福岡大臣会見概要
(令和6年12月24日(火)9:46~9:58 省内会見室)
広報室
会見の詳細
閣議等について
大臣:
- 私からは特にございません。
質疑
- 記者:
- 年金制度改革について伺います。本日の年金部会で、制度改革の取りまとめの議論が行われます。これに先立ち、先週18日に開かれた自民党の年金委員会では改革に向けた提言がなされました。提言では、基礎年金の給付水準底上げに関して、「マクロ経済スライドの調整期間の早期終了は、経済が好調に推移しないリスクシナリオが実現する場合に発動されうる備えとして位置付けられるべき」と明記されています。厚労省として提言の受け止めと、制度改革にどのように反映させるお考えか、改革の意義も踏まえてお聞かせください。
- 大臣:
- 本年7月の財政検証においては、特に経済が低位成長で推移する場合、基礎年金の給付調整が長期にわたり継続する見通しが示され、これは将来において、厚生年金受給者を含めた年金の給付水準が低下し、特に年金額の低い方ほどその影響が大きくなることから、そうした経済前提も念頭に、基礎年金のマクロ経済スライドをできる限り早期に終了させるための方策について、議論を進めさせていただいたところです。ご指摘のような自民党の提言があったことも承知していますが、本日午後に開催される年金部会においては、部会としてのこれまでの議論の整理をお示ししたいと考えています。引き続き、高齢期の所得保障や年金制度の所得再分配機能の強化といった観点から検討を進め、次期年金改革の方向性を取りまとめられるよう、丁寧に検討してまいりたいと存じます。
- 記者:
- 電子処方箋のトラブルについてお伺いします。発行の再開は明日25日からとの予定に変更はありませんでしょうか。また、先週公表された7件以外に新たなトラブルは把握されているか、今回のトラブルや発行停止について医療機関や薬局からどのような声が寄せられているかについても併せてお願いします。
- 大臣:
- 医師の意図と異なる医薬品の処方を防ぐための対応として、先週20日から本日24日までの間、医療機関、薬局、そしてシステムベンダー間で点検を行うこととしています。その間、電子処方箋の発行を停止することとしました。現在、回答をまだいただけていない医療機関等に対して個別に確認の作業を行っているところですが、こういった結果を踏まえて、再開の判断をしたいと考えています。これまでの点検において、誤表示については、新たな報告は現時点で把握していません。医療機関、薬局、システムベンダーからは、点検の重要性は理解するといった声があった一方で、急な点検に戸惑ったなど、様々なお声をいただいているところです。1件1件丁寧に伺いながら、検討を進めてまいりたいと存じます。
- 記者:
- 電子処方箋の誤表示ついて、モデル事業・中間報告では準備、運用段階で10点の課題が指摘されていたかと思います。これらの課題を解決せずに見切り発車したかたちで、今回の誤処方に発展しかねない重大なトラブルを招いたのではないかと考えていますが、ご認識、ご見解をお願いします。また、今回の7件も、1年半前に発生したものもあると聞いていますが、なぜすぐ公表しなかったのかについてもお伺いします。
- 大臣:
- ご指摘のモデル事業の報告書において、用法コードに係る指摘があったことは事実です。これについては、電子処方箋の運用開始時に、すでに対応を済ませています。今回の事案については、用法コードでなく医薬品名のコードに関する事案であり、今回は健康被害が発生しうる重大なものとして受け止め、今般の事案の発生を踏まえ、国民の皆様に必要な医薬品を確実にお届けするよう、今、万全を期したいと考えています。今般の事案については、本年10月25日、11月11日に連続して事案を把握したことを受けて、専門家を交えて原因の特定、12月10日の医療機関・薬局に対する注意喚起を、そして12月13及び17日の関係団体からのダミーコードの一時的な使用停止の要請といった経緯を経て、今般の公表、対応に至ったものです。把握されている7件のうち2023年6月に発生した事案については、当時個別事案と認識して対応され、対応済みの事案として厚生労働省の担当者まで報告されていたものについて、先ほど申し上げた本年10月以降の経緯の中で、改めて認識されたものです。
- 記者:
- 保険証の新規発行停止についてお伺いします。12月2日から保険証が使えなくなるとの誤解が、医療現場にも多く寄せられています。保険証が使えなくなるのかなどの問い合わせが、政府のマイナンバー総合フリーダイヤル等にどれくらいの件数、割合で寄せられているかお伺いします。
- 大臣:
- マイナ保険証を基本とする仕組みに移行することで、これまで、マイナ保険証の利用促進に関する周知広報とあわせて、円滑な移行を図る観点から、最長1年間、現行の保険証が使用可能であることや、マイナ保険証をお持ちでない方には、申請によらず、資格確認書が交付されることなどについては、重ねて周知してきたところです。こうした中で、12月2日から22日までに、国民向けのコールセンターに寄せられた、「12月2日以降、紙の保険証が使えなくなるのか」といった問い合わせの件数は2,670件であり、保険証利用全体に関する問い合わせ全体の約1割を占めているところです。マイナ保険証を基本とする仕組みへの移行に際して、国民の皆様の不安に迅速かつ丁寧に対応すべく、今後も、国民の皆様や医療機関等に対して丁寧に周知していきたいと考えています。
- 記者:
- 長崎大学が稼働を目指すBSL-4施設にかかるパブリックコメントについてお尋ねします。長崎大学を特定一種病原体等保持者として指定する政令案についての意見募集、パブリックコメントが12月14日まで行われていたと思います。このパブコメに寄せられた意見総数と賛否の割合についてお教えください。併せて、寄せられた意見の扱いと、同施設の指定に関する判断についてのスケジュール感についてお教えください。
- 大臣:
- ご指摘の「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行令の一部を改正する政令案に関するご意見の募集について」は、本年12月14日付けで受付を締め切り、現在、その内容を精査しているところです。このため、現時点で、いただいた意見の具体的な内容や、今後の予定などについてのお答えは差し控えさせていただきたいと思います。なお、本件については、これまで専門家による確認も含めて検討を進めてきたところであり、いただいたご意見の精査が終了次第、行政手続法に則り、適切に対応を進めてまいりたいと考えています。
- 記者:
- スケジュール感はどのようになっているのでしょうか。例えばこの取りまとめはいつ頃めど、閣議決定はいつ頃、大臣による指定はいつ頃、ということは定まっているのでしょうか。
- 大臣:
- 今、いただいたご意見を精査している最中ですので、いつまでに、という時期については予断をもってお答えすることは差し控えさせていただきたいということを申し上げたところです。なお、色々な手続き、作業が済み次第、適切に対応、公表していきたいと考えています。
- 記者:
- コロナワクチンの健康被害予算について伺います。新型コロナウイルス予防接種健康被害給付負担金ですが、令和6年度の当初予算が3億6千万円でした。ところが今回の補正予算によって、180億もの増額がされています。実は、当初予算が承認される前の、今年の3月1日の記者会見で、私は、コロナのワクチンの被害、死亡者などが非常に多いので、この当初予算では足りないのではないかという趣旨の質問をしましたが、当時の武見大臣は、「不足は生じません」と回答されていらっしゃいました。不足は生じないと見込んでいたにも関わらず、なぜ50倍もの予算の増額が必要になったのか、ご説明いただけますでしょうか。
- 大臣:
- 予防接種健康被害救済給付については、予防接種法に基づく給付であり、認定された場合は、確実に給付することが大切だと考えています。本年3月の武見前大臣の発言については、令和6年度当初予算の額について、令和5年度補正予算を一体として考え、必要な予算額を確保しているという旨で発言したものと承知しています。その後、令和6年度も進達受理件数が引き続き一定程度続いたことから、救済に必要な予算に不足が生じないよう、令和6年度補正予算において必要な額を計上したものであり、引き続き、迅速な救済と適切な制度運用に取り組んでまいりたいと考えています。
- 記者:
- 大臣、一定の申請があったとおっしゃっていますが、一定であれば予算が足りるはずです。50倍もの予算の増額というものは一定ではなく想定外であったと、コロナの健康被害はそれだけ大きなものになっているという理解が普通かと思いますが、大臣の見解はいかがでしょうか。
- 大臣:
- 令和5年の補正予算で約394億が措置されており、武見前大臣の発言としては、その394億と、今年の3.6億、そこでしっかり執行していくというお考えを示されたものです。その後、先ほども申しましたように、進達受理件数が引き続き一定数続いているものですので、前大臣がおっしゃった後の時点の受理件数等も踏まえ、今般180億を積ませていただいたということです。
- 記者:
- 失礼ですが、では私が正しくて、厚生労働省の見込みが違ったという認識でよろしいですか。
- 大臣:
- 正しい、正しくないではなく、当初と補正予算、これまで通り当初予算において予算を措置する、その後の進達具合によって、足らざる部分については補正予算で措置するということは、これまでも毎年やってきている話であり、今年度もその進達を踏まえ、このような措置を取らせていただいたということです。
(了)