福岡大臣会見概要
(令和7年2月18日(火)9:27~9:33 院内大臣室前)
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 私からは特にございません。
質疑
- 記者:
- 高額療養費制度の見直し議論について、負担上限額の引き上げ凍結を求める声が野党から強く出ていますが、今後はどのように野党に理解を求めていくかなど、検討の見通しについてお聞かせください。
- 大臣:
- 患者団体の皆様からの声も踏まえ、高額療養費に年に4回以上該当する方の自己負担額の見直しを凍結し、据え置くこととしました。これによって、現に長期間治療が続き、先が見えない中で経済的な不安を感じていらっしゃる方にとっての負担は変わらないこととなります。他方、高齢化の進展や高額薬剤の普及により、高額療養費の総額が医療費全体の倍のペースで伸びている中で、重要なセーフティネット機能である高額療養費制度を将来にわたって維持していく必要がある上、保険料負担に対する不安の声も切実であり、その払拭も喫緊の課題であると考えています。制度の持続可能性を高めながら、保険料負担の軽減にも取り組む必要がある中で、今回、患者の方々のお声を真摯に受け止め、長期にわたって治療を継続される方々に最大限寄り添った解決策をまとめさせていただいたと考えています。ご理解をいただけるよう、今回の見直しの趣旨や内容について、国会の場も含め、引き続き丁寧な説明に努めてまいりたいと考えています。
- 記者:
- 高額療養費の関係でお尋ねします。昨日の委員会で、最初に医療保険部会で示された上げ幅と結果的に出てきた上げ幅に、かなり大きな乖離があるとの指摘があったと思います。それを踏まえて言えば、そもそも「部会の了承を経た」という説明の前提が揺らいでくる可能性もあるのかと思いますが、大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
- 大臣:
- 今回の高額療養費の見直しについては、前回、約10年前の見直しからの社会・経済状況の変化に応じて引き上げを行う部分と、所得区分を細分化することに伴い、従来の区分のうち、より所得が高い層に対する引き上げの2つの要素があると考えています。昨日の予算委員会で政府参考人から申し上げた趣旨は、12月5日の医療保険部会において、所得区分の細分化に伴う自己負担限度額の引き上げを行った上で、自己負担限度額を5%から15%の一律の率で機械的に引き上げた場合の試算結果をお示ししていますが、これはあくまでも機械的な試算であり、具体的な見直し案の数字をお示ししているものではないという趣旨で申し上げたものです。そのため、ご指摘については、機械的な試算結果で用いた単純な率、単純な割合と、所得区分を細分化した結果としての個々の所得層ごとの引き上げ率の比較であるため、当然ながら両者の数字は異なってくるものです。いずれにしても、医療保険部会において、5%から15%の一律の率による引き上げに加えて、所得区分の細分化による引き上げがあることについて、事務局から説明を行うとともに、関連資料でもお示ししているところであり、それを踏まえてご議論いただいたものです。
- 記者:
- 議論の前提となる部分に特に問題はなかったという理解でよろしいでしょうか。
- 大臣:
- 今申し上げましたように、全体の率、全体の割合の変更と、その中の所得区分の細分化の中での引き上げのものというものは、それぞれ分けて、それぞれについてしっかり説明がなされているものと承知しています。
- 記者:
- 米国の商工会議所から、日本の在ワシントン大使館に対して、日本の医薬品政策に関して抗議の書簡が送られた件について、政府の対応で何かアップデートがあればお聞かせください。
- 大臣:
- 前回「確認します」と申し上げておりましたが、ご指摘の在米日本大使館宛ての書簡については、厚生労働省としても認識しています。令和7年度薬価改定においては、保険料負担の軽減と、創薬イノベーションの推進や医薬品の安定供給の要請に応えるために、メリハリの効いた対応を行うこととしています。また、令和6年度補正予算では、スタートアップや製薬企業等が相互に協力して創薬に取り組む、創薬エコシステムの発展に向け、創薬のインフラの強化等に必要な予算を計上したところです。わが国においては、安全性・有効性等が確認され、必要かつ適切と認められる医薬品等を保険給付の対象とした上で、その中でも市場規模が大きい、または単価の高い医薬品については、費用対効果を適切に評価し、その結果に応じて価格を調整しています。費用対効果評価については、骨太の方針2024においても、「イノベーションの推進や現役世代等の保険料負担に配慮する観点から、更なる活用の在り方について、医薬品の革新性の適切な評価も含め、検討する」とされており、具体的な内容については、今後、関係業界等からご意見を伺いながら、中央社会保険医療協議会において協議してまいりたいと考えています。 引き続き、薬価制度改革が医薬品開発に与える影響を検証しながら、国民に革新的な医薬品が提供できるよう、創薬イノベーションの推進を図ってまいりたいと考えています。
(了)