加藤大臣会見概要

(令和5年6月13日(火)11:01~11:15 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:
 マイナンバーカードの健康保険証利用について申し上げます。医療保険のオンライン資格確認において別の方の資格情報が紐付いて登録された事例については保険者に報告を求めており、昨年11月末までに判明した件数については既に公表させていただきました。今般、昨年12月から5月22日まで、すなわち全保険者に対して点検作業を依頼した5月23日の前日までの間に判明した事例について集計を行い、薬剤情報等が閲覧された事例についても確認を行いました。この期間において、保険者から異なる個人番号が登録されたことにより別の方の資格情報が紐付けられていた事例について新たに60件、うち薬剤情報等が閲覧された事例については新たに4件、前回公表した11月末までの事例のうち薬剤情報等が閲覧された事例について新たに1件確認されました。これらの事例については閲覧を停止しデータの補正を全件実施したところです。別の方の資格情報が紐付き結果的に薬剤情報等が閲覧される事案が生じたことにより、関係する方にはご迷惑をおかけし、また国民の皆様にはご心配をおかけしていることに改めて申し訳なく思っております。引き続き保険者による迅速かつ正確なデータ登録の徹底を求めるとともに、厚生労働省としてもそのための仕組み作りをはじめ国民の皆様の信頼感を取り戻すべくしっかりと対応してまいります。私からは以上です。

