武見大臣会見概要

(令和6年3月26日(火)8:33~8:43 院内大臣室前)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:
 本日の閣議におきまして、厚生労働省所管の独立行政法人のうち、4法人の理事長の人事について了承されましたので、4月1日付けで任命いたします。詳しくは別途お配りする資料をご覧ください。

質疑

記者:
感染が広がっているはしかに関して伺います。今日現在の国内の感染状況を教えてください。また現場からはワクチン不足なども聞かれ、先日厚労省は小児科への優先的な供給も呼びかけています。ワクチンの供給状況と、不足している場合は厚労省としてどう対応するか教えてください。また改めて感染対策に関する呼びかけ等あればお願いします。
大臣:
本年の麻しんの発生状況は、3月24日時点で20例が報告され、うち14例が関西国際空港へ到着し入国した方が麻しんと診断された事例に関連している可能性があると承知しています。ワクチンの供給状況についてですが、麻しんのワクチンについては、抗体がない小児向けの定期接種を確実に行う必要があることから、都道府県、日本医師会、日本医薬品卸売業連合会及び日本ワクチン産業協会に対し、3月21日付けで事務連絡を発出し、小児向けの定期接種を実施する医療機関への供給を優先するよう協力を依頼したところです。なお、製造販売業者からは、医療機関等からの問い合わせは増加しているものの、一定の在庫があり、全国的には大きな不足は生じていないとの報告を3月22日時点で受けています。そして感染拡大防止対策の呼びかけですが、感染拡大防止のため、まず第1に、定期の予防接種の対象年齢である1歳のお子様や小学校入学前1年間のお子様は、定期の予防接種を確実に受けていただきたいと思います。また第2に、不特定多数の方が集まる場所に、感染性のある状態で患者の方が訪問した場合などには、そうした情報が自治体から公表される場合があるため、自治体の発信する情報をよく確認するよう心がけていただきたいと思います。さらに、麻しんを疑う症状がある場合は医療機関に電話等でその旨を伝え、医療機関からの指示に従っていただくとともに、医療機関へ移動する際は公共交通機関の利用を可能な限り避けるようお願いしたいと思います。
記者:
小林製薬が販売する「紅麹」を摂取した人の間で健康被害の報告が相次いでいます。一時人工透析を必要とする人もでるなど深刻な被害も聞かれますが、厚労省としてこの件を巡って現在把握している状況を教えてください。また現在、小林製薬はじめ供給していたメーカー等の自主回収が相次いでいますが、今後厚労省として対応する予定があるか教えてください。
大臣:
ご指摘の件ですが、当該企業の本社が所在する大阪市の保健所で、原因究明や商品の自主回収の適切な実施等について当該企業を指導しています。また厚生労働省では、全国の自治体に対し、ご指摘の企業が回収対象としている商品を含め、原因とされる紅こうじを原料とする商品について、健康被害情報があれば報告するよう依頼をするとともに、厚生労働省ホームページにおいて昨日3月25日より回収情報等の情報提供を開始しました。大阪市等と緊密に連携し、原因の究明や適切な自主回収の実施などの健康被害の更なる拡大防止を図ることで、国民の健康や食品の安全を守ってまいりたいと思います。
記者:
先日、厚労省の検討会が「特定技能」の在留資格などで働く外国人材について、訪問介護サービスに従事することを大筋で了承しました。政策の狙いと、特定技能、技能実習、EPA介護福祉士候補者の3つの資格がそれぞれいつごろから従事可能となるか、時期のめどを教えてください。 また委員からは「資金不足などで外国人材を受け入れたくても余裕がない事業者がいる」との指摘がありました。事業者が外国人材を受け入れやすくするためにどのような支援が必要か教えてください。
大臣:
外国人介護人材の訪問系サービスへの従事については、「外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会」で議論を行っています。先週22日の検討会では、これまでの議論を踏まえた見直しの方向性として、日本人と同様、介護職員初任者研修を修了した有資格者であることを前提に、事業者に対しコミュニケーション等の研修の実施、一定期間の同行訪問、キャリアアップ計画の作成、ハラスメント対策の実施等について遵守を求めることでケアの質を担保しつつ、外国人介護人材のキャリアアップを図ることなどをお示しし、議論を進めています。お示しした見直しの方向性については、多くの委員にご理解をいただいたと認識していますが、いただいたご意見も踏まえ、取りまとめに向けてさらに整理を進めてまいりたいと思います。仮に訪問系サービスへの従事を認めることとした場合、特定技能、技能実習等の制度の趣旨や目的等を踏まえつつ、準備ができ次第、順次施行することが考えられます。これまでも質の高い外国人介護人材が安心して働けるよう就労環境の整備を支援してきたところであり、引き続きこうした対応も進めてまいりたいと思います。
記者:
小林製薬のサプリメントの被害拡大事態の大臣のご所感はいかがでしょうか。
大臣:
本件のところ、健康被害の原因がまだ完全に特定されてはいないという状況です。現在大阪市が企業に対する調査を行っているところです。このため、具体的な内容についてはお答えを差し控えたいですが、小林製薬が原因究明にあたって様々な調査を行っている間に、行政に対して情報提供などを行わなかったことについては遺憾であると言わざるを得ません。いずれにせよ厚生労働省としては、現状で把握している限りにおいて、ホームページでその旨皆様方に周知するよう努力させていただいております。

(了)