福岡大臣会見概要
(令和7年10月10日(金)10:40~11:10 省内会見室)
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 私からは特にありません。
質疑
- 記者:
- 連立協議の難航により、臨時国会の招集日が当初の予定より遅れるとの報道が出ています。厚生労働省としては、継続審議となった医療法のほか、秋までに結論をまとめるとしていた高額療養費、また診療報酬など急いで議論を進めるべきテーマが各種あると考えますが、政治の空白により受ける厚生労働行政の影響について教えてください。またその点についての大臣としての受け止めを教えてください。
- 大臣:
- 大変恐縮ですが、国会日程についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。次の政権が発足するまでの間、引き続き、諸課題に全力で取り組んでまいりたいと思います。
- 記者:
- 高額療養費の限度額引上げについて1点ご質問させていただきます。関節リウマチは、自己免疫の異常により関節に慢性的な炎症を引き起こし、進行すると日常生活に多大な支障を来す慢性疾患です。報道によると、新総裁も関節リウマチでご苦労されたということです。10月1日にリウマチ友の会など3団体が、要望書ということで、全ての所得階層における高額療養費限度額引上げの中止と70歳未満の多数回該当の限度額引下げを求める署名1万4千筆を厚生労働省に提出されています。署名、要望内容について大臣のお受け止めをお伺いします。また、高額療養費限度額引上げにより経済的な理由で治療中断をせざるを得ないなど大きな影響を受ける患者さんに対して、これまでの専門委員会のヒアリングとは別に実態調査やヒアリングを実施する予定はございますでしょうか。秋までに再検討するとした政府方針は今後どのようになるのでしょうか。見通しも含めてお願いします。
- 大臣:
- ご指摘の患者団体さんからのご要望については、事務方から報告を受けています。その中で要望書については私も目を通させていただいていますが、署名についてはその場で団体の方が回収して持って帰られたということなので、こちらの手元にはないという状況です。いずれにしても、高額療養費の見直しに対して大変不安をお感じになられている声の一つだと受け止めさせていただいています。高額療養費の見直しについては、現在、当事者の方にもご参画いただいた専門委員会において、患者団体をはじめ、保険者や医療関係者などから複数回ヒアリングを行うなど、丁寧に議論を進めているところであり、患者の方々の経済的な負担が過度なものとならないよう配慮しつつ、一方で増大する高額療養費を負担能力に応じてどのように分かち合うかという観点から、引き続き検討を進めてまいりたいと存じます。実態調査については、国会答弁でも申し上げましたが、それぞれの方が置かれた立場は皆さん違うわけです。そういった意味でいうと、レセプトのデータをベースに今モデル的に分析させていただいているということです。
- 記者:
- 限度額の見直しをするかしないかについては、正にその新政権後の判断という理解でよろしいでしょうか。厚生労働省として現時点で何か方向性を示したものではまだない、議論の途中だという認識でよろしいでしょうか。確認させていただきます。
- 大臣:
- そこについては、正に今、専門委員会でご議論いただいているということですから、その議論の推移を私たちとしては見守りたいと考えています。
- 記者:
- 医療機関への財政支援と介護報酬についてお伺いします。医療機関への財政支援ですが、四病院団体協議会が先日公表した病院経営調査の中間報告では、2024年度の経常利益が赤字の病院が約64%と、前年度よりも10ポイント以上増えたことが分かりました。高市総裁は補正予算での対応にも言及していますが、昨年度補正予算による医療施設等経営強化緊急支援事業の効果が現場に届くまでには約半年を要しました。医療現場は一刻も早い財政支援を求めており、支援を待っている間に倒産してしまうリスクもあります。現場に支援を届けるスピード感について大臣のお考えを教えてください。また、介護報酬についてですが、自民党の高市新総裁は介護報酬の引上げに意欲を示し、総裁選出後の会見でも、改定年を待っていられないと補正予算での対応にも言及しました。介護現場からは、人手不足や物価高などで、大変厳しい状況を訴える声が上がっています。大臣は、介護現場の現状についてどのような認識をお持ちでしょうか。また、介護報酬の次の改定は2027年ですが、介護業界が厳しい状況にある中、スピード感を持った対応としてはどのような手段が考えられるか、具体的にお聞かせください。
- 大臣:
