加藤大臣会見概要(慶應義塾大学病院視察後)
(令和5年7月24日(月)16:05~16:14 慶應義塾大学病院会議室)
広報室
会見の詳細
発言要旨
- 大臣:
- 本日、慶應義塾大学病院を視察させていただきました。慶應義塾大学病院は、2018年に内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム、いわゆるSIP「AIホスピタルによる高度診断・治療システム」に採択されて、このプログラム期間は5年間なので2022年には終了しておりますが、それ以降にも独自に進化されておられるということで、様々なAI技術、ロボット技術を病院内に実装し、医療の質の向上、医療従事者の負担軽減に取り組んでいただいているところであります。今日は、調剤業務を支援するピッキングロボット、病棟などに薬剤や検体を配送する自動配送ロボットを視察させていただきました。また、歩行に不安のある患者さんの移動を支援するためのAI自動車いすを実際に私も乗らさせていただきました。大変快適でありました。また、超音波画像などの検査データを患者さん自身のスマホに送信して即時に共有する取組についても、実際にデモンストレーションをしていただき、デモというよりはリアルなものを見せていただきましたが、病院と患者さんのやりとり・情報共有の電子化の状況についても伺ったところでございます。さらには問診等においてITを活用することによって、問診の質を上げるだけではなくて、問診データをそのままカルテに移行するということで医師にとっての労力の節約にも繋がっていることをやっていただきました。また様々な分野で高度な部分で構築していく等々、さらにはどこのベットが空いているかなどといったことも考えているということでありました。また一方で、先ほど申し上げた調剤ピッキングロボットとか自動配送ロボット、これはむしろ高スキルではありませんが、こうしたものを活用する色々なスキルに合わせて、それぞれに取り組んでおられ、よく勉強させていただいたところであります。我々は今、医療DXを岸田総理を先頭に取り組みをさせていただいております。まさにこの慶應病院で取り組んでいただいているようなデジタルトランスフォーメーションが、それぞれの病院・医療機関で、そしてそれが日本全体としてネットワークを組んでいくということによって、さらに国民にとって本人の持っておられる様々な患者データ、診療データに基づいて、より質の高い医療を受けていただける。こういうことが可能になると思っておりますし、またこれが我が国の医療の将来を切り開くものでもあります。また今、日本の医療は世界に誇れる水準でありますが、これをさらにより高い水準を目指していただくことによって、日本のプレゼンスを上げていくことにも繋がっていくという思いを確信をしたところであります。先日決定した医療DXの推進に関する工程表に沿って、それぞれの取組を進めていきたいと考えています。
質疑
- 記者:
- 改めて本日視察された感想をお願いします。
- 大臣:
- AIホスピタルということでしたので、どちらかというとデータ的な運用を意識しておりましたが、まさにロボットとか、先ほど申し上げた調剤業務を支援するピッキングロボットとか、こういったそれぞれのスキルに併せてAIをうまく活用しておられる。特にそこが慶應病院さんのひとつの特徴と聞いたところであります。
- 記者:
- 今日、電動車いす等々も乗られたということですが、今後地域によっては医療従事者の不足なども懸念されるかと思います。そういったところへの人手不足に対する対応などについてどう思われたか。また今後概算要求が控えていると思います。こうしたAI技術やロボット技術の導入についてどのような予算措置を取っていきたいか大臣のお考えをお聞かせください。
- 大臣:
- まず人手不足対策においては、例えば先ほどの調剤業務の支援であれば、これまでそれぞれ薬剤師さんがやっておられた過程はロボット等が行い、最後は薬剤師さんが確認されるわけですが、そういったことで随分効率化が図られていくのではないか。あるいは遠隔問診をされておりましたが、これは患者さんから見れば、どうしても物理的に検査を受けなければいけないときにはLINEしていただくことになるのですが、そうでなければオンラインで繋がっていく。そうすると例えば訪問せずオンラインで繋がり、場合によっては直接訪問する必要もあろうかと思いますが、産後ケアについても一定程度オンラインを活用することができる等々、拡げていく中で医療の中における効率化、あるいは事務の効率化、こういったものがしっかり進んでいくのではないかと思います。サイネージ看板もありましたが、一般的な病院だと紙で貼ってありますが、一元的にあのように対応すると、一つ一つの積み重ねの努力が人手不足の解消、時間短縮によって、本来の対面における医療等、人間がやらなくてはいけないことの時間の確保にも繋がっていくことを期待しています。予算措置については具体的に予算要求を出していないわけでありますが、しかしこうした方向については従前から進めていますので、逆にそういうことをすることによって、冒頭申し上げたように慶應病院だけではなく、それぞれの医療機関でそうした方向に踏み出していただく、そうしたことに繋がればと思っています。
(了)