上野大臣会見概要
(令和7年11月21日(金)8:35~8:43 衆・分館第16委員室前)
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 私から冒頭ご報告させていただきたいと思います。ゲノム医療施策に関する基本的な計画について、本日その計画を閣議決定いたしました。この計画は、個人の権利及び利益を尊重しながらゲノム医療を推進することで、国民の健康に寄与することを目指すということを全体目標とし、国民の適切な理解と啓発、医療等の提供体制の構築、研究開発の推進の3つの柱に沿ってゲノム医療を推進してまいります。
質疑
- 記者:
- 生活保護の最高裁判決対応について伺います。専門委員会の報告書が公表され、与野党での協議も進みました。最終的な対応方針の決定のめどは立ちましたでしょうか。また、上野大臣は先日の国と地方の協議の場で、原告らに対する今後の追加給付に関して、自治体側に協力を求めました。追加給付を行う場合、いつ頃給付を始める見通しでしょうか。また、当時の受給者は約200万人で推移していましたが、いつ頃までに給付を完了させたいかについても、お考えをお聞かせください。
- 大臣:
- 対応方針については、現在最終的な調整をしており、決定次第、速やかにお知らせしたいと考えています。また、今後のスケジュールですが、追加給付を行う場合、できる限り早期に対象となる方々へ支給する必要があると考えています。ただ、支給に当たっては、自治体のシステム改修など、一定の期間がかかると思いますし、特に保護を廃止された世帯についてはいろいろな申出を受け付ける手続が必要になり、一定の期間は要すると考えています。具体的なスケジュールは、現段階でまだ方針も最終的に決まっていないので、なかなか申し上げることはできませんが、いずれにしても、今後自治体の皆さんやご関係の方々とも十分相談して、しっかりとした対応をできるように努めていきたいと考えています。
- 記者:
- 厚生労働省告示第523号についてお伺いしたいと思っています。日常生活で介助を必要とする重度障害者の方が、原則、就労の場面でヘルパーを利用すると、公的な援助を得られないということになっていて、その場合、なかなか社会参加できないという訴えをする当事者の声があります。そういった場合、あくまで経済活動を支援しているのではなくて、生存権の保障であるという主張もあり、それが人権侵害に当たるのではないかという声もありますが、それの受け止めと、国連から重度障害者が通勤を含めたヘルパー介助を、そういう制限をしていくのはおかしいというところで審議していますが、それについての見解を教えていただきたいというのと、雇用施策との連携による障害者支援事業が、自治体の導入がなかなか進んでいないというところがあり、住んでいる所によって働けるか働けないかというのが制限されているという指摘がありますが、その点についての見解と、これから改善される予定があれば教えていただきたいと思います。
- 大臣:
- 重度障害者の皆さんの就労の、今ご指摘のあった課題については、大変重要な問題だと認識しています。現在のところ、雇用主の方や自治体の方に、その負担の支援についてはお願いしているところです。今お話のあったとおり、国連での勧告、あるいは国会においても、令和4年に障害者総合支援法の改正法の附帯決議において同様の指摘を受けているところです。令和5年度から調査を開始しており、今後どうしていくかということについては、調査の結果を踏まえて、適切に対応していきたいと考えています。また、自治体の支援の仕組みについて、限られた中でということです。ご指摘のとおりですが、徐々に実施自治体も増えてまいりました。我々としてはそれをしっかり全自治体に実施していただけるような形で進められればいいなと思っていますが、いずれにしても、この課題は本当に我々も重要な問題と認識しているので、国としての対応をこれからどうするか、先ほど申し上げた調査結果を踏まえて、十分検討していきたいと思います。
- 記者:
- それについてですが、告示第523号の撤回・撤廃などは、重度訪問介護をそのまま、普段の生活から就労まで使えるようにするというところでの撤回というのは、あまり考えておられないのですか。
- 大臣:
- これから調査結果を踏まえて様々考えていきたいと思っています。今、重度の障害を持たれる方の働き方は様々であり、自分で起業する方などもどんどん出てきています。そうした働き方の変化もありますし、そうした皆さんをどうやって応援していくか、いろいろなご意見がありますので、そうしたことを十分踏まえて検討しなければいけないと考えています。財政的な制約や様々な課題がありますが、そうしたものを、どうあれば重度障害者の皆さんに寄り添った政策ができるかということは、しっかり考えていきたいと思います。
- 記者:
- 告示の523号の撤廃というのは、選択肢の一つとしてはあるということになりますか。
- 大臣:
- それも含めて、今後の調査結果等も踏まえて検討していきたいと考えています。なかなか政府間の調整等、様々な課題がありますので、乗り越えるべき壁といいますか、クリアすべき課題というのはそれなりにあると思っています。
- 記者:
- この前、ご出身の滋賀の方を取材させていただいたのですが、その方が「働くということは社会参加、自分が社会に参加していると感じられることだ」とおっしゃっていたのですが、そのあたりなかなか、その方は脳性麻痺で参加は苦しいと、今滋賀県庁で働いておられますが、その訴えというのがあるのですが、大臣としては、「働く」というのはどういったことだと、ご自身は思いますか。
- 大臣:
- 働くというのは本当に価値のあることで、全ての人にとって自己実現を果たすなどの様々な意味合いがあると思いますので、そうしたことにも十分寄り添えるように、制度というのはあるべきだと考えています。
- 記者:
- 自治体で働けるか働けないかという不平等さが出てしまうというのは、どうしても当事者の方で受け止めがたいところがあると思いますが、そこはどうでしょうか。
- 大臣:
- それも大きな課題だと思っています。当面は先ほど申し上げた自治体の支援を拡げていくということが大事ですので、そうしたことにも注力していきたいと考えています。
(了)



