武見大臣会見概要(能登半島地震石川県被災地視察後 )

(令和6年1月18日(木)17:25~17:40 石川県庁)

広報室

会見の詳細

発言要旨

大臣:
 本日は、この能登半島地震における保健医療等に関わる現状や支援ニーズを把握し、これらに沿った支援を的確に行うことができるよう、避難所や医療機関の視察及び関係者からのヒアリングを行うととともに、現地で指揮にあたる石川県庁及び現地対策本部を訪問し意見交換を行いました。また16時から開催された石川県の災害対策本部に出席しまして、厚生労働省の対応についての発言をさせていただきました。それぞれの現場で発災直後から被災者の支援等にあたっておられる医療福祉事業者の皆様、DMAT、DPAT、JMAT、JRAT、それから災害支援ナース、DWAT、DHEATなど、県外から応援に入られている皆様、それから医薬品等の必要物資を迅速に供給していただいている関係業界の皆様、そして水道の復旧にあたっておられる水道事業者の皆様、石川県庁の職員、それから政府対策本部の職員に心から敬意を表したいと思います。改めて感謝申し上げます。視察先では配慮が必要な方が安心して避難生活を送ることができ、災害関連死を1人でも防ぐために、この2次避難の重要性や職員応援の強化の必要性を改めて認識いたしました。これをふまえて、DMATなどの医療チームからも2次避難について被災者に対する声掛けなどの支援を行っていただくとともに、2次避難を安定的に受け入れていただくための福祉職員の体制強化を図るため、調整を担う全国社会福祉協議会とも連携して、本省においても人的支援の調整体制を強化し、職員の応援体制を強化することとしました。また、石川県の馳知事及び古賀現地対策本部長より、水道の復旧に関して見通しを示してほしいとの要請もありました。日本水道協会の復旧支援チームからの被害状況や、復旧に向けた計画の報告や体制の確認を行うとともに、本日の石川県災害対策本部会議において、厚生労働省から地区ごとの復旧見通しをお示ししたことをお伝えしました。早期に復旧が実現するよう、厚生労働省としても関係団体と連携をしてしっかりと対応を進めてまいります。石川県に応援を増強する際の、宿泊施設の確保、それからアクセス道路の復旧等の要請も伺ってきています。これら上下水道の復旧と、こうした復旧事業を行う皆様方に対する支援として、宿泊施設を同時に一体的に確保していくことの必要性、そのことなどを実際に現場に来てよく理解することができました。さらに生活となりわいの再建に向けて緊急小口貸付を22日から受付開始するとともに、雇用調整助成金について被災地域の実状をふまえて、これまでよりきめ細かな対応を行うことができるよう早急に検討を進めます。そして今日実際に、いしかわスポーツセンターなど1.5次避難の場所を見させていただきました。1.5次といえども実際にほとんど多くの方は高齢者です。しかも介護度の相当高い方々もたくさんいらっしゃることをお見受けしました。こうした状況下の中では、1.5次対応の当初の想定にはなかったような医療的な対応というものが初動時期から必要です。したがって現地のご要望もありましたので、早速、馳知事と連携をして現地にそうした仮の診療所を設けて、初動時期の医療的対応もできるようにさせていただきました。これらをしっかりと厚生労働省としても臨機応変に支援していくということを進めていきたいと思っています。引き続き、現地の対策本部などとも連携をして、被災者に寄り添った形での支援をこれからも徹底して進めていきたいと思います。以上です。

