武見大臣会見概要

(令和6年4月16日(火)9:41~9:48 院内大臣室前)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
 私からは特にございません。

質疑

記者:
世帯数の将来推計について伺います。国立社会保障・人口問題研究所が12日、2050年までの日本の世帯数の将来推計を公表しました。単身世帯が増え、1世帯あたりの平均人数は2033年に初めて2人を割り込み、特に1人暮らしの65歳以上の高齢者が急増するとの予測結果になりました。この結果の受け止めと、1人暮らしの高齢者をどう支えていくか今後の方針をお聞かせください。
大臣:
たしかに4月12日に、国立社会保障・人口問題研究所が「日本の世帯数の将来推計」を公表しました。前回推計と比較すると、婚姻率の低下などによる単身世帯の増加や、高齢者単身世帯の増加が進む見通しがはっきり示されていました。そして平均世帯人員は、2033年には1.99人となる見込みとなっています。単身で暮らす高齢者の方を含めて、誰もが住み慣れた地域で孤立せずに安心して暮らせるような社会、しかもその中でいかに社会のダイナミズムを維持していくか、これから相当こうした課題について政策を集中して実施していかなくてはならないと思います。 
記者:
医師の偏在対策について、昨日、武見大臣は国会の委員会で「骨太の方針ぐらいを前提にしながら考えつつも、地域医療構想等に関する検討会を中心に年末までには具体的なものを作らせようと考えている」と述べられました。夏の骨太の方針に規制などによって地域ごとに医師の数を割り当てることを盛り込むお考えなのか、また具体的にどの場で議論を進め、どのような成果物をいつ頃まとめるお考えなのか、現時点で方針や決まっていることがあれば教えてください。
大臣:
医師の偏在対策については、医師養成過程における地域枠等の設定に加えて、医師偏在指標を踏まえ、都道府県において医師確保計画を策定し、目標医師数の設定、医師の派遣、キャリア形成支援等を行い、そして国としてもこうした取組に対し財政支援を行うと、様々な努力をしてきましたが、まだまだこの偏在の問題、解決する目処が立っていないという厳しい状況下にあるという認識をまずもっています。一方で、医療・介護の複合ニーズを抱える85歳以上人口の増大や現役世代の減少を踏まえ、医療需要の変化に対応できるよう、中長期的課題を整理して検討を行う必要があると私は考えています。そういう意味での切迫感というものを、時代感覚の中で私はもっているというわけで、この医師偏在対策については、医師偏在が解消されていない現状を踏まえ、これまでの偏在対策をさらに進めるため、前例にとらわれない対策の検討を行うべきと考えています。検討を行う際には、規制的な手法だけでなく、インセンティブを組み合わせる方法やオンライン診療の活用等も組み合わせて包括的に検討したいと思っています。医師の偏在対策に関する検討については、すでに今年3月に設置した「新たな地域医療構想等に関する検討会」を中心に、もうすでにこの議論を開始しているところです。具体の内容や成果物については、今後、しっかり検討を進めていきたいと思います。スケジュールについては、「骨太の方針」にその大方の考え方を組み込んでいきたいと思います。それが年末までにはもっと明確に具体的に、その方向性をしっかりお示しすることができるようになるかと思います。 
記者:
こどもの遺伝子検査について伺います。東京都内の会社が運営する2つの私立保育園が、「将来の傾向が分かる」としてこどもに遺伝子検査を受けさせるよう呼び掛け、保護者の3割が応じていたことが判明しました。血友病などの単一遺伝子疾患、認知症などの多因子疾患を発症するリスク、運動や勉強の才能、性格の特性など500項目以上を調べる検査でした。一般社団法人「遺伝情報取扱協会」は、自主基準で検査対象を原則、成人に限定するよう求めています。しかし、今回の検査キットは香港企業の商品でした。そこで3点お伺いします。1点目は、単一遺伝子疾患、多因子疾患、才能などを調べる遺伝子検査をこどもに行うことについて、どのようにお考えでしょうか。2点目は、日本医学会と日本医師会は3月に発表した、「『良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して受けられるようにするための施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律』に関する提言」で、遺伝子検査ビジネスについて「科学的根拠が極めて不十分」とし、「国民の健康と安全を守る観点からも、厚生労働省による適切な規制を含めたあり方を検討すべき」と記載しました。法規制の必要性について、どのようにお考えでしょうか。3点目は、現在、厚労省を中心に同法に基づく基本計画作りが進められていますが、こどもへの民間遺伝子検査について、どのような内容を盛りこむべきとお考えでしょうか。
大臣:
最初に、小さいお子様を対象にこうしたゲノム検査をやっていたということを聞いたときに、正直私は驚きました。ゲノムに係るこれからのデータベースを作ったり、医学・医療の進歩の基盤として活用することは、確実に必要なことです。しかし、これは実際にどのように社会に活用されるかという点に関しては、もっと慎重によく考えなければなりません。その点について十分な、そうした社会の中での議論や合意形成がないままに、こうした一部のところで小さなこどもにこうしたゲノム検査が行われていたということは、むしろ私にとっては驚きでした。厚生労働省では、「良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して受けられるようにするための施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律」の規定を踏まえ、ゲノム医療を推進するための基本計画の策定に向けて検討を進めているところです。基本計画の策定にあたっては、ご指摘の民間遺伝子検査に係る対応を含め、関係学会をはじめとする有識者の方々にしっかり意見を聞いて、丁寧に進めていかなければならないと考えているところです。詳細については事務方にお尋ねください。 

(了)