上野大臣会見概要

(令和8年1月16日(金)11:02~11:17 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
私からは特にありません。

質疑

記者:
高市総理が23日召集の通常国会で早期に解散する意向を与党に伝えていますが、今日の閣議やこれまでの間で、この解散について何か大臣に総理から伝えられていることがあれば教えていただきたいのと、予算の成立がたぶん来年度以降にずれ込むことになると思うのですが、厚生労働省予算も物価高対策などが盛り込まれていましたが、遅れることの影響をどうご覧になっているか、2点お願いします。
大臣:
解散の関係については、与党に総理からそうした方針が伝えられたということについては、報道では承知していますが、私自身は直接何かお話を頂いていたわけではありません。今後、本予算の成立等については、今後の国会等の状況によるので、申し訳ないですが、仮定のご質問ということで、お答えするのは差し控えさせていただきたいと思います。いずれにしても、政府全体の方針というのがあると思うので、政府全体の方針を踏まえて対応していきたいと考えています。
記者:
社会保障と税の一体改革を与野党で議論する国民会議について伺います。高市総理は5日、国民会議を今月中に発足する方針を表明しています。給付付き税額控除などを主要議題に与野党で協議する見通しでしたが、衆議院解散により、開催が延期や白紙になる可能性はありますでしょうか。また、具体的な制度設計に向けた議論に今後どのような影響が考えられるでしょうか。
大臣:
国民会議については、総理の方でそのような方針を表明されたということはもちろん承知しています。自民党からは、政府と関係政党による共同開催の提案がなされたとお伺いしていますが、今、公党間での調整が進められていると思いますので、具体的な議論の内容や進め方などについては、現時点では決まっていないものと承知しています。
記者:
日本維新の会の複数の議員が一般社団法人に理事として登録するなどして、本来支払わないといけない国民健康保険料の支払を大幅に減額するいわゆる国保逃れを行っていました。健康保険制度の趣旨を大きく逸脱する行為と考えますが、制度を所管する大臣としてご見解をお伺いします。また、国保逃れを模倣する方が増加すれば、国保財政の更なる悪化や保険料上昇も危惧されます。連立政権が掲げる社会保険料軽減には逆行する事態になります。厚生労働省として具体的な対応を検討する考えがあるかについてもお答えをお願いします。
大臣:
個別の事案に関するコメントについては差し控えたいと思います。その上で、フリーランスの方や個人事業主の方を対象に、一般社団法人の役員として加入することによって、社会保険に加入でき、保険料の削減が可能となるとうたっている事例があることは承知しています。法人の役員に対する社会保険の適用については、1点目として、役員としての業務が、経営参画を内容とする経常的な労務の提供かどうかという観点が大事だと思いますし、2点目として、その報酬が、業務の対価としての経常的な支払であるかなどを踏まえて総合的に勘案していく必要があろうかと思っています。いずれにしても、個々の実態を踏まえて個別に判断されるものではないかと考えています。その上で、社会保険の適用事務を行っている日本年金機構と連携しながら、大事なことは、社会保険料納付に対する納得感が損なわれないように制度を適切に運用していくことですので、そうした観点から必要な対応があるかどうか、そうしたことを含め検討を進めていきたいと考えています。
記者:
ご答弁にあった国民の納得感が得られるかということが非常に重要だと思います。高市総理が連立政権への信を問うということで解散されていますが、今回OTC類似薬や高額療養費など、国民に負担を強いる、大臣も一定の負担があると前回答弁されましたが、求める中での連立与党の一角の保険料の国保逃れ、これは道義的にも大きいと思いますので、是非、模倣犯というか、同じようなことが続くと、このままでは国民が保険料を払う納得感は得られないと思いますので、是非政治家として、厚生労働省として、この解散総選挙に当たって信を問うということであれば、どういう態度でこの問題を考えるのか。連立与党の議員の行動について、是非政治家としてのコメントをお願いします。
大臣:
いずれにしても、実態をよく把握して、適切な運用がなされているかどうかという観点からの検討というのが必要だと考えています。
記者:
新型コロナワクチンですが、救済制度で認定された1,000名を超える死亡認定事例のうち、7割にあたる700件以上が副反応疑い報告には提出されていなかった件について伺います。昨年、厚生労働省自身が調査を行い、この深刻な乖離を明らかにしました。2つの制度の趣旨や報告ルートが異なることは重々承知していますが、調査によって重要なデータの欠落が判明したにもかかわらず、そのデータを安全性評価に追加して再検証を行わないのであれば、一体何のための調査だったのか疑問です。そこで2点伺いますが、昨年の調査は、単なる実態把握で終わりでしょうか。それとも、この結果を何らかの改善に繋げる意図で行ったものなのでしょうか。2点目ですが、次回の審議会でこの調査結果を共有し、それを踏まえてワクチンの安全性を検証するお考えはありますでしょうか。
大臣:
ご指摘の突合の作業については、昨年7月の会見において、まさに藤江さんからご指摘を頂いて、予防接種健康被害救済制度の死亡認定事例のうち副反応疑い報告されている事例が何件あるかとのご質問があったことを受けて、作業を行ったものだと承知しています。今お話のあったとおり、両制度については、制度の目的や報告主体、審査基準や報告基準も異なっているので、件数が一致しないことは制度上あり得ると思います。それはご理解いただいていると思います。その上で、救済制度の認定に当たっては、厳密な医学的な因果関係までは必要としていないため、救済制度における認定情報をもって安全性の評価を行うということは適切ではないと考えているので、一連の突合結果を審議会に共有するということは今考えていません。
