福岡大臣会見概要
(令和7年6月17日(火)8:59~9:10 省内会見室)
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 私からは特にございません。
質疑
- 記者:
- 先週の金曜日、年金制度改革の関連法案が国会で成立しました。こちらについての受け止めについてお聞かせください。また法律には、今後、第3号被保険者制度や、国民年金保険料の拠出期間45年化などのあり方を検討していくことも盛り込まれています。野党からは党派を超えて今後制度を議論していく必要性も指摘されていますが、年金制度の残る課題について、次の改正に向けてどのように対応していくお考えか、併せてお聞かせください。
- 大臣:
- 年金改正法については、その審議過程で年金水準の確保が大きなテーマとなり、基礎年金の水準確保に関する修正を含めて成立したことは、大変意義のあったことだと受け止めています。ご指摘の第3号被保険者や基礎年金の拠出期間の延長も含め、今回の法律の検討規定や附帯決議において、今後、検討することとされた事項については、社会経済情勢の変化や財政検証の結果なども踏まえ、引き続き丁寧に検討を進めてまいりたいと考えています。
- 記者:
- 新型コロナウイルス感染症対策分科会元会長の尾身茂氏が8日、民放のトーク番組に出演し、新型コロナワクチンの効果について、「感染防止効果、感染を防ぐ効果は残念ながらあまりないワクチンです」、「ワクチンをやったら絶対に感染しないという保証はないし、実際に感染した人がいる」と発言されました。さらに子供たちへの接種について、「若い人は感染しても重症化しないし、副反応にも比較的強いから。これについては、本人たちがやられたいんならどうぞ」と、本心と取れる見解を吐露されました。わが国の感染症対策の陣頭指揮を執った専門家が、これまで進めてきた政策と真逆の認識を示されたわけですが、厚生労働省として新型コロナワクチン政策における反省や、今後の政策を見直すお考えはありますか。
- 大臣
- お尋ねの、尾身先生のテレビ番組出演については承知していますが、尾身先生個人の見解に基づく発言に対するコメントについては、差し控えさせていただきたいと思います。その上で、新型コロナワクチンの有効性については、オミクロン株流行下の知見として、重症化予防効果及び感染予防効果はそれぞれ確認されているものの、これまでも周知してきたとおり、重症化予防効果は一定程度持続する一方で、感染予防効果の持続期間は限定的であるとされています。また、新型コロナワクチンの若年者への接種については、こうした効果の持続期間に関する知見や、高齢者等において重症化しやすいといった知見を踏まえ、審議会で議論を行い、その時点の科学的知見も踏まえ、適宜接種対象等の見直しが行われてきたものと承知しています。今後とも、科学的知見に基づき、有効性・安全性評価を行うとともに、接種の判断に必要な情報発信に努め、ワクチン接種を希望される方が接種しやすい環境の整備に努めてまいりたいと考えています。
- 記者:
- 尾身さんの考えが、我が国のコロナ中の政策に大きな影響を与えてきたのは、お認めになりますか。そして、少なくとも子供や若年層については、感染しても重症化しないと思うのですが、そこはいかがでしょうか。
- 大臣:
- その時点の科学的知見で得られたことを踏まえ、これまでも適宜接種対象等の見直しなど、必要な情報について発信してきているところです。そういう意味では、先ほど申し上げたように、感染予防の効果やお子さんに対しての接種は、その時々の知見により、しっかり情報を発信し、接種対象の見直しを行ってきているという認識です。
- 記者:
- 間違いではなかったという認識で理解してよろしいでしょうか。
- 大臣:
- 何をもって間違っているとおっしゃっているのか分かりませんが、その時点で把握できた知見を伴って、必要な対応は行ってきたという認識です。
- 記者:
- 4月14日のワクチンの審議会に関して2点伺います。現在、副反応疑い報告における、新型コロナワクチン接種後の死亡報告の累計、また、製薬会社別の内訳を教えていただけますでしょうか。もう1点、今回、4月14日の審議会では、第一三共社のコロナワクチンを接種した11歳男子の死亡事例が報告されていますが、こちらは2022年12月13日に、第一三共ではなく、ファイザー社のワクチンを接種し、当日死亡した事例であり、誤りではないかと思いますが、いかがでしょうか。
