加藤大臣会見概要

(令和5年5月14日(日)11:01~11:32 出島メッセ長崎)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
本日と昨日の2日間に渡りましてG7各国の保健大臣そして招待国であるインド、インドネシア、ベトナムの代表のご参加を得て、G7保健大臣会合をこの長崎で開催させていただきました。これまでの議論を踏まえG7として、「より健康な未来に向けた協働」を進めるために共に取り組むための方向性とその方策を示しました「G7長崎保健大臣宣言」を採択したところであります。この会合ではポストコロナ時代の国際保健協調に向けて、将来の健康危機の予防・備え・対応のための国際的な協力の強化、世界全体のユニバーサル・ヘルス・カバレッジいわゆるUHC達成への更なる貢献、またそれらを下支えするためのヘルス・イノベーションの促進について、G7保健大臣としての共通の方向性を議論しそして確認しました。以下、具体的な内容についてご説明させていただきます。
まず成果として言える第1点目は、2030年までにUHCを達成するための行動指針となる「G7 UHCグローバルプラン」について合意したことです。日本は世界でもいち早く国民皆保険を達成した国として、「適切な医療サービスを誰もが支払い可能な費用で受けられる状態」を指すいわゆるユニバーサル・ヘルス・カバレッジの議論を国際的にもリードしてきたところであります。一方でこの3年間、世界が新型コロナの危機対応に追われ、日常的な保健サービスの基盤整備、医療人材の育成、人々の健康の維持・増進の支援等への対応が残念ながら遅れたという面があります。更にコロナによりかつてないほど保健分野への関心が高まったものの、経済活動や文化活動が徐々に再開する中、ともすると私たちは再び人々の健康を支えるための取組を置き去りにしてしまいかねないという懸念もございます。今回の会合ではG7各国がこのような認識を共有し、2030年までのUHC達成に向けてG7各国が取り組むべき具体的な指針として「G7 UHCグローバルプラン」を取りまとめたところであります。具体的にはUHCを国の優先的な政策課題に位置付けUHC達成に向けた政治的機運を高めること、また「誰ひとり取り残さない」という理念のもと低中所得国における保健サービスの構築を支援することをはじめ、8つの柱に沿った取組を進め、G7が国際的なパートナーであるWHO、世界銀行などと共に更なる支援を行っていくことを盛り込んでおります。UHCの達成目標年であり、また持続可能な開発目標SDGsの達成目標年でもある2030年は、日本が次にG7の議長国を務める予定の年にもあたります。それまでに世界全体でUHCが達成され人々がより健康で安心して暮らせる世界が実現されるよう日本としても積極的に取り組んでまいります。
成果の2点目は、低中所得国を含めた世界中のすべての人々がワクチンをはじめとした感染症危機対応医薬品等いわゆるMCMにアクセスできるようにするための仕組みづくりの必要性について合意したところであります。今般のコロナパンデミックにおいて、例えばワクチンの研究開発は比較的迅速に行われたという点がある一方で、開発されたワクチンが最終的に特に途上国の人々に十分に行き渡らなかった、まさに医薬品の製造から流通という面で課題があったということも事実であります。今回の会合ではこのような医薬品の製造から流通に至る「アクセス&デリバリー」までを含めたバリューチェーン全体の改善に焦点を当て、将来の公衆衛生危機に備えて特に途上国で公平、迅速、有効かつ入手可能な価格の医薬品へのアクセスを促進していくための仕組みを構築し、G7各国が率先して取り組むことに合意しました。この議論は来週行われるG7広島サミットや、G20そして国連総会ハイレベル会合などに向けて更に具体化させ、国際的な協調を進めていくための礎としたいと考えております。
