武見大臣会見概要

(令和6年2月6日(火)8:31~8:40 院内大臣室前)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
 冒頭は特にございません。

質疑

記者:
国家公務員共済組合のマイナ保険証の利用率について質問です。2月4日の新聞で、各省のマイナ保険証の利用率について報道がありました。それによれば、国家公務員の昨年11月の利用率が4.36%であり、厚労省は4.88%、総務省は6.26%などとされておりました。各省のマイナ保険証の利用率について教えてください。また、国全体としてマイナ保険証を推進する中で、厚労省職員をはじめとする国家公務員の利用率が低いことについての所感と、国家公務員のマイナ保険証の利用率が低いことの原因と今後の対応について教えてください。
大臣:
まずは、国家公務員もっと頑張らなくてはなりません。これではまだ低すぎる。もっと率先して使っていただくように働きかける必要性を改めて認識しました。マイナ保険証の利用状況、昨年12月時点で利用件数は月763万回、オンライン資格確認件数に占める割合は4.29%となっているところです。今年1月に入り、前月比で1割ほど利用率が上がってきています。本日、各国家公務員共済組合の利用率について公表しており、その利用率は昨年11月時点で4.36%となっています。また、厚生労働省については、本省支部で8.39%、その他、地方支分部局と施設等機関を含む厚生労働省全体の利用率は4.88%となっています。その他、各省庁の利用率については厚労省ホームページをご覧いただきたいと思います。国家公務員については、共済組合の被保険者であることから、各共済組合を通じてメール等での利用勧奨等を行い、マイナ保険証の利用を促しているところです。現在、共済組合を含むすべての医療保険者に対して利用率の目標を設定するようお願いしており、その目標設定に資するよう、保険者毎の利用率を各保険者に対して通知することとしています。なお、厚労省においては、マイナンバーカードを入館証として日常的に使用する本省職員の利用率は全省庁の中で1番高いですが、日常携行する機会の少ない本省以外の職員数が多く、こうした方への利用勧奨が課題だと考えています。いずれにせよ、マイナ保険証の利用促進に当たっては、医療機関における患者への働きかけとともに、保険者による利用勧奨の取組が重要であり、保険者それぞれの実情に応じて取組を進めていただくべく、効果的な取組事例の展開、保険者インセンティブ制度における評価などに取り組んでまいります。
記者:
老健局の職員が、私用メールアドレスの誤登録で第三者へ個人情報を漏えいしたことについて、この事案の大臣の受け止めと、今後再発防止策をどのように徹底していくかお聞かせください。
大臣:
今回の事案は、職員の緊急連絡先である私用メールアドレスが本人により誤って登録されたことにより、昨年9月15日以降、休日などに業務の必要性から関係者にメールを一斉送信した際、第三者に対して当該メールが誤って送信されたものです。厚生労働行政は国民生活に直結するものであるところ、個人情報の漏えいはあってはならないことであり、大変遺憾なものだと思っています。まずは、個人情報が漏えいした行政機関職員や私人への謝罪、お手紙などですが、これを丁寧に行っていきます。また、再発防止に向けて、厚生労働省においては本省における私用メールアドレスの業務上の使用を禁止することとしたいと思います。
記者:
能登半島地で住宅が半壊以上の被害を受けた高齢者などがいる世帯に新たに支給する支援金について伺います。岸田総理は昨日の衆議院予算委員会で「資金の借り入れや返済が容易でないと見込まれる世帯も同様に制度の対象としたい」と答弁されました。具体的にどのような世帯を対象にするのか、また、どのような理由でそうした世帯を対象とするのか、調整状況を教えてください。
大臣:
今般、高齢化が著しく進んでおり、半島という地理的制約から地域コミュニティの再生が乗り越えるべき課題となる能登地域6市町を中心に、地域福祉の向上に資する「新たな交付金制度」を設けることとしたものです。したがって、その原資は生活福祉資金です。具体的には、住宅が半壊以上の被災をした高齢者等のいる世帯を対象として、家財等の再建支援に最大100万円、家財と言っても、自動車などもこれで購入できます。そして住宅の再建支援に最大200万円、合計最大300万円を目安に、地域の実情に応じた支援が可能となるよう、早急に制度設計を進めたいと考えています。その上で、他省庁における対応、例えば住宅融資の金利負担助成というものですが、こうしたところと組み合わせることにより、支援を必要とする住宅に被害を被った世帯の中で、取り残される世帯がないようにすることが必要です。お尋ねの「新たな交付金制度」の対象世帯については、「高齢者等のいない世帯」であっても「高齢者等のいる世帯」と同様に、資金の借入や返済が容易でないと見込まれる世帯もいることから、そうした事情がある場合には、同様に制度の対象としていきたいと考えています。いずれにしても、「新たな交付金制度」の詳細について早急に制度設計をこれから進め、成案を得ていく中で明らかにしていきたいと思います。
記者:
毎月勤労統計調査について伺います。本日公表された令和5年度分の速報で、実質賃金は前年比2.5%減となりました。同年12月分の速報でも、前年同月比1.9%減でした。名目賃金はプラスとなりましたが、依然として物価高には追いついていません。今回の調査結果の受け止め、今後の見通しや対応について教えてください。
大臣:
本日公表した毎月勤労統計調査令和5年分の速報値において、名目賃金の対前年比はプラス1.2%であり、就業形態別に見ると、正社員等の「一般労働者」、「パートタイム労働者」ともに、過去最高の水準となっています。他方、実質賃金の対前年比はマイナス2.5%となっています。これは、消費者物価指数の高い伸びによるものと考えます。また、令和5年12月分の速報値において、名目賃金の対前年同月比はプラス1.0%、実質賃金はマイナス1.9%となっています。経済の好循環により国民生活を豊かにしていくためにも、実質賃金の上昇が必要と考えており、今後の結果についても注視してまいりたいと思います。賃上げに向けては、中小企業が賃上げしやすい環境の整備や、三位一体の労働市場改革の推進が重要です。また、賃上げの流れが地方や中小企業にも波及していくよう、労使団体、地方公共団体、そして関係省庁と連携しながら「地方版政労使会議」を精力的に開催し、賃上げ機運の醸成に努めてまいりたいと考えています。

(了)