武見大臣会見概要(花王株式会社視察後 )

(令和6年1月19日(金)15:24~15:35 花王株式会社)

広報室

会見の詳細

発言要旨

大臣:
 実際にこの仕事と介護の両立や、仕事と育児の両立ということで、新しい法律を策定し、運用していくときに、どういった考え方を持たなければならないかということをやはり自分自身で、肌感覚でしっかり理解するという必要があったため、今日、こうした場を花王様に作っていただきました。短時間ですが、大変勉強になりました。特に私たち昭和世代は、こうした、特に男性の考え方というものがこれから相当大きく変わっていく、そしてそれをまた制度、法律で支えていくということがいかに必要であるのかということを実感しておりますので、今日はそうした意味で大変、自分の頭の中を整理するということのためにも役に立ったと思います。私からは以上です。

質疑

記者:
セミナーの中で「育キャリ」という単語が出てきて、大臣も関心を示されていたかと思いますが、「育キャリ」という単語の受け止めと、今後広めていきたいというお考えはありますでしょうか。
大臣:
これは女性活躍の発想と密接に関わる言葉だと直感的に理解しました。これはやはり育児とキャリアというものを両立させることによって、実際に会社に対しても社会に対しても、女性がより確実に活躍できるようにするための考え方が、この「育キャリ」という言葉の中にはしっかり組み込まれているということを直感的に感じたので、私にとっては普段使っている言葉ではなく、よく理解していなかったので、お伺いしたという経緯です。
記者:
花王の先進的な取組に、専任の組織があることが結構大きいというお話もありました。一方で、中小企業だとなかなかそうしたものを設けたりすることは難しいと思います。そのあたりのお考えがあればお願いします。
大臣:
これはやはりそれぞれの企業の職種や、今日も花王様の話の中で、大きな企業でいらっしゃるので、それぞれの仕事の職種によって環境が違う。それを全体としてどう管理するかということは、企業としても大変難しい大きな課題だということは私も理解しました。その上で、単に大企業の中だけでなく、中小企業の中でも同じことを考えなければならない。そうしたときに、担当の部署まで作らなくても、少なくとも担当者を作ればよいので、それは兼任も、場合によってはよいので、やはりそうしたことを会社に対しても奨励していくということを、この法律を通じて我々は運用面で働きかけていくことが必要だと思います。
  
記者:
通常国会に、育児・介護休業法などの改正案を提出されることになるかと思いますが、改めてこの法案によってどういったことを狙っていきたいのかということを、今日の視察の内容も踏まえてお願いします。
大臣:
これはなかなか難しいですが、個々の労働者が、働き方の置かれている状況は会社の職種や規模によっても相当多様性があり、違うわけです。そうした中で、やはりそれぞれの働き方が自分の希望に基づいて、柔軟にこの介護とも両立し、あるいは育児とも両立できるようにしっかり法律でバックアップしていくことが必要です。しかもそれを男女ともにそうしたバックアップをし、そして仕事の中でのキャリアも確実に構築していくということができるような法律を作り、制度を作り、そしてそれが運用されていくように、政府としては各事業者の皆様方に働きかけをしていくという、そこがやはり基本になると思いました。私自身はそう受け止めました。
  
記者:
現行の法律だと、まだまだ働きかけというものが弱いというお考えでしょうか。
大臣:
まだまだ不十分なので法律にします。社会の変化、そして若い方々の意識の変化が早いです。しかしその変化に、法律や制度・仕組みが追いついていない。それをやはりしっかり追いつかせていくために、我々は急いでこうした法律を作り、そして制度を作り、運用していくことが必要であり、そうしたことのために、先進的にこうして花王様のようにやっておられるところを通じて、それをより具体的にイメージ化していくという作業を今、行っているわけです。
  
記者:
若い労働者、従業員はそうした意識になっても、なかなか使用者側や経営者の方のマインドが変わっていないところを、この法律で変えていきたいというお考えですか。
大臣:
それもあります。やはり頭の固い上司というものはどこの社会にもいるわけなので、そういう人たちにしっかり変わっていただかないといけないので、そうしたことのためには、役に立つ法律にしていかなければならないと思います。
  
記者:
介護の関連についても、先ほどのやりとりの中で言及があり、介護は終わりがわからないという特色もあると思うがというご指摘もありましたが、介護に関するこの法改正の狙い、強調したい点等あればお願いします。
大臣:
やはり見通しがなかなか立たない中で、どこまで介護というものを通じて、自分の両親が人生の最後を、出来る限り生きがいをもって、また幸せな最期を送っていただきたいと思うことは、こどもであれば当たり前の話であり、そうした気持ちがある方について、特に制度、法律の面でしっかり支えていくということは、健全な家庭を維持し、かつ、また仕事というものと両立させていく上で大変必要だと私は考えています。しかも、これから高齢者の人口が急速に増えていきます。2040年まで高齢者の人口は増え続けるわけです。増え続ける介護のニーズに、それぞれ若い世代がこれから対応していかなければならない。そうしたときに、こうした制度上の難しさというものを、今の時点から早く改善しておき、そうした介護が、しっかり両親についてやりながら仕事が両立できるという安心感を、やはり多くの若い世代の方々に持っていただかなければなりません。そのためにこうした法律を作っていくことが必要だと思っています。

(了)