- 医療と介護それぞれについてのお聞きでしたので、それぞれについてお話させていただきます。医療に関してですが、医療機関は物価高騰や医療需要の急激な変化などの厳しい状況に直面していると認識しており、私自身も、切迫感のある様々なお声を各方面からお聞きしているところです。現場に一刻も早く支援をお届けするという点は大変重要であり、これまでの取組として、補正予算の効果が行き届くまでの間、資金繰りの悪化で必要な医療が継続できないといった事態を避けるために、本年4月から、福祉医療機構の融資を大幅に拡充したところであり、引き続き重要な課題として受け止めさせていただいています。介護分野も医療機関と同様に厳しい状況にあると認識しており、介護においても補正予算等で一定の措置を講じてきていますが、依然として物価高騰などの影響があることを受けて、新総裁がご発言なさったものと受け止めています。これらの課題への対応については、骨太の方針2025も踏まえて、新内閣において検討されるものと考えており、その具体的方策について、そういった意味ではコメントを差し控えますが、いずれにしても、経営の安定や現場で働く幅広い職種の方々の賃上げに確実につながることが重要であると考えており、医療・介護現場の厳しい状況を踏まえて、的確な対応を行っていく必要があると考えています。
- 記者:
- ファイザーやモデルナなど4社と厚生労働省が結んだ新型コロナウイルスワクチンの購入契約に関し、契約文書を全部不開示とした厚生労働省の決定は違法だとして不開示決定の取消しを求めた訴訟で、東京地裁が不開示決定を取り消す判決を出しました。厚生労働省としてどのように対応されるか、見解をお聞かせください。
- 大臣:
- 今ご指摘があったように、昨日、東京地裁において、新型コロナウイルスワクチンの購入契約書の不開示決定について、不開示決定を取り消す旨の判決が言い渡されたと承知しています。今回の判決においては、国の主張が認められなかったものと認識しています。今後については、判決の内容を十分精査するとともに、関係省庁とも協議した上で、適切に対応してまいります。
- 記者:
- 新型コロナワクチン接種記録の保存についてお尋ねします。10月3日の会見で大臣は、特例臨時接種の記録について、予防接種データベースに格納されるように必要な法令の手当を行う予定と答弁されました。これは2026年6月施行の改正予防接種法にあわせて行う省令改正のことと思われますが、2026年2月に接種開始から丸5年を迎えますので、全ての記録を保全するためには、接種記録の保存期間を定めた予防接種法施行規則の改正を2026年2月より前に施行しなければならないはずです。つまり、残された時間はあまりありません。この点にどう対応されるのか、大臣のお考えをお聞かせください。また併せて、接種記録をきちんと保全・保存できたとして、それを全てデジタル登録するとなれば、大変な作業負担になると想像されます。この作業は自治体任せにせず国が責任をもって対応する必要があるのではないかと思われますが、この点もどのように対応されるのか、お考えをお聞かせください。
- 大臣:
- 令和3年2月からの新型コロナウイルス感染症の特例臨時接種に関する記録については、現行のルールに沿って各自治体において5年間保存されているものであり、ご指摘があったように、令和8年2月以降、その保存期限を迎えることとなります。特例臨時接種の記録については、今後の国における必要な調査研究に活かすために、自治体の保管を経て、適切に予防接種データベースに格納されるように、自治体における保存期間を含め、その取扱いを検討しているところです。前も申し上げましたが、ご指摘の問題意識は私どもとしても共有しており、この保存期間の取扱いについては、年内に審議会にてご議論いただいた上で、その結果に基づき、保存期限を迎える令和8年2月までに、必要な法令の手当を行い、自治体に対して取扱いを示すこととしたいと考えています。もう1点については、新型コロナウイルス感染症の特例臨時接種に関する記録については、現在、各自治体において過去の接種記録としてデータ化された状態で保存されており、紙で保存されているわけではありません。令和8年6月以降に、各自治体のシステムと国の予防接種システムの連携が完了次第、当該データを移行していただくこととしており、移行に係る経費等も国が手当をするといった考えです。
- 記者:
- もう1点だけ関連で質問させてください。以前の会見で、日本学術会議がコロナパンデミックに関する記録の保全を政府に求める提言を出したことについてお尋ねししました。これに関連して、コロナ禍の対応で最前線になっていた保健所の記録の保存についてお尋ねします。現時点で、保健所の資料・記録の保存期間や保管方法というのはどうなっているのでしょうか。教えてください。
- 大臣:
- 今般の新型コロナウイルス感染症に係る事態については、行政文書の管理に関するガイドラインに規定する歴史的緊急事態に該当するため、政府においては、当該事態に対応するために行われた業務については、軽微なものを除き、保存期間満了時には原則として国立公文書館へ移管する文書として記録を作成するものとされており、特別な対応が求められているというのは前回申し上げたとおりです。保健所はどうなんだという問だと思います。地方公共団体については、公文書管理法に基づいて、各自治体において文書の適正な管理に関し、必要な施策の策定に努めることとされています。このため、内閣府から都道府県に対して、地方公共団体も国の対応に準じて適切に関連文書が保存等されるように情報提供を行っているところであり、地方公共団体が所管する保健所においても同様に対応していただきたいと考えています。
- 記者:
- それについては改めて保健所というのは厚生労働省の管轄だとも思うのですが、きちんと保健所の記録を、もう5年経つわけですから、それを保全するために新たな指示等を出されるというお考えはないでしょうか。それがなければ、本当に行き届いた保存はなされるのか気になるのですが、どうでしょうか。
- 大臣:
- 先ほども申し上げたように、保健所というのは地方公共団体が所管していますから、そういう意味でいうと、地方公共団体については、公文書管理法に基づいた各自治体において文書の適正な管理に関し必要な施策については、その策定に努めるとされているところです。ただ、内閣府からは各都道府県に対して、地方公共団体も国が行っている対応に準じて適切に関連文書を保存してくださいということをお願いしているところであり、地方公共団体が管理する保健所においても同様の対応をしていただきたいということを申し上げていきたいと思っています。
- 記者:
- mRNAワクチンについて質問します。2025年9月18日にワクチン問題研究会が大臣とPMDA理事長に提出したmRNAワクチンの承認取消と市場回収の要望書において、mRNAワクチンによってこれほど甚大な健康被害が生み出されてしまった原因の一つとして、mRNAワクチンが、本来の新規遺伝子治療薬ではなく従来型ワクチンとして審査されたことが挙げられています。ワクチンとして審査されたことでスルーされた審査項目には、生体内分布、標的臓器の同定、タンパク質発現に伴う毒性や、胚・胎児への毒性、第三者への伝播、自己免疫病・血液病の発生、新規感染症・がんの発生など10項目に及び、現在確認されている健康被害に関わると思われるほぼ全ての審査項目が免除されています。行われるべき適正な項目による審査が行われていないのだとすれば、医薬品安全性監視の観点から、非常に重大かつ深刻な大問題であると考えますが、大臣の認識をお聞かせください。
- 大臣:
- mRNAワクチンを含む新型コロナワクチンについては、PMDAにおいて、個々のワクチンの特徴を踏まえて追加的に実施された非臨床試験等の結果を評価するなど、mRNAという新規技術に対応した審査が行われ、有効性及び安全性を確認した上で薬事承認したものです。薬事承認後においては、審議会において、医療機関等から報告があったワクチン接種後の副反応疑い報告を全例評価しており、現時点でワクチンの安全性に係る重大な懸念は認められていないと評価されています。引き続き、科学的知見の収集に努め、新たな知見が得られた場合には、速やかに医療機関等に情報提供を行ってまいりたいと思います。
- 記者:
- 重大な懸念がないということですが、重大な懸念はないという根拠、また、重大な懸念とはいったい何なのか。そういった定義が示されない限り、今の発言をもって国民の皆さんも何も判断できないと思うのですが、いかがでしょうか。
- 大臣:
- それは一つのお考えとしては受け止めさせていただきますが、いずれにしても、副反応疑い報告を審議会において全例評価して、その上で、安全性に係る重大な懸念は認められていないと評価されているということです。
- 記者:
- 近年の死亡者の激増について2点伺います。福岡大臣は9月30日の大臣会見で、国立社会保障・人口問題研究所において、令和4年及び令和5年の死亡数増加について、新型コロナウイルス感染症以外の死因も含め分析しているとおっしゃいましたが、分析はいつ終わることを想定しているのか、また新型コロナワクチンによって死亡が増加したといった可能性も排除せずに分析を行っているのか、教えていただけますでしょうか。2点目ですが、先月、厚生労働省は人口動態統計において令和6年の死亡数などの確定値を公表しました。全体の死亡数が、令和5年比で約1.9%増えていますが、さらに死因の中で「その他の診断名不明確及び原因不明の死亡」が令和5年比で約21.5%増加しています。この原因不明の死亡が激増している現状について、厚生労働省の見解を教えていただけますでしょうか。
