福岡大臣会見概要
(令和7年3月11日(火)9:29~9:34 院内大臣室前)
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 本日、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。この法案は、多様な労働者の方々がその能力を十分に発揮して活躍できる就業環境を整備するため、ハラスメント対策の強化、女性活躍の推進、治療と仕事の両立支援の推進等の措置を講ずるものです。今後、本国会において速やかにご審議をいただくよう、お願いしたいと考えております。私からは以上です。
質疑
- 記者:
- 総理が「今年秋までに」と説明した高額療養費制度の見直しについて、患者団体からは再検討の期間の短さに戸惑いの声も出ています。見直しが受療行動に与える影響などに関する基本的なデータを揃えた上で議論を進めるべきだという指摘もありますが、秋までにそうしたデータを揃え、患者団体の納得も得られるような検討が実際可能なのかどうか、大臣のご見解をお願いします。
- 大臣:
- 高額療養費の見直しについては、検討プロセスに丁寧さを欠いたという患者団体の方々からのご指摘を重く受け止め、本年8月の定率改定を含めて、見直し全体について実施を見合わせることとしました。総理から申し上げた通り、本年秋までに改めて方針を検討し、決定したいと考えています。これまでも、審議会において様々なデータに基づきご議論いただいてまいりましたが、今後、議論を行うにあたっては、さらにどのようなデータが必要か、ご意見も伺いながら進めていきたいと考えています。いずれにせよ、高額療養費が医療費全体の倍のスピードで伸びている中で、将来にわたって制度を守っていくためにも、患者団体を含む関係者のご意見もよく承りながら、増大する高額療養費を能力に応じて分かち合う方策について検討を進めていきたいと考えています。
- 記者:
- 年金制度改革関連法案について伺います。昨日、自民・公明両党の幹部が会談し、今後、立憲民主党など、野党に協議を呼びかけていくことを確認しました。こちらに対する受け止めと、厚労省として今後、今国会に法案を提出する考えに変わりないか、また、どのように調整を進めていくか、あわせてご見解をお伺いします。
- 大臣:
- 次期年金制度改正については、様々なご意見や様々な動きがあることについては承知していますが、5年に1度行われる財政検証の結果を踏まえ、被用者保険の適用拡大など働き方に中立的な制度の構築や高齢期の所得保障・再分配機能の強化といった観点から、今国会への法案提出に向けて検討及び調整を進めている最中です。政府として法案を提出するに当たっては、各方面に幅広くご理解をいただく必要があると考えており、引き続き丁寧な説明と努力を重ねてまいりたいと考えています。
- 記者:
- 協議を野党に呼び掛けていくことに対する受け止めはいかがでしょうか。
- 大臣:
- 関係各位のご理解を得ていく中で、それぞれの政党、そういったところがどういった形で進めていくのがよいかということをご検討いただいているものであり、私の方から特にコメントするものではございません。
- 記者:
- 高額療養費についてあわせてお伺いします。昨年末に決定された当初案から、多数回該当の見直しや来年度の制度見直し、そして今年8月の引き上げを見送るということで、3度の修正がなされました。政府方針が二転三転し、予算案の再修正の可能性も考えられます。このこと自体について、所管の大臣として受け止めをお伺いします。
- 大臣:
- 今回の高額療養費の見直しについては、国会の場や患者団体の皆様方から、検討プロセスに丁寧さを欠いたとのご指摘をいただいたところです。こうしたご指摘を重く受け止め、見直し全体について実施を見合わせることとしたものです。他方、保険者団体からは、制度の持続可能性や保険料負担に対する不安の声をいただいており、こうした声にも応える必要があると考えています。いずれにしても、高額療養費制度の持続可能性を確保しながら、患者の皆様の経済的な負担が過度なものとならないようにすることが重要だと考えており、高額療養費制度が患者の皆様にとって大変大切な制度であるからこそ、患者団体の方々をはじめ関係各位のご意見もよくお聞きした上で、持続可能な制度にすべく、社会保障審議会において検討を深めていきたいと考えています。
(了)