成果の3点目は、薬剤耐性の対策としてプル型インセンティブの重要性について認識を一致したことであります。ワクチン開発をはじめ医薬品の研究開発を支援していく際に忘れてはならない課題が薬剤耐性の問題であります。このような耐性菌が生まれてきますとそれに対応するための新たな抗菌薬を開発する必要がありますが、新たな抗菌薬を使いすぎることにより更なる新たな薬剤耐性を生む可能性もあります。そのため抗菌薬の使用を抑制すると抗菌薬の開発を進める企業としては売り上げが十分に見込めないということで研究開発への投資をためらうなど、企業活動上の高いハードルがあるという課題が存在しています。実際この間こうした研究開発が遅れてきているという指摘もあります。抗菌薬の開発に関しては、研究開発に対して直接的に財政支援を行うプッシュ型インセンティブを中心に進めてまいりましたが、今回の会合では更にAMRへの対策を強めていくためにも、企業に対し開発された薬の利益を保証することで研究開発を促進するプル型インセンティブと呼ばれる新たな支援の重要性についても認識を共有したところであります。プル型インセンティブの取組は我が国でも今年度から新たに取り組み始めたものであります。G7各国でもこのような取組を進めている国は必ずしも多くはありません。そのような中でG7としてプル型インセンティブを含めた対策に取り組んでいくという方向性を初めて示したことは、抗菌薬の今後の研究開発ひいてはイノベーションの推進という観点から大きな足がかりになるものと考えております。加えて申し上げますとAMRのようなヒトだけでなく動物や環境といった分野横断的な課題に対応するためには、ワンヘルス・アプローチと呼ばれる様々な分野や関係省庁がそれぞれの垣根を越えて連携していくことが非常に重要であります。今回このワンヘルスに関してG7として初めてとなる保健・農業・環境の3省合同の専門家会合を本年の後半に開催することについても合意を得たところであります。
成果の4点目は、将来の健康危機をより良く予防し、備え、対応するために求められる迅速な情報提供等の感染拡大防止に関する国際ルール、IHRや今議論しておりますパンデミック条約の制定の必要性についてG7各国としての認識を一致しその方向性を共有したことであります。有事にも資する保健システムの強化を進めるためには、平時からの緊密な財務・保健連携が重要であります。将来の健康危機時における財政的な影響を見越し迅速な資金手当を行う仕組み、いわゆる「サージ・ファイナンシング」の必要性についてG7として共通の考えを確認いたしました。今回の会合に先立ちまして新潟において開催されておりました財務大臣会合とこの長崎保健大臣会合をオンラインでつなぎ、G7財務大臣・保健大臣合同会合を開催したところであります。これによりG7各国の財務大臣・保健大臣間の連携がより一層強化されたものと考えております。
加えて今回の会合で多くの大臣よりコロナ後遺症の対応の重要性について指摘があり、宣言文にも盛り込んでほしいという趣旨のご提案をいただきました。コロナ後遺症は未だに病態や実態がしっかりと解明されておらず、身体的、精神的、社会的、経済的に苦しんでいらっしゃる方が多くおられます。我が国でも病態や実態を解明するための調査研究を行うとともに、適切な医療機関を受診することができるよう、医療機関名の公表など、症状を有する方への情報提供を努めているところであります。そのため大臣たちの提案のご趣旨を真摯に受け止め、大臣宣言の中にコロナ後遺症を指すlong-COVIDという言葉を明確に示し、その管理のための研究や適切なケアの開発・提供の重要性を明示させていただくことを私から提案し承諾いただいたところであります。ポストコロナ時代に向けたG7共通の認識を確認する機会となったと考えており、我が国としても引き続きコロナ後遺症で苦しむ方々への対応を適切に行っていきたいと考えております。またこの提案とともに今までコロナに対応してきていただきそして今もなおコロナの対応を続けておられる医療従事者の皆様への感謝の意も表明いただき、またそうした皆様への支援の必要性も宣言の中に盛り込んでいるところであります。今月5日にWHOがコロナの緊急事態宣言を終了する旨を発表いたしました。また我が国においても8日に国内の感染症法上の位置付けを5類感染症としたところであります。まさに世界全体がポストコロナの時代に向かって歩き出したと言ってよいと思います。そうした状況にあったとしても医療従事者の方々、また保健、医療、介護、福祉など様々な支援に関わる方々のコロナへの闘いは続いております。私からもこれらの方々への感謝を改めて表明するとともに、その働く環境を守り、働きがいのある仕事そしてその働きに見合う処遇がしっかりと確保される、こうした仕組みづくりをこれからも続けていくことをお伝えしたいと思います。G7の皆様と招待国の皆様に会議の場で素晴らしいご意見やご提案、本当に熱心にご議論いただいたことを深く感謝申し上げたいと思います。
