武見大臣会見概要

(令和5年10月27日(金)8:31~8:35 院内閣議室前)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
 冒頭は特にございません。

質疑

記者:
2021年度の医療費総額が45兆円と過去最大となりました。その受け止めをお願いします。またそんな中、今日の社会保障審議会医療保険部会では、来年度の国民健康保険の保険料の上限についての見直しが報告されることとなっていますが、その狙いについてもお願いいたします。
大臣:
令和3年度の国民医療費は45兆円、前年度と比べて2兆円増加し、伸び率は4.8%となりました。令和3年度の伸び率については、令和2年度が新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けて前年度比マイナス3.2%と大きく減少したことの反動により、大きくなったものと考えています。したがって、コロナ前である令和元年度と比べると、1年当たりの伸び率は0.7%にとどまっています。今後も、高齢化や医療の高度化などによる医療費増加への影響や、新型コロナウイルス感染症の影響等も含め、引き続き医療費の動向を注視してまいりたいと考えております。国民健康保険の賦課限度額は、負担能力に応じた負担となるよう定期的に見直しを行っています。高齢化等により医療給付費が増加する中、賦課限度額の見直しにより、高所得層に保険料をより多くご負担いただく一方、中間所得層の負担に配慮した保険料の設定が可能となると考えておりますが、いずれにしても、本日の医療保険部会において、来年度の賦課限度額についてご審議いただく予定です。
記者:
1930年代から40年代を中心に、旧陸軍病院などで使われた放射性物質を含む造影剤、トロトラストの健康被害について伺います。1970年代以降、体内に沈着したと判定されて、恩給増額などで国が支援した軍人の数を上回る人数の患者リストが長崎大学で保管されていることがわかりました。健康被害の実態について、厚労省として改めて調査や検証を行い、記録として残す考えがあるか教えてください。
大臣:
厚生労働省においては、トロトラストの健康被害について、これまで、戦傷病者援護施策の一環として、戦傷病者に幅広く呼び掛けて検査を行った上で、トロトラスト沈着者と判定された者に対する定期健診や経過観察、トロトラストによる疾病についての医療の給付などの取組を行ってきたところです。現在、戦傷病者で対象となった方は全て亡くなっております。したがって国としての対応は終了していると考えています。また戦傷病者以外の方についても、トロトラスト使用当時、個別の医薬品についての副作用の報告制度は存在しておらず、国として、その使用や回収等の状況の確認も困難であることから、新たに調査を行うことは考えておりません。なお、戦傷病者のトロトラストに起因する障害については、一昨日25日にリニューアルオープンいたしました、しょうけい館においても資料を展示しているところです。なお1982年、昭和57年の国会で、約40年前のことで、民間人への調査は難しい旨を政府として答弁しております。更に40年経った今日の段階で、戦傷病者以外の方への新たな調査を行うことはあまり現実的ではないと考えています。

(了)