武見大臣会見概要(お茶の水・井上眼科クリニック視察後)

(令和5年10月19日(木)15:57 ~16:10 お茶の水・井上眼科クリニック視察後)

広報室

会見の詳細

発言要旨

大臣:
 本日は、マイナンバーカードを保険証として積極的に利用していただいているお茶の水・井上眼科クリニックを視察しました。実際に利用されている方の様子も拝見させていただくとともに、現場の職員の方とも意見交換をさせていただきました。当クリニックは、全国の医療機関でマイナ保険証の利用件数が多く、8月で1,220件ということです。積極的に活用していただいています。また、患者様への積極的な声かけも行っていただいているという、大変ありがたいお話も伺いました。私自身も、実際に受付から診療までの流れを体験させていただきました。その中で、患者情報が自動で、マイナ保険証を通じて共有されるようになっているため、登録時に目視で確認する項目が減少したということなど、事務負担が確実に軽減しているということは、来てすぐ気がつくところでした。また、実際の情報が画面で見られることを確認して、マイナ保険証を利用するメリットを改めて感じるところでした。マイナ保険証は医療DXのまさにパスポートです。未だマイナ保険証を利用いただいていない方もおられると思いますので、是非一度マイナ保険証を使ってみませんか、というキャンペーンを、今、全員で行っておりますので、ぜひマイナ保険証を使っていただいて、そして、単なる医療提供者側の事務の削減等のメリットだけでなく、患者様お一人お一人にとっても、これから大切なメリットになっていくことについてのご理解を、ぜひ深めていただきたいと思います。今日の私の感想でした。

質疑

(了)

記者:
今日、実際に操作してみて操作感がどうだったのかということを教えていただきたいのと、操作した後に、院長先生の方とお話ししていた内容について、差し支えなければ教えていただけますでしょうか。
大臣:
実際に自分でこのマイナ保険証を、中に入れる入れ方、例えばどこを持ってどちらを上にするとか、そういったことも横でパパッとおっしゃってくれていたので、非常にスムーズに行えました。その上で、実際にそのプロセスがそのまま今度、裏の事務方のコンピューターの画面を見ると、極めて簡単に私の情報がきれいに出てきました。そのため、ものすごく簡単に私に関わる必要情報がそこで確認できるということを実感しました。今までいちいち打ち込んでいたということ自体が、段々考えられなくなってくるだろうと思います。これは大きな違いだと思います。
記者:
マイナ保険証の利用促進については、こうした少しずつ進んでいる医療機関もあれば、一方でやはり医療機関側は中々まだ負担に感じて、利用者の方に対するアプローチというのがまだできていない医療機関もあると思います。そうした中で、医療機関側への支援というところで、月末の経済対策も含め、何か検討されていることがあればお願いします。
大臣:
これは実際に、医療提供者側の関係者、特に受付の方も含めてですが、大変ご努力いただいていることは事実ですし、それをさらに広げていかなければなりません。それから、患者の皆様方にもこれにご協力していただき、これからは、医療機関に行くときにはマイナ保険証であるマイナンバーカードを必ず持ってきていただくというご協力を得なければなりません。こうしたことも含めて、実際にできる限りこうしたことを推進するための補助は我々としてはやらなければならないと思っています。
記者:
それは経済対策に補助するような仕組みというのを盛り込むことも、検討しているということでしょうか。
大臣:
今まさにそれを検討しております。
記者:
今の質問に関連しまして、先日、河野デジタル相が同じようにマイナ保険証を取り扱っている医療機関への支援を経済対策の中に盛り込むというお話しをされていましたが、今、大臣がお話しされていたのは、それとはまた別に厚労省として何か支援をするという理解でよろしいでしょうか。
大臣:
私どもは、実は常にデジタル庁と緊密に連携を取りながら、この話を進めています。したがって、政府で一体となってこの問題に取り組んでいますから、我々と河野大臣との間に、何の齟齬もありません。同じラインで作業を進めていると、そう考えていただいて全く結構です。
記者:
医療機関側へはそういった支援を検討されているということですが、一方で、なかなか利用者の側がメリットを感じられないと、なかなか実際に使おうとはなっていかないかと思います。また、色々なトラブルが相次いだということもあり、まだまだ信用を回復していないところもあるかと思いますが、そうした利用者様側へのアプローチについては、どのようなことを考えていますでしょうか。
大臣:
常にしっかりと、特にまだ資格情報を確認出来なかった70万人の方々についての情報の登録を全てし終えて、実は全ての保険者の皆様を通じて、これらの情報の突合を、いわゆる確認を全部もう一度していただいているところです。この全ての作業が終わって、そしたらそれを分析しなければなりません。再発防止のためにも分析をして、そして今度は、どのような対策を整えて、こうしたことが起きなくなるようにさせるかということを、11月末までに対応させていただくことになっていますから、それに合わせて、今、大車輪で膨大な作業をさせていただいているところです。
記者:
来年の秋に現行の健康保険証については廃止するという方針をまとめられていますが、11月末の公表と来年秋の廃止というところは予定通りということでしょうか。
大臣:
まずは国民の皆様の信頼をしっかりと回復する、こうした努力を徹底的にしつつ、同時並行にお一人でも多くの方に、「まずは一度使ってみませんか」というキャンペーンで使っていただいて、そして、いわばメリットというものをご自身も感じていただくということが、今の段階では大変大事だと思っています。なにぶん、我が国の医療保険制度というのは大変親切によく出来ていましたので、保険証というのは、それを握りしめていればどこの医療機関でも診てもらえるという、1つの安心感の象徴でした。そのアナログの世界からデジタルの世界にこれからマイナンバーカードという新しい保険証を通じて、今、そこに転換をしていくというプロセスですので、そこについての丁寧な説明を私どもはこれから何度も繰り返しながら、国民の皆様のご理解を得つつ、同時並行でこれらを進めていきたいと思います。先ほども申し上げた通り、これは医療DXを進める上でのパスポートです。これが出来ることによって、主要先進国の中で極めて遅れている我が国の医療DXというものを確実に進めていく基盤が、まず最初にできあがることになります。したがって、この作業というのは、これからデジタル化が一気に進む世界の中で、日本が遅れを取ることがないようにするための、最初の大事な一里塚だと私どもは認識し、そして国民の皆様方もコロナの中で、こうした我が国のデジタル化の遅れというのをたくさんご経験されたと思います。したがって、これをしっかりと改善し、そして新しいシステムの下で我が国の医療というものをさらに発展させていくと、その基盤がここにあり、それによって国民の皆様方お一人お一人が受ける医療の質がさらに向上し、かつ生涯を通じた自らの健康管理というものが、より確実にできる、そういう社会に我が国も変えていかなければなりません。その最初の一里塚でありパスポートが、このマイナ保険証だとご理解いただきたいと思います。
記者:
もう一度使ってみてのご所感に戻ってしまうのですが、メリットの方ではなく、患者さんが利用する上で、もしかしたら「これは利用の妨げになるかもしれない」とお気づきになった点などがもしあれば教えてください。
大臣:
今のところは特にデメリットになるという話は聞いていません。ただ、我々は常に謙虚にこうしたシステムを設計して使っていただく中で、もし何か新しくそうした問題が発生するとすれば、それをいち早く察知し、そして早急に解決していくという基本姿勢が政府の私どもには求められてくるだろうと思います。