質疑

記者:
急性期病院の逼迫具合というところで、阪上さんからもお話あったと思うのですが、今現状、急性期が上手く回ってないという状況もあると思いますが、そこへの対策対応というのは国として今後どうしていくか、というのはいかがでしょうか。
大臣:
それが今まさに私が申し上げたような、1.5次対応の避難施設における仮の診療所の開設です。これによってかなり発熱や下痢などの初動時期の対応を早急に進めることが可能になり、実際にその重体化することを防いで、それによって急性期の病院に搬送しなくても済むという状況を作り上げていくことによって、先ほどおっしゃったような、そうした急性期の病院が逼迫するという状況を確実に少なくしていくという措置が、やはり基本的に被災者の立場に立ってみても重要だろうと思いました。
記者:
関連でなんですけれども、石川県だけではもうちょっと厳しいというような声もあったと思いますが、県外との連携などというところで国が旗振り役となって県外との連携を進めていこうというのはいかがでしょうか。
大臣:
これは今まで以上に強化します。この実際に2次避難の施設というものに対して、1.5次含めてこれから私どもがこうした支援の強化を行ったとしても、そこにはやはりキャパとしての限界があることは明らかであり、やはりより広域でこうした2次避難をしていただく皆様方を受け入れられる施設をしっかりと確保していくことが、これから確実にさらに必要になってきます。したがって、その視点に関する対応も同時並行的に進めてまいります。
記者:
2次避難、進めていくということでしたけれども、中には今日大臣も被災者とお話されましたけれども、元いた地域に戻りたい、ここを離れたくないという方もいらっしゃると思いますが、その方々に向けて厚労省としてどういうケアをしていくのか、教えてください。
大臣:
こうした被災者の皆様方が、いずれ確実にまた元の生活に元の地域で、元に戻りたいというお気持ちをやはり強く持っていらっしゃることもよく理解しております。したがって、その復旧に関わる対策として、見通しをしっかりと立てて、それによって将来に対する展望が開けることによって、その不安を解消して、そしてこうした被災者の皆様方に頑張っていただくという、そういう支援の仕方がやはり必要だということは今日もよく理解いたしました。
記者:
水道に関してなんですけれども、水道の復旧、地区によっては数年かかるところもあると思いますが、全て復旧するためには時間がかかると思いますけれども、応急的にですね、今給水車だとなかなか対応しきれない部分もあると思いますけれども、その完全な復旧と給水車対応の何か中間はあるのでしょうか。
大臣:
あります。これは例えばその上水道に近いところの給水管、水道管みたいなものについて、地中に埋まってるわけです。その地中に埋まっている水道管の上に仮の水道管を乗せて、それによってより早くその仮の復旧作業を進めることにより、水道の復旧を図るというやり方は、おそらくその中間です。これを一時的にやった上で、本格的な復旧作業にその後から入ると、こういうやり方をすれば、今、断水で困難な状況にいらっしゃる方を1日でも早く、その不便さを解消することができるだろうと思います。
記者:
今日、馳知事ともお話されたかと思います。知事の方からはどんな要望があって、それに対して武見大臣はどうお答えになったのでしょうか。
大臣:
たくさん要望を受けました。馳知事とは参議院の同期生でもあって、昔からよく存じ上げる方ですので、極めて分かりやすくその意見交換をすることができました。やはり上下水道の一体的な復旧というものをより確実に進めていくことなどの要望を受けています。まず、その2次避難を促進するために、近隣県を中心に他県の受け入れ施設への搬送を含めた協力要請を受けました。これは今申し上げたように、我々はまさにその考え方で、実際に広域で受け入れられる2次避難の対象の拡充、またそれを実際に実行していく上で、被災者の皆様方に寄り添いながら、移動していただくということを進めてまいります。それから2つ目の県の1.5次避難所や他県の施設を含めて施設が避難者を受け入れられるように、ベッドなど必要な資機材の調達や施設職員の勤務手当増に関する財政支援、それから他県からの介護職員等の派遣などの人的支援、これはいずれも、その財政的にも人的にも支援強化するということになっています。それから、病院や介護福祉施設に移送して療養した後の2次避難所等に移送する場合や、2次避難所等から元の施設に移送する場合の財政支援、これも実際に国の負担で行うということを今日は古賀本部長とも相談して、国でこれに対応する、国費を使うということを明らかにして回答させていただいています。それから、住民の生活に必要不可欠なライフラインである水道施設の早期復旧、水道事業者及び水道用水供給事業者が実施する復旧への最大限の人的・財政的支援、それから地域住民が管理する小規模な水道の復旧に対する支援制度の創設、これはいずれも確実に対応してまいります。それから、この4月に移管される水道行政、これは厚生労働省から水道行政は国土交通省に4月から移管します。たとえこのような移管が行われたとしても、円滑にその管轄が移行できて、そしてこうした現場での事業の加速化というものの妨げにならないように、これを円滑に進めるということは、今現在もうすでに国土交通省と連携をして実施しているところです。それから最後、雇用調整調整金についての助成率などのご要望もありました。明日、労働政策審議会でこの問題は議論して、より使いやすく、それから実際に提供する日にちについても、おそらく300日ぐらいにまで延長することなど、いくつか具体的な改善策が明日の審議会にかけられて、そこで採択され次第、直ちに実施するという格好になっております。こういった要望をいずれも知事から受けましたので、即刻対応いたしました。

(了)