加藤大臣会見概要

(令和5年6月16日(金)11:50~11:59 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
 冒頭は特にございません。

質疑

記者:
少子化対策についてお伺いいたします。政府が掲げる次元の異なる少子化対策のためにこども未来戦略方針が13日に閣議決定されました。大臣の受け止めをお願いします。併せて戦略方針の中には女性の働き方や男性の育休取得促進など厚生労働省が所管のものもあります。方針決定を受け今後どのように議論を深めていくのかお考えをお聞かせください。
大臣:
まず少子化が更にこのコロナ禍において進行していく、そして誰もが希望どおりこどもを産み育てることができる社会の実現が強く求められているわけですので、こうした問題に政府を挙げて取り組むこと、大変大事なことだと思っています。そして少子化・人口減少が更に進むこのトレンドを反転させていくことは社会保障の持続可能性を高めることにも繋がると認識しております。厚生労働行政においては医療・福祉・雇用など幅広い分野で、こども政策に関しては今年4月1日にこども家庭庁に移管しているところですが、その中で特に働き方に関しては仕事と育児の両立が男女共にできるように、特に男性が主体的に育児に関わり女性に育児・家事の負担が偏りがちな現状を見直していくあるいはそのための環境を作っていくということが大事だと考えています。そのためにまずは長時間労働の是正であります。そのためにも働き方改革を引き続き力強く推進していきたいと考えています。また男性の育児休業取得促進や育児期を通じた柔軟な働き方の推進にも取り組んでいきたいと考えており、こども未来戦略方針の中には育児休業給付の出産後一定期間内における給付率の引き上げあるいは次世代育成支援対策推進法の見直しなど具体的な議論が入っております。それについて具体的な議論を進めていきたいと考えております。大事なことはやはりこうした施策が国民の皆様の理解を得ながら進めていく必要があると考えております。そうした理解を得ながら、こども政策に対する議論を省内そして更には関係する審議会においてしっかり進めていきたいと考えています。
記者:
北海道江差町のグループホームで結婚などを希望する知的障害者が不妊処置を受けていた問題についてお尋ねします。入所者の意思決定への配慮が不十分だったとして、道が近く施設側に改善を指導する方針です。大臣の受け止めと、改めて厚生労働省として障害のある人の意思決定の支援にどう取り組んでいくか教えてください。
大臣:
まずその件については北海道庁において引き続き監査がなされていると承知しております。その上で障害のある方が結婚や出産、子育てなどにおいてその希望に応じて地域で安心して生活が送れる、こうした環境を作っていくことが大事であります。本年1月に事務連絡を発出し市町村に対し、サービス提供にあたっては障害者の生活の希望を丁寧に把握し本人の自己決定を尊重すべきことを改めて周知すること、また障害者の希望に基づく生活や子どもの養育を支えるため、必要な障害福祉サービスや子育て支援等が確実に行われるよう障害福祉、母子保健、児童福祉などが各自治体において連携すべきことなどを通知し依頼したところです。厚生労働省としてもこども家庭庁と連携しながら、障害福祉サービス事業者あるいは相談支援事業者に対する意思決定支援に関する研修やガイドラインの周知、また障害者のこどもの養育を支えるための体制に関する調査研究等を実施し、障害のある方々がその希望に応じて地域生活を行っていけるそうした体制作りに向けてしっかり議論し取り組んでいきたいと考えております。
記者:
認知症基本法が14日に成立しました。認知症の本人や家族の意見を反映し関連施策の充実を図ることが目的ですが、大臣としての受け止めと厚生労働省としてどのような施策に優先的に取り組んでいく考えかお聞かせください。
大臣:
14日の参議院本会議で「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が成立し本日公布される予定となっております。この法律は超党派の議員連盟でご議論いただいたものであります。認知症の方が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるよう認知症施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とし、具体的には総理大臣を本部長とする認知症施策推進本部を設置するということ、また本部に設置された関係者会議において認知症の方々あるいはその家族の方の意見を聴取し認知症施策推進基本計画案の策定にあたるということ、更には都道府県市町村に対しても認知症施策推進計画の策定の努力義務、こういったことが盛り込まれております。高齢化の進展に伴い認知症の方も増えていくわけですが、そうした高齢化が進む我が国において認知症についての基本的な法律が成立したことの意義は大変大きいと考えております。これまでも認知症施策推進大綱を認知症施策推進関係閣僚会議の決定の下で策定しているところであり、またそれに則った取組を進めておりますが、今後は今回法律が成立・公布されたわけですからその趣旨に則って認知症施策を一層推進していきたいと考えております。
記者:
オンライン資格確認についてお伺いします。義務化されたオンライン資格確認システム導入を困難と考えて閉院を決めた医療機関があります。そういった地域医療への影響に関してどう考えるか、同様の理由で閉院を決めた医療機関の数を把握していれば教えてください。またオンライン資格確認システム導入作業が滞った場合は、経過措置としている9月末の期限が延長されることはありますでしょうか。
大臣:
まず本年4月1日より保険医療機関・薬局に対して原則としてオンライン資格確認の導入が義務付けられております。直近6月11日時点で義務化対象施設の約82%で既に運用が開始されております。令和4年度末時点でやむを得ない事情がある保険医療機関・薬局については導入義務の経過措置を設けるとともに導入支援のための財政措置の期限も延長する一方、システム事業者に更なる導入加速化を促しているところです。現在の直近の導入ペースを考えますと本年9月末までに義務化対象となっている既に手も挙げていただいているところについては、ほぼ全ての施設への導入は十分スケジュール的には可能と考えています。
その上で今ご指摘の点でありますが、元々義務対象になっていないところは75歳以上程度のお医者様で現在紙レセプトでしか請求していない方はそもそも義務の対象外になっております。それからレセプト件数が少ない場合あるいはこれらと同視し得る複数の事情を抱えている場合には特に困難な事情がある場合として経過措置を認めて、しかもその経過措置の期限はその特に困難な事情が解消するまでとされておりますので、今のご指摘の具体例はそうしたことの上での判断なのかそうしたことをご承知なかったのかわかりませんが、そうした対応をとっておりますのでそうした内容もしっかり周知を図っていきたいと考えております。実際足下の保険医療機関・薬局の廃止施設数、導入を困難と考えて閉院したかどうかはわかりませんが、全体の廃止施設数は前年同月比で増加傾向といった顕著な動きは示していないものと認識しております。引き続き今申し上げたそうした措置もあるということも含めて丁寧な対応を図っていきたいと考えております。

(了)