加藤大臣会見概要

(令和5年7月18日(火)10:56~11:04 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:
 7月15日から秋田県を中心に大雨が発生しております。まずは、被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。本日8時30分現在、厚生労働省が把握している主な被害状況ですが、水道については秋田県で4市町、秋田市、男鹿市、八峰町、五城目町で、8,480戸が断水中で応急給水による対応が行われています。また医療施設については秋田県において5施設で浸水等の被害が発生しており、2施設では復旧したものの3施設が断水中であり応急給水で対応しています。また一部の入院患者の方が他の医療施設に移送がなされているとのことです。社会福祉施設については高齢者関係施設17か所、障害者関係施設1か所において浸水等の被害が発生しており、1施設で復旧したものの高齢者施設9施設で浸水がまだ未復旧となっており、また高齢者施設7か所及び障害者施設1か所で断水中であり、応急給水で対応がなされているところです。また今申し上げた高齢者施設の中においても、他の施設に入居者を移送している施設もあると聞いています。厚生労働省としては今後とも自治体との連携を密にし、引き続き被害者の状況把握に努め、被害に遭われた方々の支援に万全を期してまいります。なお気象庁の予報では引き続き大雨に警戒いただく必要があるとともに、本日にかけて西日本から東日本にかけて晴れが予想され、気温がかなり高くなるとされています。避難所でお過ごしの方、復旧対応にあたる方々をはじめとして、こまめな水分補給を心がけるなど熱中症には十分にご注意いただきたいと思います。
 2点目です。明日7月19日から23日まで、G20労働雇用大臣会合への出席のため、インド共和国のインドール及びデリーに出張します。今般の会合では労働市場におけるスキルギャップ、日本でいうとミスマッチということになると思いますが、社会保障の持続可能性等について議論を行う予定となっています。本年のG7議長国として、先般のG7倉敷労働雇用大臣会合で議論いたしました「人への投資」に係る成果も踏まえ、G20の一層の議論に貢献できるよう努力をしてまいります。あわせてデリーにおいては現地の医薬品・医療機器関係の企業、また技能実習の送出機関と意見交換を行い、今後のそれぞれの政策に資する知見を得てきたいと考えています。私からは以上です

質疑

記者:
7月後半に入り、これから夏休みシーズンに入る学校なども多いと思います。5類移行後初の大型連休シーズンとなりますが、注意を呼び掛けることなどありますでしょうか。
大臣:
まず現在の新型コロナウイルスの感染動向ですが、全国の定点医療機関から報告される1週間ごとの新規患者数で見ますと、7月3日からの1週間は9.14、前週比1.26と緩やかな増加傾向が続いております。過去の状況等も踏まえ、今後夏の間に一定の感染拡大が生じる可能性があるという認識はこれまでも申し上げてきました。5類移行後については感染対策や外出自粛は個人の判断に委ねることとなっておりますので、国民の皆様の判断の参考にしていただけるよう、手洗いや換気、マスクの効果的な場面での着用など基本的な感染対策の周知を図ってきました。また今般の沖縄県では先週と先々週に比べると少し数字が低下しているところですが、なお高い水準となっております。この沖縄県での対応も踏まえ、全国の都道府県に対して、入院対象者の考え方の統一、入院先決定の優先順位、いわゆる重症患者を優先していくこと、また地域での医療機関の特性に応じた役割分担の明確化など、移行計画の下で感染拡大局面においても必要な入院体制が適切に稼働するよう前もって関係者間で合意することについて留意事項を取りまとめ、7月14日に事務連絡を発出したところですので、こういった対応をそれぞれの地域で事前に取り組んでいただきたいと思っております。またこれからは夏休みシーズンに入ります。旅行や帰省等の機会も増えることになりますが、高齢者や基礎疾患のある方が感染すると重症化リスクも引き続き高いため、そうした点を留意していただき、旅行や帰省等をされる方々におかれては、高齢の方と会う場合あるいは大人数で集まる場合は感染予防を心がけていただく、また体調を整え、体調に課題がある場合には控えていただく、こうしたことをしていただければと思います。また通院や高齢者施設を訪問する際には感染予防としてマスクの着用をお願いしております。こうした感染対策を引き続き十分に行っていただくことをお願いしたいと思います。なお先ほど申し上げましたが、気温が非常に高くなっております。特にマスクを着用した場合には熱中症のリスクがより高まることから、こまめに水分補給するなど十分注意するとともに、少し異変があれば周囲の方から積極的な声かけをしていただければと思います。厚生労働省としても感染症対策についてホームページやSNS等を活用して広報を行っているところであります。また引き続き熱中症対策についてもしっかり周知を図っていきたいと考えます。
記者:
G20労働雇用相会合について伺います。4月に岡山県倉敷市で開かれたG7労働雇用相会合では、リスキリングなどの「人への投資」を強化するといった大臣宣言を採択いたしました。G20 会合ではこの倉敷での会合の成果をどうつなげていきたいのか、また今回の会合で大臣が期待されている成果についてお聞かせください。また G20各国や招待国のうち、予定されているバイ会談等があれば教えてください。
大臣:
まず今回のG20労働雇用大臣会合では、優先課題としてグローバルなスキルギャップへの対処、ギグ/プラットフォームエコノミーで働く人のための適切な社会的保護と労働条件、全ての人のための適切な社会的保護のための持続可能な財政などが挙げられております。そうした議論の中において今ご指摘いただきました先般のG7倉敷労働雇用大臣会合においてはリスキリングは人への支援にとどまらず、生産性向上や賃上げにつながる投資であるとの認識を確認し、大臣宣言を取りまとめました。いわば「人への投資」についても、今申し上げた例えばスキルギャップ対策においてはリスキリングによる人材育成は欠かせない要素であると考えておりますので、G7での成果をG20の議論にしっかりつなげていきたいと考えております。また働く方々がやりがいを持って十分に能力を発揮することにより経済が活性化し所得も向上するといった好循環につなげていくことは、G20各国に共通する課題であり、こうした点についても各国とも議論を深めたいと考えております。またバイ会談ですが、現時点ではインド、インドネシア、オランダ、韓国、ドイツの労働雇用分野の担当大臣に加え、ILOのウングボ事務局長等との面会を予定しております。

(了)