- 大臣:
- 4月14日の審議会において報告された、副反応疑い報告制度における、新型コロナワクチン接種後の死亡報告の件数は、2,283件です。この内訳を申し上げますと、ファイザー社が2,001件、モデルナ・ジャパン社が269件、第一三共社が6件、Meiji Seika ファルマ社が2件、武田薬品工業社が5件となっています。また、同審議会において、ご指摘のありました第一三共社から報告された11歳男性の副反応疑い症例は、文献の情報に基づき、自社製品が使用された疑いのある症例として、報告されたものです。この報告は、同審議会開催時点においては、情報が十分ではなかったことから、同社における追加調査を踏まえ、次回の審議会において最新情報を公表することとしています。
- 記者:
- まず1点目の2,283件ですけれども、アストラゼネカ社の1名が抜けていますけれども、もし見解があればお伺いしたいです。もう1点、11歳の男の子の事例は、大臣はそうおっしゃいますが、私が現に調べて、厚生労働省が出している4月14日の時点で誤りであるということが分かるわけでございますけれども、この審議会で11歳の男の子の事例が初めて登場したということであれば、それに触れるべきものだと思いますが、一切この審議会で11歳の男の子の事例に全く委員の誰も触れていませんでした。かつ、指摘は間違いだと思っておりますが、2ヶ月以上分かっていない状況ですけれども、この審議会、重大な懸案はないと、いつも大臣が根拠にされている審議会です。この審議会は大丈夫でしょうか。
- 大臣:
- まず、1点目については、アストラゼネカ社のワクチンについては、ウイルスベクターワクチンでありまして、他のワクチンとは製法や有効成分の種類が異なることを踏まえ、この集計の中に入っていないということです。また、審議会においては、その時点で分かったことについて報告されていると承知しており、その議論のあり方については、瑕疵があるとは思っておりません。その中で分かったことについて、また次回の審議会において公表されるものだと承知しています。
- 記者:
- 確認ですけれども、現時点でファイザーを打った男の子だと厚生労働省としては認識していない、ということでよろしいですか。
- 大臣:
- その認識を踏まえて、次回の審議会において、最新情報が公表されるということです。
- 記者:
- その認識というのが分からないのですが、ファイザーを打った子なのか、第一三共を打った子なのか、現時点ではどちらなのですか。
- 大臣:
- 個別の事例については、逐一申し上げておりませんので、確認の上、改めてこの審議会において報告するということでございます。
- 記者:
- 2ヶ月以上経っています。ファイザーですよ。確認してください。
- 記者:
- 骨太の方針で示された、OTC類似薬の保険外しについてお伺いします。「25年年末までに検討し、早期に実現可能なものは2026年から実行する」とされましたが、薬の保険給付範囲の見直しは、国民の命・健康に係る重大な事項ですので、法改正を伴わずに保険給付範囲の見直しを実行できるのかということ、それから、骨太方針に、「子供や慢性疾患を抱えている方、低所得の方の患者負担には配慮」とされましたが、こういう方には保険適用は除外されないと理解してよいのかという点、それから、保険適用除外になると難病患者や子供の医療費助成制度も適用されず全額自費になるという理解でよろしいのでしょうか。
- 大臣:
- いわゆるOTC類似薬の保険給付の在り方の見直しについては、先週末に閣議決定された骨太の方針において、「2025年末までの予算編成過程で十分な検討を行い、早期に実現が可能なものについて、2026年度から実行する。」こととされたところです。ただし、現時点においては、具体的な方向性は決まっておらず、また、骨太の方針でも、「医療機関における必要な受診を確保し、子供や慢性疾患を抱えている方、低所得の方の患者負担などに配慮」するとされており、この場で具体的なコメントを申し上げることは差し控えさせていただきますが、医療の質やアクセスの確保、患者さんの利便性に配慮しながら、医療保険制度の持続可能性の確保を目指すことを基本としながら、議論を進めてまいりたいと考えています。
(了)