福岡大臣会見概要
(令和7年2月12日(水)9:24~9:33 院内大臣室前)
広報室
会見の詳細
閣議等について
- 大臣:
- 私からまず2点申し上げます。本日、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。この法律案は、医薬品等の品質及び安全性の確保の強化、医療用医薬品等の安定供給体制の強化、より活発な創薬が行われる環境の整備、国民への医薬品の適正な提供のための薬局機能の強化等の措置を講ずるものです。今後、本国会において、速やかにご審議をいただくようにお願いしたいと考えています。
- 続きまして、高額療養費に関する件です。高額療養費の見直しについては、先日来、患者団体の皆様方のご意見を、事務方を通じてお伺いしてきたところですが、本日14時30分から、私自身、患者団体の皆様の声を直接お伺いしたいと考えています。今般の高額療養費制度の見直しに対する、がん患者様などの当事者の方々からの声と、高額療養費という大変重要なセーフティネット機能を将来にわたって堅持するという課題の両方を満たすことのできる解を見いだすべく、引き続き、検討を重ねていきたいと考えています。私からは以上です。
質疑
- 記者:
- 高額療養制度の見直しを巡り、福岡大臣は本日、制度を利用するがん患者の方々と面会されるとのことですが、改めて面会を通じた目的等について教えて下さい。
- 大臣:
- 高額療養費の見直しについては、この会見の場や国会の場においても申し上げてきたとおりですが、制度を利用されている当事者の方々の声を受け止めて、向き合うことが大変重要であると考えています。先日来、事務方を通じて全国がん患者団体連合会をはじめとする患者団体の皆様のご意見を承った上で、私自身も当事者の皆様からのご意見を直接伺い、高額療養費という大変重要なセーフティネット機能を将来にわたって堅持しながら、当事者の不安の声に配慮した解決策を見いだすべく、引き続き、努力を重ねたいと考えています。
- 記者:
- 東京都が先月、無痛分娩への補助制度を10月から開始する旨を発表しましたが、今後、国としては無痛分娩の支援についてどう取り組んでいくお考えでしょうか。
- 大臣:
- 無痛分娩については、地域の実情に応じて、安全な実施体制を確保することが大変重要だと考えています。厚生労働省においては、関係団体の方々とも連携しながら、無痛分娩を実施する医療機関の情報を広く公開するとともに、麻酔を実施するお医者さんの確保などの取組を進めているところです。また、費用助成については、2023年4月から出産育児一時金の支給額を42万円から50万円に大幅に引き上げたところであり、出産に伴う妊婦の方々の経済的負担の軽減を図ってきたところです。さらに、現在、出産費用の保険適用の導入を含む、出産に関する支援等の更なる強化については、2026年度を目途に、有識者による検討会において、今、議論を行っていただいているところです。引き続き、無痛分娩について、安全に実施するための取組を進めるとともに、妊婦の方々に対してどのような支援の強化ができるか、検討していきたいと考えています。
- 記者:
- 訪問看護の不正問題について伺います。パーキンソン病専門の有料老人ホームを運営する「サンウェルズ」の調査委員会が報告書を発表し、入居者への訪問看護で不正や過剰な診療報酬の請求がほぼ全てのホームで行われていたと認定しました。不正分だけでも約28億円に上ると試算しています。これに関する受け止めと、報酬返還を求めるかどうか、厚労省としての今後の対応を伺います。また、こうした不正を許した要因として、厚生局の指導監査や診療報酬のチェック態勢が追いついていないという課題があると考えられます。この点への対策も併せて伺います。
- 大臣:
- ご指摘の法人が運営する訪問看護ステーションの訪問看護療養費の請求等に関して、当該法人が設置した特別調査委員会による調査結果報告書が公表されたことについては承知しています。その上で、個別の訪問看護ステーションの今後の対応については、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。訪問看護ステーションに関する指導・監査については、地方厚生局において、限られた人員や体制の中で効率的な指導を実施してきているところですが、一般論として申し上げると、医療保険の不正請求の疑いがある場合には、健康保険法に基づいて地方厚生局において必要な指導監査を行い、不正請求が確認された場合には厳正に対処することとしているところです。
- 記者:
- 高額療養費の関係で2点お尋ねします。高官が多数回該当の方を修正するというような報じ方などもありますが、現在の見直し状況についてご説明をするということを想定されているのかということが1点と、もう1点は、仮に部分修正があっても、そもそも、決め方が拙速だというところと、内容もかなり厳しいというところで、一旦凍結ということを団体は求めていますが、どういったように理解や話し合いをしていくか、お考えを教えてください。
- 大臣:
- まず、様々な報道がなされていることは承知していますが、私どもとして、最終的にこういった方向でいきたいという案が固まっているわけではありません。今まで事務方においても話を聞かせていただいたところですが、本日、私も直接、患者団体様から生の声を伺いながら、その切実な思いを受け止めさせていただきたいと思います。その上で、この段階でどういった方向に持っていきたいということがあるわけではないので、しっかりそういった声も踏まえて、対応を考えていきたいと思います。
- 記者:
- 薬機法の改正案について伺います。今回の改正案で、革新的な新薬の実用化を支援するための基金を設置するとありますが、創薬に関連して、新たな基金を創設する狙いや意義について、大臣のお考えをお願いします。
- 大臣:
- 今般、法案に盛り込んだ「革新的医薬品等実用化支援基金」については、官民連携して、「継続的に創薬スタートアップから革新的新薬を生み出す創薬基盤・インフラ」の強化を目指すものです。この基金により、創薬のスタートアップへの支援を行う「創薬クラスターキャンパス整備事業者」等に対して、機器・施設整備や、その事業化支援への補助を行うことを想定しています。こうした創薬スタートアップへの支援の強化、創薬エコシステムの構築の重要性は、産業界にも共有いただいているものと認識しています。法案が成立した場合には、この基金も活用しながら、官民連携した創薬基盤の強化に取り組んでいきたいと考えています。
- 記者:
- 米国の商工会議所など、米国本国の経済団体や業界団体から、日本の医薬品政策について、在ワシントンの日本大使館に対して抗議するケースが複数ありました。これについての受け止めと、政府としての対応方針を教えてください。
- 大臣:
- ご指摘のあった、米国の経済団体から在米日本大使館への書簡等がなされたということについては、現時点において、その内容を厚労省として十分精査できていないために、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。そこは十分精査できた段階で再度お問い合わせいただければと思います。
- 記者:
- 予算に関連しているということで、先ほど、これから聞いて考え方をまとめたいという趣旨のお話しをされたと思いますが、かなり時間は制約されていると思いますが、スケジュール感として、大臣はどのようにまとめていきたいと考えていらっしゃいますでしょうか。
- 大臣:
- 今、国会開会中であり、また先方もあり、限られた時間的制約がありますが、一両日中にどういう形を出すかということではなく、しっかりと様々な声を受け取りながら方向性を見出すということであり、その中で、限られた時間を有効に使いながら、なるべく早く結論を導き出していきたいと考えています。
(了)