加藤大臣会見概要

(令和5年6月6日(火)9:47~9:54 参・分館(1階)委員部前)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
 冒頭は特にございません。

質疑

記者:
先週末に発表されました2022年の人口動態統計に関してお伺いします。合計特殊出生率は過去最低の1.26であり出生数も77万747人と、外国人を除く出生数が80万人を下回るのは1899年の統計開始以来初めてとなりました。少子化に歯止めがかからない現状ですが大臣の受け止めをお聞かせください。また出生率や出生数が過去最低となった背景について厚労省としてどう分析し、どう対策していくのかについてもお聞かせください。
大臣:
6月2日に公表いたしました人口動態統計によりますと、日本における日本人のみの出生数は令和4年の1年間で77万747人と過去最少、合計特殊出生率は1.26で過去最低、婚姻数は令和4年の1年間で3年ぶりに増加したものの令和5年1月から3月の対前年同月比ではマイナス14.2%となっており、婚姻数の動向も含めて注視していく必要があると考えています。減少の理由ですがコロナ禍以前から中期的な減少傾向のトレンドでしたが、更にそれがコロナ禍によって婚姻数が減少したことなどの影響が考えられます。合計特殊出生率を年齢階級別で見ますと、特に25から29歳の母親の年齢階級で出生率が大きく低下していることが見られるところです。
少子化の背景については様々な要因が複雑に絡み合っているわけですが、先ほど申し上げた感染症の流行の中で結婚行動や妊娠活動に少なからず影響が及ぼされているのではないかと考えております。こども・子育て政策の推進は我が国の社会機能そして社会保障そのものの基盤を維持していくためにも大変重要であります。現在こども未来戦略会議においてこども未来戦略方針の議論がなされ先般素案が提示され、今後方針の確定に向けて議論が深められていくものと承知しております。厚生労働省としても医療・福祉、更には雇用政策等を所管する立場として、関係省庁と連携しながらこども・子育て支援の一層の充実を図っていきたいと考えております。
記者:
本日発表された毎月勤労統計調査の4月分結果速報で実質賃金がマイナス3.0%となり、13か月連続のマイナスとなりました。このことへの受け止めと物価高に負けない賃上げを実現するための対策についてお聞かせください。
大臣:
まず本日公表した毎月勤労統計調査令和5年4月分速報値ですが、実質賃金の対前年同月比はマイナス3.0%と、去年の4月以降13か月連続のマイナスとなっております。やはり経済の好循環のため、また国民生活を豊かにしていくためにも実質賃金の上昇は必要だと考えております。賃金引上げ等の実態に関する調査によりますと賃金改定後における企業の初回賃金支払日、要するに賃金の引上げがいつから行われるかということですが4月から5月前半には約4割で、7月中旬までが約7割を超える、このため春闘、今回強い引上げがなされましたがその効果は今後5月分から7月分の調査に段階的に現れてくるのではないか、また8月分以降に緩やかに続いていくと考えております。労働市場を通じた労働組合未組織企業への波及あるいは人事院勧告の実施による賃金上昇は更にその後に続くため、長期にわたって現れることになると理解しております。
賃上げはまさに労使の交渉で決まるわけですが、今後中小企業においては賃上げが更に拡がっていくように厚生労働省としても様々な支援措置を用意しておりますので、そういったものの活用等を図っていただくべく周知を更に図っていきたいと考えております。また1回限りの賃上げに終わることなく構造的な賃上げということで今、人への投資ということを掲げさせていただいておりますので、リスキリングによる能力向上支援をしていく、あるいは職務給の確立、成長分野への円滑な労働移動を進めていくという三位一体の労働市場改革を進めることによって、働く人の立場に立った労働環境を作っていく、またその中で構造的な賃上げがなされていくというように努力していきたいと考えております。
記者:
昨日の参院特別委員会で、本人の同意がないまま保険証とマイナンバーカードが一体化された事例が5件あったとの厚労省の答弁がありました。大臣の受け止めと問題認識、また国民からはマイナ保険証の扱いへの不安感が高まっていますがその不安に対してどのようにお考えですか。
大臣:
その事案ですが、まず保険者において紐付けにおいて間違いが起きていることについては今是正すべく努力をしております。そういった作業とは異なって各市町村でマイナンバーカードの申込支援事業が行われています。その一環の中で利用登録までという話があるのだと思いますが、その際本人の意向が十分確認されずに利用登録されてしまった、こういった事案で後から本人がそれは希望していないのに繋がっている、こういうお話がありました。これについては例外的に個別に利用登録を解除する対応等を行っており、これまで5件の解除を行いました。まずマイナンバーカードと健康保険証の関係については本人がやっていただくということが大前提であります。一方で利用登録後もマイナンバーカードにより医療機関等を受診するか否か、また薬剤情報等の閲覧を認めるかどうかはその都度端末にかざすかどうか、あるいはかざした後逐一どの情報をその医療機関で閲覧できるか確認できる仕組みになっておりますが、いずれにしてもご本人の意向に則って紐付けをするということですから、その点も含めてしっかり周知を図り、引き続き特に紐付けにおける間違いがないように、(保険者の紐付けの間違いについては)これからの登録において注意していくことはもとより既存の分についてもしっかりと点検を進めていきたいと考えております。

(了)