福岡大臣会見概要

(令和7年8月29日(金)10:47~11:09 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:
冒頭私から2点申し上げます。まず雇用統計についてです。令和7年7月の有効求人倍率は1.22倍と、前月と同水準となりました。また、完全失業率は2.3%と、前月より0.2ポイント低下となりました。求人・求職の動向や労働力調査の結果をみますと、現在の雇用情勢は、求人・求職ともにおおむね横ばいで推移しており、緩やかに持ち直しています。物価上昇等が雇用に与える影響に留意する必要があると考えています。もう1点、「自殺予防週間」の実施についてです。9月10日から16日までは「自殺予防週間」です。昨年の自殺者数は、統計開始以降2番目に少ない2万320人となりましたが、依然として2万人を超え、特に小中高生は過去最多の529人となるなど、深刻な状況が続いています。こどもの自殺が夏期休暇明け前後に増加する傾向を踏まえて、夏期休暇中にも関係府省庁が一丸となって啓発活動に取り組んでいますが、国民の皆様、特に若い世代の皆様へのメッセージを本日発出するとともに、相談体制の拡充など、きめ細かな対応を行ってまいります。悩みをお持ちの方は、どうか1人で抱え込まず、身近な方や、相談窓口に相談していただきたいと思います。心のSOSをしっかりと受け止め、誰も自殺に追い込まれない社会の実現に取り組んでまいります。

質疑

(了)

記者:
長生炭鉱についてお伺いします。坑道で見つかった遺骨の身元確認について、昨日の官房長官会見で、「山口県警において関係省庁の協力も得ながら適切に対応していく」との説明がありました。厚生労働省はどのような形で協力していくのかお伺いします。また、海底の遺骨の調査について、前回の会見では、「現時点では、安全を確保した上での潜水調査に資するような新たな知見は得られていない」とのご説明でしたが、今後、調査のノウハウを持った他省庁との連携などは考えられていないかも、併せてお伺いします。
大臣:
長生炭鉱の坑道の落盤事故において犠牲になられた方々に心からお悔やみを申し上げます。8月25、26日に長生炭鉱の水没した坑道内において、人骨のようなものが確認され、27日に、山口県警察における形態学的検査の結果、人骨と判明したことが認められ、公表されたものと承知しています。今後、本件に係る関係機関と連携しながら、厚生労働省としても適時、適切に協力してまいりたいと思います。また、厚生労働省としては、構造物としての炭鉱の安全性や、安全を確保した上での潜水調査の実施可能性等の観点から、知見を有する方々からのお話を伺ってきているところです。こうした専門的な知見を収集するに際して、引き続き、関係省庁とも連携して適切に対応してまいりたいと思います。
記者:
長生炭鉱の件に関連して2点伺います。政府によると、戦没者の法令上の定義はありません。だとすれば、戦時下に戦略物資を採取していて事故死した長生炭鉱の労働者は、軍属に準じる戦没者と解釈できるとも考えられますが、ご見解をお聞かせください。戦没者遺骨収集推進法の理念にのっとり、長生炭鉱の犠牲者は同法の対象になるのでは、という声もありますが、ご見解をお聞かせください。
大臣:
平成28年に成立した戦没者遺骨収集推進法において、戦没者の遺骨収集については、今次の大戦により、沖縄、硫黄島などの地域において死亡した者の遺骨の収容と定義されているところであり、ご指摘の労働者の方々はこの定義に該当しないことから、同法の遺骨収集の対象とはならないものと認識しています。
記者:
雇用調整助成金の不正受給問題について質問します。厚生労働省の集計で、企業などの不正受給が、今年6月末時点で4,280件、計約1,044億円に上ることが分かりました。これに対する受け止めと、原因についてどのように分析されるか、また、今後の雇用調整助成金の在り方について、どのような課題が想定されるのか、制度や手続の見直しを含めた検討を進めるお考えはあるのかどうか、お聞かせください。
大臣:
