福岡大臣会見概要

(令和6年10月29日(火)10:45~10:57 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
本日の閣議において「令和6年版自殺対策白書」を閣議決定しました。昨年の自殺者数は、総数が21,837名、小中高生の自殺者数が513名と、依然として深刻な状況が続いています。今年の白書では、特集として、こどもの自殺の状況について分析を行うとともに、「こどもの自殺対策緊急強化プラン」などに基づく政府の取組を紹介しています。引き続き、関係省庁と連携し、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指し、自殺総合対策を強力に進めてまいります。
もう1点、雇用統計です。令和6年9月の有効求人倍率は1.24倍と、前月より0.01ポイント上昇となりました。また、完全失業率は2.4%と、前月より0.1ポイント低下となりました。求人・求職の動向や労働力調査の結果をみますと、現在の雇用情勢は求人が底堅く推移しており、緩やかに持ち直しています。物価上昇等が雇用に与える影響に留意する必要があると考えています。私からは以上です。

質疑

記者:
27日開票の総選挙では、自公両党で過半数を割る結果となりました。今回の結果を受けて、厚労省で年末に、年金制度改革、そして医療介護の歳出見直し・処遇改善など、様々な議論が予定されていますが、こちらへの影響がどのようにあるとお考えか、また、そのような影響に対してどのように対応されるかお願いします。
大臣:
まず今回、大変厳しい審判を受けたと認識していますが、今回の選挙結果が厚生労働行政に与える影響については、予断を持ってお答えすることは差し控えたいと思います。また、厚生労働省としては、国民の安心・安全の確保に万全を期すべく、引き続き、ご指摘の点も含め、必要な改革の検討を進めていきたいと考えています。
記者:
今の質問にも関連しますが、衆院選で自公が過半数割れしたこと自体について、どのように受け止めていらっしゃるか教えてください。
大臣:
先ほど申し上げた通り厳しい結果だったと思っていますが、結果の内容そのものについてコメントすることは差し控えたいと思います。その上で、民主主義の根幹である選挙は国民のご意見を聴く貴重な機会であると考えており、今回の結果を謙虚かつ厳粛に受け止めながら、国民の安心・安全のために、引き続き厚生労働行政をしっかり前に進めていきたいと思います。
記者:
自殺対策白書の関連でお尋ねします。白書によると、2022年から23年の小中高生の自殺者計1,027人について、自殺未遂の経験を分析したところ、特に女子高生で自殺未遂経験者が36.9%と突出して高くなっています。こうした現状への見解と、自殺未遂歴のある方への自殺対策として、厚労省の取組をお聞かせいただけますでしょうか。
大臣:
ご指摘の通り、本年の白書において小中高生の自殺者における自殺未遂歴の分析を行ったところ、2022年及び2023年の自殺未遂歴がある方々の割合については、女子高校生が36.9%と最も高い状況でした。自殺者全体の傾向としても、男性に比べ女性は自殺未遂者の割合が約2倍となっているところです。これらの要因については、今後更なる分析が必要であると考えていますが、自殺を未然に防止するためには、自殺未遂者に対する支援の強化が重要であると考えています。具体的には、いのち支える自殺対策推進センターにおける自殺未遂者に関わる職種に向けた「自殺未遂者ケア研修」の開催、地域における自殺未遂者に対する支援や「こども・若者の自殺危機対応チーム」の設置に取り組む自治体に対する支援、さらには「自傷・自殺未遂レジストリ」におけるデータの蓄積及び分析により、更なる支援手法を探ること等により、自殺未遂者への支援を強化していきたいと考えています。
記者:
9月20日に立憲民主党が厚生労働部門・感染症対策ワーキングチームの合同会議を開き、厚生労働省からヒアリングを行ったかと思います。その際、ベトナムで行われたレプリコンワクチンの治験で、18人が亡くなっていることを厚生労働省が認めたということを川田龍平参議院議員がブログで紹介されています。この18人死亡の背景と、治験の概要について教えていただけないでしょうか。
大臣:
Meiji Seikaファルマ社のレプリコンワクチンであるコスタイベ筋注用については、我が国における承認にあたって、ベトナムで実施された16,000例を超える被験者を対象とした治験のデータが提出されています。提出されたデータによると、治験においてワクチン接種群及びプラセボ接種群の両群から死亡例が認められているところですが、いずれの死亡例についてもワクチン接種との因果関係は否定されています。本剤については、ベトナムでの治験に加えて、日本での複数の治験の結果を踏まえ、比較対象であるファイザー社の新型コロナワクチンと比べて、有害事象の種類や発現割合等に明確な差は認められておらず、その安全性及び有効性を確認した上で、薬事承認したものです。
記者:
この治験結果は公開予定はあるのでしょうか。
大臣:
ご指摘の死亡例も含め、すべてPMDAが作成し、ホームページで公表しております審査報告書に記載されています。
記者:
前回の記者会見が、大臣が「一度確認させてください」というところで終わりましたので、再度、新型コロナワクチンに関し質問させていただきます。2点お願いします。まず1点目、厚労省が「ワクチン接種が原因で多くの方が亡くなっている」のは誤情報と公表していたのは事実でしょうか。そして、現在もその見解は全く同じなのでしょうか。あるいは多少でも変更があるのでしょうか。2点目です。先週、10月25日の審議会で、新型コロナワクチンの死亡報告等の情報が更新されました。最新の死亡報告数や健康被害数の合計、累計の数を教えていただけますでしょうか。
大臣:
ご指摘の、前回もございました「注意が必要な誤情報」については、新型コロナワクチンの情報に関し、新型コロナウイルス感染症の特徴や、ワクチンの有効性や安全性について、世の中に誤解を与え、ミスリードする可能性がある情報を幅広く情報提供する観点から、「誤情報」として本年3月まで厚生労働省のホームページに掲載していたものです。新型コロナウイルスについては、今なお多くの方が命を落とす可能性が高い疾病であり、ワクチンの有効性や安全性に関し、科学的根拠や信頼できる情報源に基づいていないものについては、国民の皆様に広く注意喚起することは引き続き重要であると考えています。 また、もう1点の、10月25日に開催された審議会において、副反応疑い報告制度に基づく、新型コロナワクチン接種後の死亡の報告件数は2,261件との報告がありました。また、副反応疑い報告の総数は、医療機関からの報告が37,539件、製造販売業者からの報告が29,412件あり、これらには同一症例が重複して報告された例も含まれています。審議会においては、これらの報告も踏まえ審議がなされた結果、「ワクチンの安全性に係る新たな懸念は認められず、現時点において、ワクチン接種によるベネフィットが、リスクを上回る」とされたところです。引き続き、科学的知見の収集に努めるとともに、専門家にご評価いただき、ワクチンの安全性の評価を適切に行い、新たな知見が得られた場合には、速やかに医療機関等に情報提供するといった対応を行ってまいりたいと思います。
記者:
1点目について明確なお答えをいただきたいのですが、ワクチンが原因で多くの方が亡くなっているというのが、3月まで厚労省が公表していた「誤情報」であると、これを現在も見解ではまったく変わらないのか、あるいは多少でも変更があったのか、こちらの質問についてはいかがでしょうか。
大臣:
「誤情報」という言葉の解釈について、前回確か「デマ」という言葉を使われ、そういった思いはございませんとお答えしたと思います。今日お答えしましたように、「誤情報」というものは、ミスリードする可能性がある情報を幅広く情報提供するという観点から「誤情報」という言い方をしていたということであり、そうした意味においては、先ほども申しましたように、科学的根拠や信頼できる情報に基づいていないものについては、今後も幅広く注意喚起していく必要があると考えています。
記者:
明確に、3月までの見解が同じなのか、少しでも、多少でも変わったのか、それを伺っているのですが、いかがでしょうか。
大臣:
繰り返しになりますが、「誤情報」というものは、ミスリードする可能性がある、そうした情報について幅広く注意喚起するという観点でやらせていただいているという観点で言えば、その立場は今も変わらないということです。

(了)