加藤大臣会見概要

(令和5年5月30日(火)9:36~9:46 院内閣議室前)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:
2点申し上げます。まず雇用統計ですが、令和5年4月の有効求人倍率は1.32倍と前月と同水準となり、都道府県の有効求人倍率は引き続き全ての都道府県で1倍を上回っております。また完全失業率は2.6%と、前月から0.2ポイントの低下となっております。求人・求職の動向や労働力調査の結果を見ますと、現在の雇用情勢は求人が減少した産業があるものの事業主都合離職による求職者が減少傾向にあるなど緩やかな持ち直しとなっております。物価上昇等が雇用に与える影響に留意する必要があると考えております。
2点目ですが、毎年5月31日はWHOが定めた世界禁煙デーであり、厚生労働省では同日から始まる1週間、5月31日から6月6日を禁煙週間と定めております。20歳以上の喫煙率は年々減少し2019年には16.7%となっているものの、目標の12%には達しておらず引き続き減少に向けた取組が必要と考えております。このため世界禁煙デーと禁煙週間を契機に、国民の皆様に喫煙が健康に及ぼす影響と受動喫煙防止の重要性に対する認識を改めて深めていただきたいと考えております。世界禁煙デー当日である明日には記念イベントも予定しており、皆様のご協力とご参加をお願いいたします。私からは以上です。

質疑

記者:
昨日29日午後にマイナンバー関係の閣僚とともに首相と面会された内容と、改めて現時点で把握されているマイナ保険証の誤登録のトラブル件数や今後の対応方針について教えてください。
大臣:
昨日、総理のところに関係閣僚が集まり、一連の誤り事案への対応を含めてマイナンバーカードの普及に向けた取組について総理にご報告いたしました。またオンライン資格確認について別の方の資格情報が紐付いて登録された事案の件数については、一定の期間を定めて保険者に報告を求め、昨年11月末までに保険者から異なる個人番号が登録されていたことが判明した事案は7,312件、このうち別の方の薬剤情報や医療費通知情報が閲覧されてしまった事案は5件あったことを2月に公表しております。その後、別の方の薬剤情報や医療費通知情報が閲覧されてしまった事案は新たに1件が保険者から公表されたところであります。現在、既に登録済みのデータ全体のチェックを行うため、全保険者に対し厚生労働省が示した基本的な留意事項とは異なる方法で事務処理をしていなかったか点検を行い、6月までに作業状況の報告を、7月末までに作業結果の報告をそれぞれ求める等の対応を行っておりますが、この6月までの報告と合わせるタイミングで、昨年12月以降紐付けに誤りがあったとそれぞれが認識されている件数についても公表に向けて集計を行うこととしております。また保険者から報告のあった事案のうち新たに他の保険者にも注意喚起が必要なものがあれば、逐次その概要を公表する等の対応を取ることとしております。
オンライン資格確認により国民の皆様にはより良い医療を受けていただくことが可能となる訳であります。こうしたメリットを実感していただくためにもシステムに対する信頼が非常に重要であり、保険者による過去の事務処理やデータ全体の点検、迅速かつ正確なデータ登録の徹底、仮にシステム上で表示された情報に疑義がある場合には、問合せ窓口にご相談いただければ迅速に担当機関に繋がって具体的な対応がとれる体制の整備、また別の方の資格情報が紐付いて登録された事案が出てくれば、その都度必要に応じて情報をしっかり公表させていただきたいと思っております。
記者:
インフルエンザについてお伺いします。5月以降各地で集団感染が相次ぐなど、未だに流行の目安が2を超える地域も出てきていますが、その要因をどのように考えていらっしゃいますか。また厚生労働省としてどのように対応していくか大臣のお考えをお聞かせください。
大臣:
今シーズンのインフルエンザの発生動向については、全国の定点当たりの報告数が2月6日から12日の週に12.91とピークを迎えたあと減少傾向が続き、5月8日から14日の週には1.36となったが、5月15日から21日の週には再び1.89と増加したと承知しております。またインフルエンザによる集団感染として、例えば学校等の休業については2,459件あった今シーズンのピーク時ほどではないものの、直近の5月15日から21日は323件ということで、ピーク時に比べれば水準は低いですが発生動向と同様に直近で増加傾向にあるものと承知しております。こうした要因としては、今年はインフルエンザの流行のピークが遅く5月上旬においても例年の同時期と比べるとインフルエンザの患者数が比較的多いということ、またその中で新型コロナの感染症法上の位置付け変更後、社会経済活動がより活発になったことに伴い学校行事の再開など人と人の接触が増えたこと、更に昨シーズンまでの2年間はインフルエンザがほとんど流行しなかったことなどが考えられますが、今後全国的に感染拡大傾向が続くかどうかを含め状況を注視していきたいと考えております。
記者:
介護保険について伺います。厚生労働省の方針では遅くても今年の夏までに窓口負担2割の対象拡大と65歳以上の高所得者の保険料引き上げについて結論を出すよう求めていましたが、厚生労働省としては今もその方針で変わりないという理解でよろしいでしょうか。それとも年末まで議論を続けることになるのでしょうか。
大臣:
介護保険制度の給付と負担の見直しについては、昨年の社会保障審議会介護保険部会で4回以上にわたってご議論いただき、昨年12月の審議会の意見書では令和6年度からの次期介護保険事業計画に向けて結論を得ることとされております。その中で今お話のあった、遅くとも来年(令和5年)の夏までに結論を得るべく引き続き議論とされております。一方で全世代型社会保障構築会議では来年度(令和5年度)の骨太方針に向けて検討を進めるべきである旨の記述がされているところです。厚生労働省としてはそうした意見書ないし記述も踏まえ、引き続き利用者の生活への影響も見ながら、高齢者が必要なサービスを受けられるよう丁寧に議論を進めていきたいと考えております。
記者:
コロナワクチン接種後に体調不良を訴える方が多く、亡くなられた方も報告分だけで2,000人を超えています。メッセンジャーRNAワクチンは薬害となる恐れはないのでしょうか。
大臣:
ワクチン接種後の副反応が疑われる症状については、副反応疑い報告制度により常に情報を収集し定期的に開催している審議会において評価が行われているところです。直近では4月28日に開催された審議会において、コロナワクチンについては、ワクチン接種後に死亡事例として報告された副反応疑い事例も含め、その時点での最新の副反応疑い事例等に基づき、引き続き安全性において重大な懸念は認められないと評価されております。厚生労働省としては、引き続き副反応に係る十分な情報、また国内外の副反応疑い事例の収集に努めるとともに、審議会の意見を聴きながら必要な安全対策をしっかり講じていきたいと考えております。

(了)