武見大臣会見概要(台東区こども極楽堂、NPO法人ふるさとの会視察後 )

(令和6年1月11日(木)15:15~15:24 NPO法人ふるさとの会)

広報室

会見の詳細

発言要旨

大臣:
 本日は、生活困窮者自立支援制度と生活保護制度の見直しに向けて、こどもの学習支援と居住支援の取組を視察しました。お忙しい中、貴重な機会を与えていただいた視察先の皆様に、心から御礼申し上げたいと思います。本日の視察も踏まえ、こどもの貧困への対応や居住支援の強化等を内容とする法案を、今年の通常国会への提出を目指し、作業を加速化してまいります。
 今日、生活困窮者の中でも、例えば1点目にこどもに対する支援の場というもの、そして2点目に居住環境を整備すること、3点目にそうした居住する場所だけの話ではなく、様々な生活を支援するサポートを組み合わせて、それによってそれぞれの関係者が連携、協議する場所、プラットホームをつくることが大事だという3点について改めて確認させていただきました。今回の法律の組み立てはこの3点を基調にして組み立てられておりますが、やはりこうした観点から、さらによりきめ細かいサポートの仕方が求められてくるということはよく理解できましたし、特に不動産業で社会的不動産という考え方で、実際の市場のメカニズムだけでは不動産業で対応できないこうした困窮者の方々がいらっしゃり、高齢化社会が進めば進むほど、そうした方々が増えてくるという人口構造の中で、やはりこうした受け皿をもっとしっかり法的な枠組みで受け止め、そしてそれに対する支援の体制というものを強化していかなくてはならないということを今日、改めて認識した次第です。私からは以上です。

質疑

記者:
関連する法案を今国会に提出予定ということですが、改めて今日視察され、居住支援や学習支援の必要性、そうしたニーズが近年高まっていますが、どういった背景で高まっているとお考えでしょうか。
大臣:
現実に、最初に伺ったこども極楽堂、ここはこどもの学習支援をしておられましたが、浅草を中心としたこの台東区の中でやられているということですが、実際にかなりの数のお子様方が、こうした生活困窮の中でなかなか学習意欲が持てなかったり、あるいは学校に行くことをやめてしまったりというような状況に追い込まれてしまうケースが確実にあり、このこども極楽堂のネットワークだけでは恐らく対応できないそうしたお子様方が、まだまだこの台東区だけではなく全国にたくさん今いらっしゃるのだろうと思います。そうした手つかずの状態のところを、これから法律をしっかり整備し、そしてこども極楽堂のようなかたちで行政と連携していただきながらサポートする体制というものを、これからさらに構築していくことが必要だと今日改めて認識しました。行政の力だけではできません。実際NPOで現場をよく理解されており、お子様方と、そして行政を結びつけることができるネットワークと動機を持った方がいないとできません。しかもお子様方は孤立しているケースが多いです。今日お話を伺ってみても、明らかに小学校や中学校の先生だったと思われる方が、そうしたお子様が、例えば中学卒業後アルバイトに入ったときに改めてしばらくしたら、高校に行きたいと思ったとき、そのお子様をこども極楽堂に紹介し、そして試験勉強をさせ、そして高校に入学させるということで今高校3年生だという話を伺いました。こうした1つの事例を見ても、そうした具体的にお子様と信頼関係のある方がしっかり保護者というかたちでいらっしゃり、そうした方々が、このようなネットワークでこども支援センターに繋げて、学習できるような仕組みをつくってあげるという重要な役割を担っておられました。我々の仕事は法律をつくって行政をサポートすることです。具体的な個々の人が日本の地域社会の中にいないと、恐らく我々がいくら仕組みをつくってもワークしないだろうと思いました。
記者:
やはりそうした方は、コロナの感染や、あるいは今家族形態が多様化していますが、そうしたところで増えてきているという認識でしょうか。そうした支援を必要とされている方々は増えてきているという認識でしょうか。
大臣:
支援を(必要と)されている方は確実に増えてくるだろうと思います。しかしその支援してくれるであろう人の数は限られている。それをいかにこれから我々が法律と行政の仕組みでサポートし、そうした動機を持った方々を増やしながら、そうした方々が生活困窮者やこどもたちを助けやすいよう、我々として行政でバックアップしていくことを強化していく。そのネットワークの中で初めて、意義のある行政サービスというものができあがってくるのだろうと思いました。
記者:
利用者の方と懇談されたかと思いますが、その中で、今ニーズの多様化や複雑化が言われていると思いますが、何か大臣がお感じになられたことはありますか。あるいは印象的だったことはありますか。
大臣:
1つはやはり社会的不動産。市場のメカニズムの持つ限界。その中で生活困窮者の方々の立場だけでなく、大家さんの立場というものもよく理解し、そしてこの両者が困らないような支援の仕方をしながら、この社会のニーズに対応できるような不動産業というものを実践しようとされている。やはりそれがないと、実際に独居高齢者や社会的に孤立した方々が自分の居場所を確保できないということがわかりました。したがってそうした支援の体制を我々はこれから組まなければならないと思います。
記者:
法案は、生活困窮者自立支援法の改正案ということですか。
大臣:
それと、生活保護法の改正の2つです。パッケージ法案になるわけです。

(了)