福岡大臣会見概要
(令和7年4月18日(金)9:29~9:38 院内大臣室前)
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 私からは特にございません。
質疑
- 記者:
- 年金制度改革関連法案を巡り、積立金などを活用して基礎年金を底上げする策について、法案に盛り込まない方針を示されましたが、その受け止めを伺います。
- 大臣:
- 基礎年金のマクロ経済スライドの早期終了については、経済が好調に推移しない場合の備えとして、5年後の次期財政検証において発動の可否を判断することとして提案していたものです。その後、与党と法案について議論を行う中で、積極的な意見があると同時に、現在も、厚生年金の積立金を活用することなどについて慎重な意見も強くあります。一方、国会からは年金改正法案の早期提出の強いお求めがある中で、一定の決断を迫られており、基礎年金の底上げ措置の具体的な仕組みは法案に規定せず、今後の社会経済情勢を見極めて、改めて検討することとしたものです。その上で、将来の年金給付水準の充実につながる被用者保険の適用拡大などは、引き続き盛り込むことを検討しており、厚生労働省としては、各方面のご理解を得て、できる限り早期に法案を提出するべく、引き続き努力を重ねていきたいと考えています。
- 記者:
- 看護師不足について伺います。厚生労働省の推計では、2025年に看護職員が最大27万人不足すると示されていましたが、現状足りないという声が医療の現場から上がっています。現状の受け止めと今後どのように手を打っていこうと考えているかお聞かせください。また、全国で看護師が賃上げと人員増を求めてストライキを行っています。診療報酬の改定があっても現実的に賃金が上がっていない病院があることについて、厚生労働省としてはどのように考えていますか。
- 大臣:
- 看護職員については、昨年の合格者数が7.7万人であり、就業者数は増加傾向にあるが、看護職員の令和5年の有効求人倍率は2.05倍であるなど、医療現場には、大変不足感もあるものと承知しております。このため、看護師等養成所や病院内保育所の運営に関しての財政支援や、都道府県ナースセンターによる看護職の無料職業紹介等の看護師の新規養成、復職支援、定着促進といった取組に加え、2040年頃を見据えた地域医療構想を進めていく中で、質の高い医療提供体制の確保に向けて、医療資源の有効な活用について進めていきたいと考えています。また、看護師など医療分野の賃金については、上昇傾向にあるものの、産業全体の平均に比べて伸びが小さく、人材確保の観点からも着実な賃上げを推進していくことが重要と考えております。こうした中で、令和6年度報酬改定での対応に加え、令和6年度補正予算において、更なる賃上げに向けた生産性向上・職場環境改善等の支援を講じてきたところであり、まずは必要な支援が現場に行き届くよう取り組みながら、着実な賃上げにつなげていきたいと考えています。その上で、これから現場に行き届く補正予算の効果や物価等の動向、経営状況など、足下の情勢変化や現場からのご意見もしっかりと把握した上で、必要な対応について検討していきたいと考えています。
- 記者:
- 来週21~23日に、靖国神社で春季例大祭が開催されます。期間中に参拝する予定や、真榊などの供物を奉納するご意向があるかお聞かせください。
- 大臣:
- 例大祭に参拝するか、真榊を奉納するか否かについては、個人として適切に判断したいと思います。
- 記者:
- 年金ついて2点お伺いさせてください。基礎年金底上げ案の骨格部分が削除されたことで、就職氷河期世代の低年金化を防ぐ改革は先送りになったという指摘が与党内からもありますが、大臣ご自身が改革を先送りではないとお考えになるかどうか、その理由も含めてお伺いさせてください。もう一点、こうした修正を含めた法案を今国会に提出する意向があるかお伺いさせてください。
- 大臣:
- 御指摘の就職氷河期世代の方が年金を受け取られるのは2030年代半ば以降であることを念頭におきながら、2029年に予定されている財政検証を踏まえ、今後の社会経済状況を見極めた上で検討していくことが大変重要と考えております。その上で、今回の法案では、将来の年金給付水準の充実につながる被用者保険の適用拡大などは、引き続き盛り込むことを検討しております。厚生労働省としては、各方面のご理解を得て、できる限り早く国会に提出できるよう、引き続き努力を重ねていきたいと考えています。
- 記者:
- 17日の大阪高裁での石綿関連訴訟の判決で、国に賠償命令が下りました。今後の対応についてお伺いさせてください。
- 大臣:
- 今回の判決については、石綿肺の罹患にかかる損害賠償請求の除斥期間の起算点は、じん肺管理区分の決定を受けた時と解するのが相当であるとされ、除斥期間の起算点をじん肺管理区分に相当する病態を発症したときであるとする国の主張が認められなかったものであると認識しています。現在、判決内容を精査しているところであり、今後、関係省庁と協議しながら対応を検討していきたいと考えています。
- 記者:
- 医療機器メーカーの「ニューベイシブジャパン」の営業担当者たちが、大学病院などでの手術に立ち会い、資格を持たずにその装置の操作をしていたと、朝日新聞が報じました。ニューベイシブ側はこの件について厚生労働省に報告をしたと説明しています。この件について、いつ、どのような内容の報告書を受けたのかお聞かせください。
- 大臣:
- 報道については承知していますが、個別の事案についてのコメントは差し控えさせていただきます。その上で、一般論として、医療機関における放射線の照射に関しては、法律の規定により、医師、歯科医師または診療放射線技師でない者が人体に対して放射線を照射することを禁止しているため、仮に無資格の方がこれを行っていた場合については、法令違反となり、刑事罰の対象となるものであると認識しています。医療現場において、医療機器が適切に使用されることは大変重要だと考えており、引き続き都道府県等とも連携しながら、必要に応じて情報収集を行うなど、適切に連携を図っていきたいと考えています。
- 記者:
- 法律違反とありますが、今回、放射線の照射時間が長時間となる整形外科手術での事案ということですが、この点について病院あるいは医師側の問題について、特に医療現場の安全という観点から何かお考えがあれば、お聞かせください。
- 大臣:
- 医療現場の安全を図っていくことは大切であり、法律の規定に定められている資格を有した者が対応することが必要だと思います。ご指摘の事例については、しっかりとその内容について精査してまいりたいと思います。
- 記者:
- 調査についても検討されているのでしょうか。
- 大臣:
- 「調査」というのがどのようなものを指しているのかがわかりませんが、引き続きどういったことが行われていたのか、実態の把握に努めてまいりたいと思います。
(了)