質疑

記者:
発表事項についてお伺いします。今回までに保険者から異なる個人番号の登録が判明した事案が7,372件、薬剤情報等が閲覧された事例が10件とのことですが、この数字を見ての大臣の率直な受け止めについてお願いいたします。
大臣:
まさに大事な、特に医療に関する個人情報であります。そうしたことが1件でも間違った紐付けが行われているということはあってはならないことですが、他方で一連の作業で手作業の部分も入っています。まさにヒューマンエラーは起こりうるということを前提にそれをしっかりチェックしていく、こういった仕組みの構築、これまでもしていたのですがやはりそこは十分ではなかったということで、それを徹底する対応を今取らせていただいております。また今後こうした事例が出ないように更に留意するとともに、仮に今そうした事例があればしっかりと相談窓口等からお聞かせいただきながら、最終的には支払基金や国保中央会においてしっかり対応させていただきたいと思っています。
記者:
マイナポータルで他人の年金記録が閲覧できるケースがあったことが明らかになりました。地方公務員らが入る共済組合で見つかったとのことですが、年金を所管する大臣としての受け止めをお聞かせください。また日本年金機構でも同様のトラブルは発生していないのか、更に点検実施の有無についてもお願いします。今後同じ事案が起こらないようどう関与していきたいかについてもお聞かせください。
大臣:
まずマイナポータルで他人の年金記録が閲覧できるケースが地方職員共済組合で1件見つかったことは承知しております。年金に関する、これも大事な個人情報です。適正に管理、紐付けしていかなければならないものと考えております。日本年金機構ですがマイナンバーの紐付け誤りの事例は生じていないとの報告を受けております。また年金機構では年金記録問題の教訓を踏まえマイナンバーの登録誤りの防止策を講じています。具体的には5情報、いわゆる氏名の漢字・カナ、性別、生年月日、住所のJ-LIS情報との一致を人の手を介さずシステムで行うことを基本とするなど登録誤りの防止策を既に実施しているところです。今回の共済組合における点検については共済組合とJ-LISの保有する情報を突合して行うと聞いておりますが、今申し上げたように年金機構においては既にそうしたことは実施しておりますので、再度突合作業をして点検することは必要はないと考えております。他方でご指摘のように幅広く年金にかかる事案だということで不安を持っている方もいらっしゃると思いますので、情報の正確性の確保に引き続き年金機構とともに取り組んでいきたいと考えております。また今回の事案を受けて共済組合所管省庁からの協力の要請があれば、それに応じて適切な対応を図っていきたいと考えております。
記者:
冒頭の発表事項についてお伺いします。従来の7,312件という数に比して60件というのはいささか少ないという印象を受けるのですが、この60件という数に関しては全保険者にお願いした全ての数という理解でよろしいでしょうか。今後増えることはあるのでしょうか。
大臣:
まず7,279件のうち7,114件は、いわゆる協会けんぽが一斉にチェックをしたそのままの数字であります。それ以外は基本的にそれぞれの事例で起きたことについて紐付けに間違いがあったと確認されたものが逐次報告されてきたものを11月末段階でそれも加えて発表させていただき、そしてそれ以後そうした報告があったもので5月22日までの件について確認し、更に先ほど申し上げたログ等をチェックして薬剤情報等が閲覧されているかどうかの確認も行わせていただいたということですので、ボリューム感においての違いはそうした事情ということであります。引き続き今作業もさせていただいておりますので、この作業は6月中にその確認した通りの作業手順でやっていただけたかどうかということについてまず報告をいただき、そこに疑念がある方についてはチェックをしていただく、その結果が7月中に出てきますからその段階でまたその状況をご報告させていただきたいと思っています。
記者:
マイナ保険証の色々なトラブルで国民の不安も結構出てきていると思うのですが、例えば足元で安全性が確認できるまで一旦運用を停止するような余地はあるのかということと、介護保険証についても今後一本化が視野に入っているかと思いますが、そうなると管理する人というのは例えば認知症のお年寄りであったり代理の人になってきたりなど管理がより難しいものになってくると、そのあたりも今後その方向でいくのかどうか教えていただけますか。
大臣:
まず1つはこれまでも申し上げておりますように、マイナンバーカードと保険証を一体化するというかマイナンバーカードにその方の診療情報等々集約する、そしてそれを一体化することで診療ごとにマイナンバーカードを通じてその情報を医療機関に見てもらうことを同意するという仕組みになっております。それらを通じて例えば薬の情報とか診療情報とか、そしてまだ数は少ないのですが電子処方箋のデータとか、こういったものがそれぞれの診療で使われることによって例えば重複投薬あるいは飲み合わせの問題、こういったものをチェックしていくことでより安全な、そしてある意味では重複ということであれば効率的な医療が提供できるわけですから、そのメリットというものはしっかりと皆様に享受していただきたい、実感していただきたいと思っています。そういう中で今回の事案が発生しましたので、こういう事案、個人情報が漏れるということがあってはならないということと、ご指摘のようにその情報によって間違った医療に繋がらないかということでありますが、少なくとも薬剤に関して私がいろいろなお医者様に確認したところでは、基本的に処方されているものだけではなく実際服薬しているかも確認した上で実際の診療を行っているということであります。そういったことも踏まえると、まず今の状況の中でしっかりメリットを享受していただきながら他方でこういう事案をできるだけ少なくしていく、こういう対応をとっていくことが大事だということで今の一連の作業を進めさせていただいているということであります。
 それから介護保険までいかなくても医療保険証、あるいは今の段階でもマイナンバーカードを全ての方にお持ちいただくことが任意ではありますけれども前提で、当然その中には認知症等々の方もいらっしゃいます。あるいは施設等に入っている方もいらっしゃいます。そうした方あるいはそうした家族の方あるいは施設の管理者等の方々からどう対応すればいいのかということ、これまでもお話を聞かせていただいています。基本はそういう方においてもいろいろなこれまでのデータをベースにしたより良い医療を我々は受けていただきたいと考えておりますので、できる限りそうしたカードを活用する中でいろいろなご懸念にどう答えることができるか今、更に関係者の方とお話をしながら集めさせていただいているということでございます。それが整理でき次第またそうした皆様に周知を図っていきたいと思っています。
記者:
年金機構のチェック体制の件でお尋ねします。先ほど4情報、氏名、性別、生年月日、住所が一致していることを確認しているとのことでしたが、その4情報、特に住所も一致していれば理論上別人と紐付けされるような事案は起こりえないという理解でよろしいでしょうか。
大臣:
正確には氏名の漢字・カナ、生年月日、住所、性別、この5情報であります。5情報と一致すれば基本漏れがないということ、要するにJ-LISにある5情報と手元にある5情報が一致していれば他の方という可能性はないということで作業を進めております。実際これまであったのは5情報ではなくて3情報とか少ない情報の中でやってきたという結果としてやはり間違った紐付けがあったという認識の中で、5情報でしっかり確認するという仕組みを医療では今徹底しておりますし、年金については元々そういう形で進めているということです。

(了)