省の中に資料としてあるわけですから、おそらく1月下旬、まもなくこの審議会が行われるのではないかと拝察していますが、速やかに反映すべきではないでしょうか。
- 大臣:
- いずれにしても、救済制度と趣旨が異なるので、それは別々に動かしていくということではないかと考えています。
- 記者:
- これは私が2年前、武見大臣の頃から依頼しているテーマであり、譲れないのですが、昨年5月13日に、参議院の厚生労働委員会で附帯決議として、安全対策には救済制度の情報も生かすことという文言が、附帯決議として、薬機法改正案の時に、自民党を含む5会派で採択されています。国会が認めた附帯決議と異なることをおっしゃっていますが、では、国会が間違っていますか。
- 大臣:
- いずれにしろ、正確にその附帯決議を覚えていないですが、安全性に関することだと思うので、そこは我々としても、しっかりと趣旨を踏まえて対応することは当然だと思いますが、救済制度における認定情報をもって、それで安全性の評価を行うということは適切ではないと考えているところです。
- 記者:
- その認定情報を副反応疑い報告に反映させて、そこで改めて副反応疑い報告基準の安全性の評価をしたらいかがかと申し上げています。そこについていかがでしょうか。何かおかしなこと申し上げていますかね。これは附帯決議と同じことを私は申し上げています。安全性のために救済制度の情報も生かすことです。
- 大臣:
- 救済制度の認定情報を共有化しようということだと思いますが、それは先般申し上げたとおり、様々な課題があると思っているので、慎重な検討が必要ではないかと考えています。
- 記者:
- では自民党を含む附帯決議、これを大臣はおかしいと思ってらっしゃいますか。
- 大臣:
- 附帯決議が今手元にないので正確な文言が分かりませんが、附帯決議については当然政府としてそれを尊重する必要があるというのは、それはあらゆる附帯決議についてそうだと考えています。
- 記者:
- そういったことをご自身で勉強していただいて、役人をちゃんと説得してくださいよ。以上です。
- 記者:
- 医療機関の経費増への対応について1点質問させていただきます。保険材料の償還価格を実態に合わせて見直す、逆ざやの解消の議論が進められていると思います。最近のニュース番組等でも、歯科でいうと、歯の被せ物に使用している金銀パラジウム合金が急激に高騰しており、保険償還価格を大きく上回っています。歯科の医療機関では銀歯一本あたり約3,000円からの持ち出しになると、苦しい経営に拍車をかけて、医療機関として必要な歯科材料の使用を控えるような対応を検討するような状況が生まれていると紹介されています。患者が適切な歯科治療を受けられない状況が発生していると思います。3月にも金銀パラジウムの随時改定が実施されますが、厚生労働省として実態に即した材料価格の償還ができているという認識でしょうか。重ねて緊急的な対応を検討しているかどうか見解をお伺いしたいと思います。
- 大臣:
- 金銀パラジウム合金については、素材価格の変動に適切に対応できるように、直近3か月の平均素材価格に基づいて、四半期に1度、告示価格を改定しています。次は本年3月の改定を予定しています。また、こうした随時改定を着実にやっていきたいと考えていますが、歯科用貴金属を用いないような、歯科治療技術への移行も重要な課題ですので、次期診療報酬改定において適切に対応を行っていきたいと考えています。
- 記者:
- 消費税の話に戻りますが、先ほど大臣は社会保障サービスが必要な方には提供するとおっしゃいましたが、まだ5兆円の財源がどういうものになるのか、みえていない中で、これから医療費については応能負担を強化していく、3割負担については強化していくということも検討課題になると思いますが、その5兆円の財源を確保する過程で、負担できる人には更に負担してもらうということも考えていくことになるのでしょうか。つまり、消費税は社会保障財源になっていると思いますが、社会保障サービスを利用していく中で、利用者にどういう影響が出てくるのかということが心配なのですが。
- 大臣:
- そこは切り分けて考えた方がよいと考えています。持続可能な社会保障制度を確立するためには、応能負担というか、能力のある方にはそれに応じた負担をしていただくというのは基本だと思っているので、そうした観点から、社会保障制度全体の改革を進めていく必要があると思っています。一方財源については、そうした必要な社会保障サービスを実施するために必要な財源として確保していくことが必要だと考えているので、現在においても、消費税財源だけでは賄いきれていないのが現状ですので、そうした観点も含めて、必要な安定した財源の確保というのは今後とも重要な課題だと、そうした趣旨で、先ほど申し上げました。
- 記者:
- そうすると今回の5兆円については、社会保障の話は切り分けるにしても、社会保障サービスにはなるべく影響しないようにして、違うところから探してくるしかないという、現状ではそういうご認識でしょうか。
- 大臣:
- まだ5兆円ということが正式に決まったわけでもないので、それについて予断を持って私からコメントするのは差し控えさせていただきたいと思っていますが、いずれにしても、我々厚生労働省としては、社会保障の安定財源というのは必要だということは先ほど来申し上げています。
(了)