- 大臣:
- 令和4年及び令和5年の死亡数増加については、国立社会保障・人口問題研究所において、新型コロナウイルス感染症以外の死因も含め分析し、先日10月6日にその結果を公表したところです。その分析結果によると、死亡者数の実績値と2019年までの死亡率のトレンドに基づき推計されたモデル値の乖離をみると、2021年は約2万人実績値の方が多く、更に2022、2023年は約13万人実績値の方が多いこと。また、年齢階級別に乖離をみると、2022年以降は、どの年齢階級でも実績値の方がモデル値よりも多く、特に、75歳から89歳では、約7万人実績値の方が多いということ。死因別に乖離をみると、2022年以降は、おおむねどの死因でも実績値の方がモデル値よりも多く、乖離の大きさは、新型コロナ感染症、心疾患、老衰、その他、悪性新生物の順となっています。続けて言いましたが、その乖離の大きさが一番大きいのが新型コロナ感染症、二番目が心疾患、三番目が老衰、四番目がその他、五番目が悪性新生物の順となっていることが示されているものです。今回の分析は、人口学の観点から死亡届に基づいて人口動態を分析したものであり、コロナワクチンが死亡に与えた影響に関する分析というものは行われていません。もう一つの問について答えます。令和6年年の人口動態統計では、「その他の診断名不明確及び原因不明の死亡」による死亡数は2万6,116人で、前年と比較して21.5%増加となっています。人口動態統計では、死亡診断書に記載された死因に基づき、WHOの統一ルールに従って、死亡に至る起因となった疾病等を原死因として統計を作成しています。死亡診断書の死因欄に「不詳」や「詳細不明」などの記載があったものが、先ほどご指摘のあった「その他の診断名不明確及び原因不明の死亡」に分類されているため、この数が増加している要因について、人口動態調査の結果から把握することは困難であると考えています。先ほどお問い合わせがあったワクチンの影響というところも含めて、また今回「その他の診断名不明確及び原因不明の死亡」に分類されている方がどうして増えたのかについては、人口学の観点からはこういった分析しかできませんが、どのような分析が可能かということも含めて、専門家の意見も聴きながらそのやり方を検討してまいりたいと考えています。
- 記者:
- 令和4年、5年の社人研の研究においても、人口学的な観点からの見解ということで、具体的になぜそれが起こったのかが分からないということだと思いますが、それは更なる研究の必要性について、お感じになっていますでしょうか。
- 大臣:
- そういう意味では、人口学的な観点からはそのような分析しかできませんが、今おっしゃった、なぜ「診断名不明確及び原因不明の死亡」が増えていらっしゃるのかとか、元々お問い合わせがあったワクチンの影響がそれぞれの死因の増加に影響しているかどうかということを調査できるかも含めて、JIHSの専門家に確認させていただいているというところです。
- 記者:
- 新型コロナワクチンの感染防止効果について2点お尋ねします。先回の会見で、ファイザー社製のワクチンを特例臨時接種に用いた理由について、こう大臣はおっしゃいました。「広く国民の発症を予防し、死亡者や重症者の発生をできる限り減らし、結果として新型コロナウイルス感染症のまん延の防止を図ることを目的として」ということでした。しかし、感染防止効果がまだ認められていないワクチンがなぜ結果としてまん延を防止できるのか、何度考えても分かりません。辞書を引くと、まん延とは「病気や悪習などがいっぱいに広がること」とあります。いかがでしょうか。それからもう1点ですが、2問目です。10月3日の会見で、新型コロナワクチンに感染予防効果が認められる前に感染が防げる旨を当時の菅総理と河野太郎ワクチン担当相が広報していた事例を4つ紹介しました。わが国で正式に認められていない効果を広報したことは、薬機法第66条、誇大広告等違反にはならないのでしょうか。
- 大臣:
- 1点目の質問からお答えいたします。当時からの知見として、新型コロナウイルス感染症に罹患すると、鼻水やせきといった症状を呈し、こうした症状から飛沫感染を引き起こすということが明らかとなっており、このような知見を前提として、臨床試験において発症予防効果、すなわち、今申し上げたような感染症の症状を発症しなくなる効果が認められたファイザー社のワクチンを用いた接種を行うことで、広く国民の発症を予防し、結果として感染症のまん延の防止を図ることを目的として、審議会においてワクチン接種の開始を決定したものです。もう一つ、医薬品等に係る虚偽・誇大広告については、医薬品医療機器等法第66条に基づき禁止されているところですが、広告に該当するかどうかは、広告の情報全体を総合的に考慮して、一つ、顧客を誘引する意図が明確であること、二つ、特定医薬品等の商品名が明らかにされていること、三つ、一般人が認知できる状態にあることのいずれの要件も満たす場合に、この法律の規制対象となると判断しています。ご指摘の広報については、製品を特定したものではないこと、また、一般的に、国や地方公共団体が行う情報提供は顧客誘引性が否定されることから、医薬品医療機器等法第66条の医薬品の広告に該当しないと考えています。