助成金の不正受給はあってはならないことであり、引き続き、厳正に対処していく必要があると考えています。不正受給の原因について、新型コロナ感染症への対応のために、政府が休業要請を行う中で、約800万件という膨大な雇用調整助成金の申請がなされるとともに、労働者の雇用維持のために、迅速支給を優先したことなどが影響した可能性があると考えています。雇用調整助成金のコロナ特例措置については、調査研究を実施し検証を行った上で、5月に労働政策審議会の職業安定分科会に報告したところです。この検証結果も踏まえ、今後、緊急時の雇用調整助成金の在り方について、労働政策審議会において議論を深めていくこととしています。
記者:
米国の薬価政策についてお伺いします。トランプ大統領は7月に、9月末までの米国での薬価下げを求めて、製薬企業各社へ書簡を送っています。日本企業はその中に含まれていませんが、書簡では、米国以外の国での薬価交渉を強化して、その分アメリカの薬価を安くするよう求めています。日本に対しても、薬価を引き上げるように求められている状況にあると思うのですが、こうしたトランプ大統領の薬価政策が国内に与える影響についてどう見込んでいるか、考えをお聞かせください。
大臣:
ご指摘があった書簡については、米国時間7月31日に、トランプ大統領が米国や欧州の製薬企業17社に対して、米国における医薬品の価格を、他の先進国の中の最低価格に引き下げることを求める、また、米国外の国との薬価の引き上げ交渉で得られた利益を米国内の薬価引き下げに活用することを条件にその交渉を支援する、という内容の書簡を発出したと承知しています。一方で、令和8年度薬価改定については、中央社会保険医療協議会において議論を始めたところであり、7月9日には、米国の製薬企業も含めた業界団体からご意見を伺うヒアリングの場を設けたところです。薬価改定については、創薬イノベーションの推進、医薬品の安定供給の確保、国民負担の軽減といった基本的な考え方を踏まえ、国内外の製薬団体等の関係団体のご意見も伺いながら、丁寧に議論を進めてまいりたいと思います。
記者:
mRNAワクチン接種の即時中止を求める請願の扱いについてお尋ねします。川田龍平前参議院議員が7月10日、「レプリコンワクチンを含むmRNAワクチン接種事業の即時中止を求める請願書」約11万筆を厚生労働大臣宛てに提出しました。福岡大臣は選挙で多忙のため、職員が受け取ったと聞いております。この請願書は大臣には届いていますでしょうか。また、この請願書の取扱いについて教えてください。
大臣:
ご指摘の請願については、内容を承知しています。 請願書の内容に対する回答については、8月5日に、川田前議員宛てにメールでお送りしたところです。
記者:
石川県で能登半島地震の被災地の医療費や介護利用料の一部負担金免除が、後期高齢者医療制度と国保で、6月末で打ち切られています。一方で、協会けんぽでは継続しています。当会の加盟団体である石川県保険医協会が27日に記者会見を行い、この件に関して実施した被災者への調査結果を明らかにしました。それによれば、免除が終了した場合に「受診回数を減らす」という回答が4割、「受診せず我慢する」という回答が3割、さらに、免除打ち切りなら「通院をやめて避難先で孤独死する」といった声も寄せられています。この調査結果について、大臣の受け止めをお聞かせください。また、医療費免除に関して、国の財政支援として、一定の条件を満たした保険者に対してのみ実施するという形で、多くの被災自治体で財政負担が生じているのですが、一応財政支援という形であります。ただ、この期限が9月末までとなっていますが、この期限の延長は検討されているでしょうか。
大臣:
国民健康保険や後期高齢者医療制度においては、災害が生じた場合に、市町村等の保険者のご判断で、被災者の方々の医療機関の窓口での一部負担金の支払いを減免できることとしています。その上で、令和6年の能登半島地震による被災者の方々については、令和6年12月までの1年間、市町村等が実施した減免分の全額を国が財政支援し、その後、本年1月から9月までについては、減免状況に応じて、引き続き財政支援を行っているところです。この減免状況に応じた財政支援については、被災状況や市町村等のご意向、過去の災害における支援状況などを勘案して、実施しているものです。ご指摘があった調査結果についてのコメントは差し控えさせていただきますが、被災された方々も含め、国民皆保険のもとで、全ての国民の皆様が必要な医療を受けられることが重要だと考えており、一部負担金については、災害の有無を問わず、被保険者の生活実態などに即して、支払いが困難である特別の理由があると認めた場合には、市町村等の判断において減免や徴収猶予を行うことも可能としているところです。引き続き、被災された市町村等の状況もしっかりお伺いしながら、丁寧に対応を進めてまいりたいと思います。