記者:
とはいえ、審査員の方々、専門家の方々が新型コロナワクチンによる影響を考えて死亡認定されているという、日本国内でこれだけのエビデンス、ワクチンと死亡に関係があるかもしれないという事例が1,000名以上のものはないかと思うのですが、これを副反応疑い報告に突合するのは、別に問題ないかと思います。私も2つの制度の公表資料をいつも見ています。では大臣にお伺いします。副反応疑い報告として2,300人の死亡報告が上がっています。そもそも上野大臣は、この死亡報告のリストの中身をご自身の目で直接見たことはあるのでしょうか。
大臣:
網羅的に、1件1件詳細には見ていませんが、概要等については報告を受けています。
記者:
報告を受けているだけであって、誰がいつ、ロット番号いくつで、どういう事案で亡くなったという症状など死因が書かれています。その資料はご覧になったことはないですか。
大臣:
大変恐縮ですが、その原資料については見ていませんが、こういうケースがあるという報告は受けています。
記者:
なぜそれを見ずに重大な懸念はないといえるのか、私は疑問です。そしてお伺いしますが、現時点で副反応疑い報告が適切に運用されているとは私は思えないのですが、報告漏れが多数ありすぎるので。大臣は現時点のこの2,300人の死亡報告は、ワクチンの安全性の評価に値するだけの十分な報告量だと思いますでしょうか。
大臣:
そもそも副反応疑い事例、ドクターとかがそれをした場合については、法令に基づき報告することが義務づけられているので、副反応疑い報告自体は、私としては適切に運用されているのではないかと考えています。
記者:
そこで先ほどの問題に戻りますが、厚生労働省が調査した1,000名以上の死亡認定事例のうち7割が報告されていなかったわけであり、これは報告されていない証拠ではないのでしょうか。
大臣:
いずれにしても、今、厚生労働省から自治体に対して、必要に応じて医師等に副反応疑い報告の提出を促すということを依頼しているので、救済制度に関してですね。
記者:
これからの話ではなく、これまでの認定事例についてコメントをください。
大臣:
いずれにしろ、現段階では考えていませんが、今後より適切に運用していくためには、そうした報告をしっかりやってもらうということが大事だと考えています。
記者:
大麻について、国際的な科学的評価の乖離についてと、健康被害の医学的エビデンスについての2点を質問させていただきます。1点目ですが、トランプ大統領は昨年12月、大麻の規制区分をヘロインと同等のスケジュールⅠから、鎮痛剤であるケタミンなどと同じスケジュールⅢに引き下げるよう指示する大統領令に署名しました。アメリカ政府は最新の科学的知見に基づき、大麻を「医療効果があり、依存性や乱用の危険性が比較的低い薬物」と再定義したことになります。一方、日本は依然として大麻を「極めて有害」と位置づけていますが、このアメリカの科学的評価との乖離について、お考えをお聞かせください。2点目ですが、アルコールについて、WHOが先進国の健康リスクの第3位と警鐘を鳴らし、厚生労働省も60以上の疾患の原因になると統計を公表しています。大麻に関しては、2024年の大麻事犯の摘発者数は約6,500人と高止まりしていますが、その摘発数である犯罪統計に対して、実際に日本国内で大麻による直接的な健康被害がどの程度発生しているのかという医学的な統計データが、アルコールのように数値化されていないのはなぜでしょうか。使用動機などの犯罪統計ではなく、公衆衛生の観点から、医学的根拠に基づいた被害実態の公表に関して、お考えをお聞かせください。
大臣:
1点目ですが、米国における大麻の規制についての報道は承知していますが、各国の薬物規制については、それぞれの国の薬物乱用の状況や保健衛生上の考え方、法体系に基づいて判断されるべきものと考えています。我が国においては、既に、先般の大麻取締法等の改正において、大麻草から製造された医薬品の使用などを禁止した規定を大麻取締法から削除し、大麻草から製造された医薬品の使用等を可能としているので、このように医療用途を認めるという点において、米国の規制は我が国と同様の規制となったものと認識しています。一方、我が国が批准している麻薬単一条約においては、大麻は依然として「習慣性があり、重大な乱用の危険がある物質」として指定されているので、適正な管理や取締りが必要な麻薬であることには変わりなく、国民の健康を損ねることがないよう対策を講じることが我が国の責務であると考えているところです。2点目ですが、麻薬及び向精神薬取締法に基づいて、麻薬として所持、使用、譲渡、輸入等が禁止されているので、嗜好品として広く流通しているアルコールと法的な位置づけは大きく異なると考えています。その上で、大麻については、幻覚などの有害作用、定期的な大麻の使用により保健衛生上の危害を引き起こすなどの報告や研究結果があると承知しています。また、所持、使用等が禁止されている、そもそも持ってはだめだということになるので、ご指摘の医学的な統計データを収集する必要性は乏しいのではないかと考えているところです。
記者:
冒頭の幹事社の質問に関連して、衆議院の解散について、大臣から、既に与党には伝えられたということで仮定の質問には回答を控えたいということだったのですが、率直に今回解散が伝えられたのが唐突だとか、国民生活への影響を懸念する声も出ています。それについて率直にどのように現時点で受け止められているのか、コメントをお願いできますでしょうか。
大臣:
いずれにしろ、解散については総理の専権事項ですので、それに関して、今、私の立場で、ここでお話しさせていただくのは控えたいと思います。

(了)