福岡大臣会見概要

(令和7年9月17日(水)10:46~10:54 HITO病院)

広報室

会見の詳細

発言要旨

大臣:
昨日は介護現場ということでしたが、本日は、HITO病院様を視察させていただき、業務のDX化によって、病棟での業務の効率化と、多職種協働によるケアの質の向上の両方を実現されている現場を視察するとともに、職員の方々との意見交換をさせていただきました。実際に病棟を見せていただいて、病棟のナースステーションには、看護職員の方がほとんどいらっしゃらず、皆さんが病室で患者さんのケアに当たりながら、デジタル機器を活用して必要な情報共有を適時適切に行っておられるというのを実際に目の当たりにさせていただきました。病院からのご説明や職員の方々との意見交換においては、単に機器を導入するということだけではなく、職場での働き方や組織風土そのものを、デジタル技術を活用して変化させていくことで、人口減少下でも必要な人材を確保して、地域医療の基盤を支えていく。こうした明確なビジョンを病院全体で共有され、それを実行に移していくということが、実感として感じられたということです。何度もお話が出ましたが、多くの業界が人手不足であり、業務のDX化や、業務プロセスの共通化・標準化などには大変大切な視点だと思っています。医療においても、今後、医療従事者の確保がますます厳しくなっていくことが予想される中で、DX化による業務効率化や職場環境の改善は不可欠です。好事例を横展開し、日本全体に普及させていく必要があると考えており、今日いろいろと承った内容を参考にさせていただき、業務効率化の推進と職場環境の改善を更に進めてまいりたいと考えています。

質疑

記者:
DXの促進、業務の効率化を進める、横展開を加速したいということですが、もう少し具体的に何か、今日は評価の仕組み、報酬なども含めて要望等もあったかと思いますが、厚生労働省として、このDX化、大きな病院だけではなく、診療所等も含めて進めていく必要があるかと思いますが、そういったところで、より推進するために、どんなことをしていくのか、何かありましたらお願いします。
大臣:
DX化を進めていく中で、いろいろと試行錯誤を重ねながら、より良いものにしていくと。今日のお話を聞く中でも、そういった様々な話をお持ちの病院の中で連携をとりながら、どのようにしたらより効率的な運営ができるのかといった協議体、話し合いをされているというようなお話もありました。今後DX化を国として進めるにあたっても、現場としてどういうものを望んでいらっしゃって、どのようにしていけば使い勝手がいいのかという現場の声に則して、それに向けて、例えば、国としてどういった支援の在り方ができるのかとか、報酬上の評価があり得るのかなど、そういったことをしっかり検討していく必要があると思っています。
記者:
私の感想にも少しなってしまいますが、いわゆる製造業、例えば製造業の現場とかで、結構DX進んでるところもある中で、医療機関だと難しい部分だとか、どの業界においても、このDXって言われてることだと思いますが、特に医療機関におけるDXの重要性であったり、その有効性であったり、意義みたいなところを何か感じられてるところはありますか。
大臣:
例えば、病院では毎日患者さんと当たりながら、今までと同じことをしながら、加えてより効率化していくために、どういった取組ができるのかということを並行してやっていかなきゃいけない。導入するに当たっても、今までやってることをやりながら、少しずつ体制を変えていかなくてはいけないという部分は当然あるのだと思います。それは先ほど申し上げたように、実際に取り組みながら、いろんな課題を皆さんが感じながらやってこられた。そういったことを今後、全国的に展開する上で、どういう取組を進めていけば、そのようなハードルが少しでも下がるのかということについては、いろいろな方のご意見を聞きながら、よりその環境が作りやすくするための支援を考えていかなくてはいけないと思います。
記者:
まず今日は、iPhoneを使ったやりとりやスマートグラスも見ましたが、率直に、改めてどのように感じましたか。
大臣:
やはり皆さん方、働く方々の心理的なハードルが下がったというところ、これは職種も含めて、それを超えて多職種が連携して、皆さんが同じ掲示板に書き込んで情報を共有することで、いろんな方々との意思疎通も図りやすいですし、いろいろな意味でのコミュニケーションが上がることによって、心理的にも皆さんの共有感が生まれるというか、チームでより色々な課題に当たれるような状況になったというお話を承り、そういった効果があるんだなということを改めて感じさせていただきました。ここはICTによる効率化は当然ですが、それによって職場の方々のコミュニケーションというか、対応が円滑に行くといった面もあるということを改めて感じて、そういうことをしっかりと今後進めていく必要があるなと思いました。
記者:
そうですね。医療、介護の連携という話が今日は出てきてました。昨日老人ホームも見られて、どのように今後連携というところでは感じられましたか。
大臣:
この間の国会に提出した医療法案も含め、今後地域医療構想でも、医療は医療、介護は介護ではなくて、地域で必要なものを面として捉えて、どうやって切れ目なく提供していくかということは、すごく大きな視点だと思います。国会でも訪問介護等で議論になりましたが、1人で行ってマンツーマンで対応することの難しさというのは、いろいろな訪問系サービスでご指摘いただき、今日のスマートグラスのように、実際に機器を使って繋がることで、適切なアドバイスがもらえる、現場で孤立せずにみんなと話し合いながらいろいろなことに当たれるといった取組というも、すごく有用だなと思いましたし、そういったことも含めて、地域全体で医療介護を捉えてカバーしていく中で、どういったテクノロジーが今後生かせるのかということは、大事な視点だと思います。

(了)