記者:
市町村の対応とありますが、国の財政支援は9月末までということになっていると思うのですが、そちらの延長については検討されているのでしょうか。
大臣:
少なくとも能登半島地震においては、石川県内の全ての市町村で、7月以降は減免を行わないこととされていると承っています。そういった地元の方々の声も承りながら、検討されるものだと思います。
記者:
今月16日にJR大森駅前で実施した献血を巡って、協力者39人分の血液が適切に管理されず、使用不能になるという問題が発生しました。この件について大臣の見解をお聞かせ願います。
大臣:
ご指摘の案件については、献血会場から、血液製剤の製造所である血液センターへの搬送時に不備があったため、同センターの献血血液の受入れが大幅に遅延した事案だと承知しています。貴重な献血血液であり、献血者の方々の善意を活かせなかったことから、日本赤十字社に対しては、原因を究明するとともに再発防止策を講じるよう要請し、現在、日赤で対応中と承知しています。引き続き、献血事業が適切に実施され、血液製剤が医療現場に安定して供給されるように、必要な対応を行ってまいりたいと思います。
記者:
福岡大臣は、8月26日の「薬害根絶の誓い」に出席され、スピーチをされた後、コロナワクチン被害者の方が声をかけたにも関わらず、立ち止まることなくお帰りになりました。1年前の武見大臣や2年前の加藤大臣は、同様のケースにおいて足を止めて話を聞いたり、対話をされたりしています。そこで伺います。例年、薬害根絶の誓いの後、被害者から声をかけられていることを福岡大臣は事前に承知されていたのでしょうか。今回はなぜ、立ち止まらなかったのでしょうか。また、今後コロナワクチン被害者の声、ご遺族の声にどのように向き合っていくお考えでしょうか。
大臣:
これまでの例として、参加された方から直接ご要望を伝えられることがあったということについては、承知しております。新型コロナワクチンに限らず、他の医薬品による被害に遭われた方もいらっしゃる中で、全ての方の要望を直接お聞きするということは、物理的にも難しいと考えていることは、この前も申し上げたとおりです。ご意見については、事務方が協議の場においてお聞きし、丁寧に対応させていただいています。また、新型コロナワクチン接種後の健康影響を訴える方々やそのご家族の皆様方からは、このほかにも普段から、様々な形でご意見をいただいており、担当部局から報告を受けていますが、引き続き、様々な機会を通じて、多くのご意見を伺ってまいりたいと思います。
記者:
大臣に声をかけた女性の中に、奈良県から車椅子で来た方がいらっしゃいます。コロナワクチン接種後に車椅子生活になった看護師の方なんですけど、その方は、私あの後聞いたんですけど、大臣になんておっしゃったのか。「元の体に戻りたい」、それから「元の生活がしたいです」と大臣に呼び掛けてらっしゃいました。こういう、元の状態に戻りたいという声に対しては、大臣、どのようにお受け止めになりますか。
大臣:
様々なご発言があったことは承知しており、出て行くときに、今おっしゃった、「元の体に戻りたいです」ということを訴えになられた方がいらっしゃったことは、私の耳でも確認しました。私はその場でその方としっかり目を合わせて、その気持ちを受け止めますという意味で会釈して退出させていただいたという認識です。
記者:
具体的な行動としては、この声を受け止めて、大臣としてどうでしょうか。
大臣:
今申し上げましたように、様々な健康被害が起こらないような、そういった今後の在り方については、不断の見直しをしていかなければなりませんし、副反応が出られた方々、そういった方々が日常生活に戻れるための支援の在り方等についても、当然、厚生労働省としても全力を挙げていきたいと思います。
