福岡大臣会見概要

(令和7年2月14日(金)17:40~17:48 中央合同庁舎5号館1階タリーズ前)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:
 先ほど、患者団体の皆様方とお会いし、多数回該当の見直しを凍結し、据え置くことをお伝えしました。これにより、現在、毎月治療を受けておられる方や、長期処方で90日分の薬を受け、多数回該当の対象になっている方の経済的負担については変わらないことになります。今回の高額療養費の見直しについては、高齢化の進展や高額薬剤の普及等により、高額療養費の総額が医療費全体の倍のペースで伸びている中で、日本が誇るべき大切なセーフティネットである高額療養費制度を将来にわたって堅持していくためにも必要だと感じています。仮に、今回の高額療養費の見直しを全て行わないこととした場合、現役世代であれば年間3,000円から4,200円の保険料の負担増に対応しないということになりますが、保険料負担に対する不安の声も切実であり、その払拭も課題だと感じています。一方で、私自身、一昨日もそうですし、本日もお会いした中で、患者の皆様方からは、特に長期にわたって療養を続けられている方々が、今回の見直しに対して大変不安を感じていらっしゃることは事実であり、そうした方々の思いに最大限寄り添う必要があると判断いたしました。そこで、冒頭申し上げた通り、年に4回以上高額療養費の上限を超えてお使いになっている方々については、追加的な金銭面での負担が生じないようにしました。今回、患者の皆様方のお声を真摯に受け止めた上で、長期にわたって治療を継続される方々に最大限寄り添った解決策をまとめたものと考えており、できる限りご理解をいただけるよう、今回の見直しの趣旨や内容について説明に努めてまいりたいと感じています。私からは以上です。

質疑

記者:
確認で2点、事実関係を伺います。多数回該当の凍結というのは、つまり全体の引き上げは当初の予定通り行いますが、多数回該当の部分については全ての所得区分で現行の価格を維持するということでよろしいでしょうか。
大臣:
そういうことです。
記者:
今日示されたのは、政府与党として調整された案ということでよろしいでしょうか。
大臣:
政府として、こういった形でいきたいということです。今後予算修正等伴うことについては、与党ともご相談しながら進めていきたいと存じます。
記者:
受け止めについて伺います。これまで患者団体側は、全体の一旦の凍結を求めるということもあったと思いますが、今回そういった中で、多数回該当の凍結というところに至った判断の理由について、改めて伺えますか。
大臣:
従来から、このセーフティネットを持続可能なものにするために、また、現役世代の方々の保険料負担が重くなっているという現状を考えると、改革をするということの必要性については、私自身も訴えてまいりました。ただ、かなり長期にわたって治療を継続されている方々については、月々の上限があっても、長期にわたっての負担感というものがかなり家計に与える影響が大きいというようなことも踏まえて、そういったことも特に患者団体の皆様方からも切実な声として承ってきたところです。そうした中で、過去12か月の中で4回以上、多数回該当になる方々については、そういった長期に渡る様々な負担感を鑑みた上で、そこについては引き上げを行わない、凍結するというような判断をするに至ったということです。
記者:
今、経緯についてお伺いしましたが、色々なご要望や思いがある中で、今回こういった判断を行った、案として、大臣の今のお気持ち、どのように感じられているかというところを一言伺えますか。
大臣:
私自身は、高額療養費制度は日本が誇るべきセーフティネットだと思っています。そのため、今、病で苦しんでいらっしゃる方だけでなく、将来、病を発症し、苦しまれる方々も、このセーフティネットを将来にわたって受け続けることができる環境を維持していかなければならないという思いを強く持っています。その中で、やはり制度の持続可能性、また保険料負担がかなり大きくなっている中で、今回ギリギリの判断として、こうした判断に至らせていただいたということです。
記者:
予算修正について伺います。今回、据え置くことになった場合、予算修正が必要なのかどうか、また必要な場合は予算修正の規模感はどれくらいなのか教えてください。
大臣:
予算修正は必要だと思います。その規模感については、また改めて事務方からご説明します。
記者:
これまで患者団体や野党からも、年末までの審議のプロセスの中で当事者の声を直接聞かなかったという批判も出ています。実際にこうして見直しを修正する案を出したということ、結論を受けて、大臣として、これまで年末までの審議が適切だったと言えるのか、お考えをお聞かせください。
大臣:
私どもとしては、前回の見直しのときと比べても、丁寧なプロセスを経て今回の結論に至ったという思いを持っています。ただ、その後の様々な議論の中で、もっとこうすべきではなかったかという提言を数多くいただいたところですので、それは今後の議論に当たって、どういった形で議論を進めるのがいいのかということは、今回のことを踏まえ、どういった形がいいのかも含めて、検討を進めていきたいと思います。
記者:
もちろん総理とは事前に相談した上でそうなったかと思いますが、総理からは、例えばこの案についてどのようなお考え、何か言及があったか聞かせてください。
大臣:
総理には、一昨日、患者団体の皆様方からも様々なご意見をいただいたことも踏まえ、様々な、いただいた声については逐次ご報告させていただいております。その中で、総理からは、とにかく丁寧に声を聞くようにというようなご指示をいただいてきたところです。今回、私なりに丁寧に聞かせていただいた中で、先ほども申しましたように、制度の持続可能性と、現場で苦しんでいらっしゃる方の負担感、そこの折り合いをどうつけるかということの中で、今回の判断に至ったということです。
記者:
本日、厚生労働省として意見を出されて、患者団体側はどのような反応でしたか。
大臣:
今回の決断に対して一定の評価はしていただいたと思っていますが、様々な方々の声を受け止めた上で自分たちとしては全てを凍結するということを求めるということには変わりはないというようなお声があったということです。

(了)