- 記者:
- 1問目についてですが、関連で、厚生労働省は無症状感染があり得るという立場を取っていると理解しています。であるならば、発症しなくても広がるということがあるわけですから、感染予防効果がなければ抑えられないと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
- 大臣:
- 新型コロナウイルス感染症に罹患すると、鼻水やせきといった症状を呈して、こうした症状から飛沫感染を引き起こし、主な感染経路となっていることが明らかとなっていると申し上げました。今さっきおっしゃったように、無症候の方が起こすよりも、明らかに鼻水やせきといった飛沫で感染する人の方が、リスク的に大きいということですから、感染対策上そこに手を打つということは特に問題はないと考えています
- 記者:
- 2問目について関連でもう1問。先ほど商品名等が特定されていないということをおっしゃいましたが、2021年2月に特例臨時接種が開始された時点では、ファイザー社製のコミナティ筋注しか認められていなかったと思います。これは、広告宣伝ではなかったとしても、流布してはならないと66条第1項の末文はうたっています。その点はいかがでしょうか。
- 大臣:
- 繰り返しになりますが、顧客を誘引する意図が明確であること、特定医薬品等の商品名、商品名が明らかにされていること、また、一般人が認知できる状態にあること、このいずれの要件も満たす場合に法律の規制対象となるということです。商品名というのが明らかになっていませんから、製品を特定したものではないこと、また、国や地法公共団体が行うものは顧客誘引性が否定される。そのように認識しています。
- 記者:
- 最後に1点だけ確認だけさせてください。メーカー、製造販売元がうたっていない効果を主張することは、薬機法に違反しないのでしょうか。66条の主語は「何人も」とあります。
- 大臣:
- 質問の趣旨がうまく理解できないのですが。
- 記者:
- そもそもファイザー社は、感染予防効果それから重症化予防効果を自身はうたっていないわけです。そのように理解しています。製造販売元が明記して主張していない効果を、政府であれ、第三者が流布することは、薬機法に当たらないのでしょうか。
- 大臣:
- 新型コロナワクチンに限らず、多くのワクチン等についても、最初は発症予防ということで承認を取られていることが圧倒的に多いと承知しています。ただその後、接種を行っていく中で、様々な効果がみえてくるということは当然あるわけであり、そういった確立された効果を申し上げることについて、問題があるとは認識していません。
- 記者:
- 臨床試験自体が行われていないわけですよね。先回も確認させていただきましたが。会議で、審議会で資料を配付したことをもって確認したということになっているわけですよね。現に我が国は接種率世界一なのに、感染率が世界一になっているわけです。それから、打つは打つほどかかりやすくなっているというデータはたくさん出ています。クリーブランド論文でも観測できますし、厚生労働省が現に2021年9月1日のアドバイザリーボード提出資料で0回より1回、1回より2回接種者の方がかかりやすくなっているというのはデータで出ているわけです。感染予防効果は根拠がありませんでしたと、厚生労働省も認めるべきではありませんか。いかがでしょうか。
- 大臣:
- 今のご質問に直接お答えにはならないかもしれませんが、例えば、発症予防が認められたもので、その後重症化予防効果について、これは臨床試験での確認が難しいところであっても、薬事承認後に研究者の報告により重症化予防の確認ができる場合があり、それは科学的な知見として情報発信する例もあると承知しており、そのこと自体に問題があるとは認識していません。
- 記者:
- メーカーが主張していない効果を、第三者が流布することというのは薬機法に違反しないという理解でよろしいでしょうか。
- 大臣:
- 申し上げましたように、臨床試験で確認が行われて、薬事承認後に研究者の報告によって重症化予防等が確認できる。そのことを科学的な知見として情報発信するということについては問題にならないと考えています。
(了)