記者:
国のワクチン政策について質問します。8月19日、ビル・ゲイツ氏と石破総理大臣との面会において、日本政府からGaviワクチンアライアンスに対し、今後5年間で最大5億5000万ドル、約810億円を拠出することが決まりました。この決定に遡る8月5日、アメリカの厚生省は、mRNAワクチン開発計画に対する連邦政府の約5億ドル、約740億円の資金提供を打ち切ることを発表しています。アメリカの厚生省が打ち切った資金約740億円と日本の拠出金約810億円がほぼバランスしており、失われた米国連邦政府からの資金を日本に補填させたようにも見えます。日本政府は今回の拠出金について日本国民に対する説明を十分に行ったとは思えません。この度のゲイツ氏への拠出金の決定について、経緯、理由などご説明いただけますでしょうか。
大臣:
Gaviについてはワクチンの開発ではなく、途上国における予防接種率を向上させ、人々の命と健康を守る活動を実施しています。この「日本政府によるGaviワクチンアライアンスへの貢献の表明」と、ご指摘があった「米国のワクチン開発計画に関する動向」は、全くリンクしておらず、関係はありません。Gaviへの拠出は、我が国への感染症の海外からの流入の防止といった将来のパンデミックへの予防、備え、対応の観点からも重要であり、Gaviとの連携を通じ、日本発のイノベーションでの貢献ができることを期待しています。こうした点を踏まえて、今般、日本としてはGaviに対して、今後5年間で最大5.5億ドルの貢献を行っていくことを表明したものです。厚生労働省として、外務省等の関係省庁と連携の上、他の主要ドナー国や民間ドナーとともに、Gaviへの貢献を通じたものも含め、国際保健の諸課題に取り組んでいく考えです。
記者:
ファイザー社の新型コロナワクチンの治験結果の公表についてお尋ねします。ファイザー社の同ワクチンの治験結果について、福岡大臣は7月29日の記者会見で、「厚生労働省から公表する予定はございません」と答弁されています。治験結果の概要が米国の臨床試験の公的データベースで公開される予定とのことですが、我が国の今後のワクチン政策に反映させるため、国内でも公表するべきだと思いますが、ご検討されるおつもりはありませんか。
大臣:
ご指摘のあったファイザー社の新型コロナワクチンの第3相試験については、薬事承認時点で確認された結果が公表されており、独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページにおいて掲載されています。今ご指摘がありました、薬事承認後も継続して実施されていた当該試験の最終解析結果については、当該試験を実施した実施者の責任のもとで公表されるものであると考えています。
記者:
安全性と有効性を高めるためにも、この重要な臨床結果を役立てない姿勢は、国民の理解が得られないと思いますがいかがでしょうか。
大臣:
薬事承認中に継続中であった臨床試験の最終解析結果において、仮に、製造、販売後に安全性及び有効性に関する懸念が判明した場合等においては、根拠となる臨床試験結果の公表などを含め、必要な対応を検討することになります。この時点で、ご指摘のファイザー社の第3相試験の最終解析結果については、そのような状況におかれているものではないと承知しています。
記者:
健康被害救済制度でも1,032人が既に死亡認定されています。これは考慮に値しないものなのでしょうか。
大臣:
ですから、そこは1例1例、審議会において適切に判断していただくということです。
記者:
日本からは、あくまで公表はしないということに変わりないという理解でよろしいでしょうか。
大臣:
公表するかどうかの判断というのは、当該試験を実施した実施者の責任のもとで行われるべきだということです。
記者:
実施者というのはファイザー社ということでしょうか。
大臣:
そうです。
記者:
確認ですが、一般社団法人ワクチン問題研究会が8月26日、mRNAワクチンの承認取消し及び市場回収を求める英文の論文を発表されているのですが、そのことを大臣はご存じですか。
大臣:
私自身はその内容について、詳細は把握しておりません。