加藤大臣会見概要

(令和5年5月16日(火)9:44~9:51 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:
G7長崎保健大臣会合の開催について、今朝の閣議におきまして私から、5月13日から14日まで長崎県長崎市においてG7各国及びEUに加えインド、インドネシア及びベトナムが参加するG7長崎保健大臣会合を議長として主宰し全日程を成功裏に終了したことを報告いたしました。本会合では「より健康な未来に向けた協働」をテーマに、将来の健康危機の予防・備え・対応のための国際的な協力の強化、世界全体のユニバーサル・ヘルス・カバレッジ達成への更なる貢献及びそれらを下支えするためのヘルス・イノベーションの促進について、G7としての共通の方向性を確認し会合の結果をG7長崎保健大臣宣言として取りまとめました。また期間中に各国大臣ともそれぞれ会談を行いました。今後、国際的にも協調を図りながら必要な政策を進めてまいります。私からは以上であります。

質疑

記者:
5月8日に新型コロナウイルスが5類感染症に移行して昨日で1週間が経ちました。これまでのところ移行はスムーズにいっていると大臣はお考えでしょうか。医療機関の入院調整や発熱者の相談対応で混乱がおきているなど、厚労省として把握している課題や改善点などがあれば教えてください。
大臣:
まだ5類移行から1週間しか経過していないところであり今の段階で評価することはなかなか難しいが、世論調査などを見ると引き続きコロナの感染再拡大をご心配されているという声が多いと承知しております。また5類移行後に、例えば陽性者の外出自粛が任意になり心配といったご意見、あるいは移行後の受診体制や周知に関するご意見等が寄せられているところであります。引き続き今回の5類移行に向けての対応等についてしっかりと周知を図っていきたいと思っております。入院調整については原則、医療機関間で調整が行われる体制に移行するということですが、現在特段の混乱が生じているとの報告は受けておりません。また5類移行後の相談対応については発熱時等の受診相談及び陽性判明後の体調急変時の相談を対象として継続しておりますが、特段の混乱が生じているという報告は届いておりません。引き続き国民の皆様に安心していただけるよう移行対策を含めてしっかりと対応していきたいと考えております。
記者:
今後サミットが広島で開かれるわけですが、その後に少子化財源をめぐる議論が本格化します。歳出改革で捻出するのも一案ですが、過去に歳出削減してきてもなお更に歳出する余地があると大臣はお考えでしょうか。具体的に会計上どこの部分がまだ歳出可能であるとお考えなのか教えてください。
大臣:
歳出改革については今回の少子化財源に関わらずこれまでも不断に取り組んできたところでありますので、引き続き社会保障の給付・負担についても制度の持続可能性を確保する観点から、今後とも社会保障制度を支える人を増やす、能力に応じて皆が支え合う、あるいはそうした実態に合った内容にしていくなど不断の見直しを行っていきたいと考えております。
記者:
先週都内で2人の麻しんの感染が確認されました。すでに感染が確認されていた茨城県内の男性と同じ新幹線に乗っていたとのことです。厚生労働省の対応と加藤大臣から呼びかけがあれば教えてください。
大臣:
本年4月27日に、海外渡航歴のある茨城県内居住者の方が麻しんと診断されました。患者の行動や接触者について調査したところ、周囲へ感染させる可能性がある時期に公共交通機関を利用した広域の移動や不特定多数の人が集まる施設の利用歴が判明しており、同日茨城県が行動歴等の公表を行ったところです。厚生労働省としても茨城県等や国立感染症研究所と今後の対応を協議しているところであります。本年5月12日の時点で、東京都において当該患者と同じ公共交通機関を利用した者において麻しん患者の発生が2例報告されています。このため同日、厚生労働省から自治体及び医療機関に対し麻しんに対する注意喚起を行うとともに、医療機関における疑い事例の早期診断や自治体における調査等の徹底を依頼したところであります。また厚生労働省のホームページ、SNSで麻しんに関して国民、医療機関、海外渡航者及び定期接種の対象年齢の子を持つ保護者向けに情報発信しているところです。
麻しんは感染力が非常に高く、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症するといわれています。初期は他の急性呼吸器感染症と区別が難しく、一度症状が改善したのちに再び高い発熱や全身に広がる発しんが生じる病気であり初期の段階で疑うことが難しいとされています。このため国民の皆様には、まず第一に今般の事例との接触があったり海外から帰国後に麻しんを疑う症状が現れた場合は必ず受診前に医療機関へ連絡し麻しんの疑いがあることを伝えていただいた上で、受診の際は公共交通機関の利用を控えて医療機関の指示に従っていただきたいと思います。また麻しんの定期接種は2回接種を行うこととしております。感染のリスクを大幅に下げることができます。対象年齢の子を持つ保護者の方々においては忘れずに定期予防接種をお願いしたいと思います。1回目は生後12か月から生後24か月に至るまでの間、また2回目は5歳以上7歳未満であって小学校就学の式に達する日の1年前の日から当該式に達する日の前日までの間にある方が対象となっております。なお新型コロナの影響で接種できなかった方もいらっしゃいますが、定期接種の対象の時期ではない時期に接種を行った場合についても定期接種として取り扱われ公費助成の対象となりますので、お住まいの市町村等に相談いただきたいと思います。最後に海外に渡航する予定の方については、母子手帳等で過去2回の麻しんワクチンの接種歴が明らかでない場合、あるいは過去に感染したことがない場合は予防接種を検討いただきたいと考えております。

(了)