上野大臣会見概要
(令和7年12月16日(火)9:30~9:35 院内大臣室前)
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 私からは特にありません。
質疑
- 記者:
- 解雇された人が企業から金銭補償を受け取れる金銭救済制度について、11月18日の労働政策審議会の分科会では、導入の是非を検討する有識者検討会を発足させる旨が明かされました。この検討会について、具体的な発足時期や、制度導入をめぐる議論で期待していることなどについてお聞かせ願います。また、労働者側からは、解雇規制の緩和につながり、安易な解雇を誘発しかねないといった懸念の声も上がっていますが、この点への所見も重ねてお聞かせください。
- 大臣:
- 今ご指摘のあった分科会において、分科会の分科会長から「より具体的な資料やデータを用いた専門家による検討が必要」との総括があったので、これを基に検討会について発足させようと考えています。具体的な発足時期等については、現段階では未定です。その検討会においては、解雇による不利益と解決金の関係などについて、法学者だけではなく経済学者も交えた議論によって、一定の整理が行われると考えています。ただ、審議会の委員からは、「安易な解雇を促進しかねないため、導入すべきではない」といった意見があったということも承知しています。非常に、労働法制の中でも特に重いテーマであるので、多くの労働者の皆さんが、自らの労働の対価である賃金によって生計を立てていること等を踏まえて、丁寧に、また慎重に議論を進める必要があろうかと考えています。
- 記者:
- AIの活用の在り方についてお伺いします。読売新聞は16日、政府主導による国産基盤モデルの開発や、開発者・利用者向けの指針整備などを柱とするAIについての提言を公表しました。この提言に対する大臣のご所感と厚生労働省としての対応方針についてお聞かせください。
- 大臣:
- 今日の朝刊で1面にあり、私も先ほど拝見しました。生成AIの活用等については、これからの日本社会、あるいは世界全体でも欠かせない、またある意味避けて通れない問題だと思っているので、それを有効にしっかり活用していくという観点は特に大事だと思います。ご提言の中でも、例えば国内の貴重なデータ活用や国内モデルの展開、まさに我が国にとって非常に重要なご指摘をいただいていると思います。厚生労働省の関係で申し上げると、まさにご提言の中にあった雇用格差問題に備えろというお話がありました。まさにおっしゃるとおりで、AIが進展することによって雇用の問題や人員配置の問題がどうなっていくかということを考えていくということは、これからの時代にとっても非常に大事だと思うので、ご提言のことも十分踏まえながら、我々としても、将来先を見据えてどういった対応が必要かということについては考えていければと思っています。
- 記者:
- 社会保障制度改革について伺います。高額療養費の外来特例の上限額引上げや、介護利用者の2割負担の対象者拡大のほか、OTC類似薬の特別料金導入といった議論が進んでいます。厚生労働省内の審議会では、個別の見直しについては理解を示す意見がある一方、これらの見直しが組み合わさったときに特定の人の負担が急激に増えるのではないかという懸念の声も出ています。具体的な負担の見直しは、年末の予算編成に向けて、厚生労働省で案を取りまとめていくことになると思いますが、複数の制度変更によって、特定の人に負担が重くなる可能性はないのか伺います。また、見直しの全体像について、今後どのように示していくのかも併せて伺います。
- 大臣:
- いずれにしても社会保障制度改革の年内取りまとめ等に向けて最終的な段階にあるので、現段階で具体的にどうだということはなかなか申し上げられません。その上で、制度改革の影響によって、特定の年齢の方や特定の所得層の方にどの程度の影響が生じ得るのかということを、全体を俯瞰して検討を考えていくということが必要ではないかと思います。今、年末に向けて最終的な成案を得るべく取りまとめ作業を進めていますが、その際には、特定の方の負担が過重なものにならないように、丁寧に検討を進めていくといったことも必要です。また、成案を得た段階で、具体的にどういった影響が生じ得るのかということについても、国民の皆様に分かりやすく説明していくという観点も必要だと思っています。いずれにしても、今、精力的にいろいろな議論を進めているので、それを踏まえてしっかり考えていきたい、検討していきたいと思います。
(了)

