武見大臣会見概要

(令和6年2月9日(金)8:37~8:42 院内大臣室前)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:
 本日、厚生労働省関係で2つの法案が閣議決定されました。「生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案」は、生活困窮者等に対する安定的な居住確保の支援、そして生活保護世帯の子どもに対する支援の充実、さらに、複雑な課題を抱える生活困窮者等への支援を行う体制の整備の促進等の措置を講ずるものです。もう1つは「雇用保険法等の一部を改正する法律案」です。これは多様な働き方を効果的に支えるセーフティネットを構築するための雇用保険の適用拡大、そして教育訓練やリ・スキリング支援の充実、さらに、育児休業給付に係る安定的な財政運営の確保等の措置を講ずるものです。いずれの法案も、今後、本国会において速やかにご審議をいただくよう、お願いしたいと考えております。

質疑

記者:
2025年の年金制度改正に向け、来週13日から「働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会」が始まります。次期改正では企業規模要件の撤廃や、非適用業種の解消が論点となっています。懇談会を設置する狙いと、厚生年金の適用拡大の意義についてお教えください。
大臣:
まずパート・アルバイトの方に対して、厚生年金を含めた被用者保険の適用を更に拡大するということは、被用者にふさわしい保障の充実や、働き方や雇用の選択を歪めない制度の構築といった意義があります。次期制度改正における重要な検討課題の1つとなります。そして今後の適用拡大に当たっては、ご指摘のような企業規模要件の撤廃や個人事業所の非適用業種の解消といったことも論点となっていることから、関連分野の有識者や労働者・使用者団体といった様々な方から意見をお聞きし、丁寧に議論を進めていくため、今般懇談会を開催することとしました。個人事業所の適用業種は現在17業種あります。これを解消しようということの議論で、適用拡大に繋がります。
記者:
動物の臓器を人に移植する「異種移植」の実用化に向け、国内外での取組が盛んになっています。慈恵医大や成育医療研究センターのチームは、ブタの胎児の腎臓を重い腎臓病の胎児に移植する「異種移植」の臨床研究の実施に向けて準備を進めているとのことです。今回の研究計画について、大臣の受け止めをお願いします。また異種移植全般について、大臣のご見解をお聞かせください。
大臣:
東京慈恵会医科大学と成育医療研究センターのチームが、ブタの腎臓を重い腎臓病の胎児に移植する「異種移植」の臨床研究に向けて準備を進めているとの報道があったことは存じております。当該研究については、現時点で検討中であることから、その具体的な内容は承知していませんが、報道内容を前提とすると、ブタの腎臓を用いた研究であり、細胞を加工したものを使用するものであることから、再生医療等安全性確保法の対象となるものと考えます。本件を含め、再生医療等安全性確保法の対象となる異種移植については、具体的な研究計画が厚生労働省へ届出があった際には、有用性や安全性のほか、倫理的課題も含め、厚生科学審議会再生医療等評価部会による専門的な評価を踏まえて、どう対応するか適切に判断したいと思います。

(了)