今回の会合はポストコロナ時代を迎え初めて開催された保健大臣会合となりました。2日間の議論を通じて、様々な制度・文化的背景を持つ国々がコロナという共通の健康危機を乗り越え、より健康な未来に向けて新たな協働の方向性を示せたことは大変有意義な機会であったと考えております。今回採択された「G7長崎保健大臣宣言」、また来週開催されるG7広島サミットの成果も踏まえつつ、宣言に盛り込まれた施策の着実な実施に向けて我が国はもとより各国と協調して取り組んでいきたいと考えております。私からは以上であります。

質疑

記者:
2日間に渡ったG7保健大臣会合の議論の成果と採択された宣言のポイントについて改めて伺えればと思います。また今回インド・インドネシア・ベトナムの3か国が招待国として参加されましたが、G7に加えて3か国が議論に加わったことの意義についても教えてください。
大臣:
冒頭で申し上げましたとおり、G7長崎保健大臣宣言ではコロナパンデミックの経験を踏まえ、特に世界全体のUHC達成への更なる貢献、医薬品等への公平なアクセスの仕組みづくり、AMRにおけるプル型インセンティブの推進など、「より健康な未来に向けた協働」の方向性を示すことができたと考えております。また招待国については日本がアジアで唯一のG7参加国であることから、インド、インドネシア、ベトナムの3か国にご参加いただきました。それぞれの国の保健上の課題、またその取組そして国際連携の現状について直接お話しいただくとともに、私からもASEAN感染症対策センターに係る支援やアジアにおける臨床研究・治験のための国際的なネットワークの構築などについてもお話しし、地域における協働またG20との連携の必要性などについて各国大臣との間で認識を共有することができたと考えております。
記者:
世界全体がポストコロナに向けて歩き出したというお話がありました。今回の会合でも議論されましたが、3年以上に及ぶコロナ禍の教訓を日本としてグローバル・ヘルス・アーキテクチャーの構築にどのように活かしていきたいのかお考えをお聞かせください。
大臣:
今回コロナパンデミックによる教訓をもとにいろいろ議論いたしましたが、特に医薬品等への公平なアクセス確保と財務・保健連携の強化については、今般のコロナの影響により浮き彫りとなった課題であると考えております。医薬品などについては今回の会合では、医薬品の製造から流通に至るアクセス&デリバリーまでを含めバリューチェーン全体の改善に焦点を当て、将来の公衆衛生危機に備えて特に途上国で公平、迅速、有効かつ入手可能な価格の医薬品へのアクセスを促進していくための仕組みを構築し、G7各国が率先して取り組むことについて合意いたしました。また財務・保健連携については健康危機時において様々な財政的な支出が必要となります。そうしたことを見越し迅速な資金手当を行う仕組み、いわゆるサージ・ファイナンシングの必要性についてG7財務大臣・保健大臣合同会合における議論を通して共通の考えを確認いたしました。様々な取組が重複したり隙間を生じたりすることなく将来の健康危機に対する予防・備え・対応の強化のために効率的に働くよう、コロナの教訓を踏まえながら更なる議論を行っていきたい、また取組も進めていきたいと考えております。
記者:
今週末には広島での首脳会合が控えています。この長崎での成果を広島にどう繋げたいかお考えをお聞かせください。
大臣:
MCMの供給に関して、特にワクチンの研究開発は比較的迅速に行うことができたと認識しておりますが、その成果が途上国の人々に十分に行き渡らなかったという課題もあったと指摘されております。今回の会合ではこうした医薬品の製造から流通に至るアクセス&デリバリーまでを含めたバリューチェーン全体の改善に焦点を当て、将来の公衆衛生危機に備えて特に途上国で公平、迅速、有効かつ入手可能な価格の医薬品へのアクセスを促進していくための仕組みを構築し、G7各国がそれに向けて率先して取り組むことに合意いたしました。この議論は来週行われるG7広島サミットや今後のG20ハイレベル会合など国際的な議論の場に向けて更に具体化させ、国際的な協調を進めていくための礎としたいと考えております。
記者:
今回の保健大臣会合でウクライナへの医療支援で具体的に資金面での拠出や医療人材の育成なども含め何か新たに決まったことはありますでしょうか。あれば教えてください。
大臣:
今回のG7長崎保健大臣会合においてウクライナへの医療支援について新たに具体的に決まったことはありませんが、G7長崎保健大臣宣言の中でロシアによるウクライナに対する侵略戦争を非難するとともにウクライナの人命、医療システム、医療従事者への影響について強調し、国民の健康を守るための努力を続けるウクライナ政府への支援の意向をG7として改めて示したところです。また昨日の会合の冒頭の発言でも、ウクライナ情勢に関する日本の原則的な立場として宣言と同様の内容を主張させていただきました。G7のみならず世界中の協力・連携が重要であり、こうした課題に全力で取り組んでいく所存であります。
記者:
今回の保健大臣会合では途上国への支援をいろいろな形で打ち出しました。これは国際保健分野で我が国が途上国いわゆるグローバルサウスでの同志国を増やすのにも大いに弾みになったとも思いますが、この点につきまして大臣のご見解をお聞かせください。
大臣:
まずパンデミックのような公衆衛生危機においては自国の医療体制整備や感染症対策に取り組むだけでは決して十分ではありません。世界全体で取り組む必要があり、なかんずく途上国など公衆衛生危機下にある国を迅速に支援し危機を拡大しないよう努めることが非常に大事であります。今般のコロナパンデミックにおいてワクチンの開発については迅速でしたが、その成果が途上国の方々に行き渡らなかった、まさに医薬品の製造から流通に至るアクセス&デリバリーまでを含めたバリューチェーン全体の改善に焦点を当てたということが一つこの会合のポイントだと思っております。そしてG7各国がアクセスを促進していくための仕組みを構築し率先して取り組むことも合意できたわけであります。こうしたことで途上国を含めた世界全体が将来の公衆衛生危機に向けて予防・備え・対応を十分に強化できる、こういった内容になっていると思いますし、また先ほどのサージ・ファイナンシングの話もそうした取組を支えるものに繋がると考えております。
記者:
今回の保健大臣会合では、新たな感染症などによる公衆衛生危機に備えたワクチンや医薬品の公平なアクセスといった国際保健の枠組みなどについて議論し大臣宣言が採択されました。今後途上国の参画が課題になるかと思いますが、どのように理解を得ていく考えかお聞かせください。
大臣:
まず今回の議論をベースにG7サミット首脳会談、そしてG20が今度はインドで開催されます。それから国連総会ハイレベル会合が9月に行われるわけですから、まさにそうした中においてG20であれば 発展途上国、更に国連でのハイレベル会合になればすべての国が参加されるわけでありますから、そうした中でこうした議論をしっかりと深めていくということが必要ですし深めていくことになります。そのプロセスの中で今回こうしたことをG7で打ち出すことができたということは、先ほど礎と申し上げましたが非常に価値があるものだと考えております。
記者:
本日の日程にG7と招待国の保健担当大臣らによる平和公園訪問が追加されました。この訪問の意義と訪問によって長崎から世界に向けてどのようなメッセージを発信したいか教えてください。
大臣:
本日の午後にG7保健大臣、インドネシア保健大臣及びベトナムの代表とともに平和公園を訪問し平和祈念像に献花をする予定となっております。今回のG7長崎保健大臣宣言においてもロシアによるウクライナ侵略戦争への言及が盛り込まれており、そのような中で各国の代表が平和公園を訪問することは時宜にかなった意義のあるものだと認識しております。また来週には広島でサミットが開かれます。その際にも平和記念公園の訪問等が予定されていると承知しております。この首脳会談が広島で、長崎において保健大臣会合が開催され、またそうした中で大臣の皆様方に公園を訪問していただくということはまさに広島のサミットにも繋がる、また平和に対する希求を更に強調することに繋がっていくと考えております。
記者:
今回公式には長崎原爆資料館の訪問や被爆者との対談などは日程にございません。核なき世界を掲げる岸田首相のもと来週には広島のサミットが開催され、その中でも主要議題として核軍縮ということが掲げられておりますが、もう一つの被爆地である長崎でも各国の代表の方に被爆の遺産に触れてもらいたいという地元の被爆者の皆さんからも声が上がっております。今回被爆者との対話や資料館訪問をしなかった理由と大臣の見解をお聞かせください。
大臣:
今回の保健大臣会合のメインはまさに会合そのものであり非常にタイトなスケジュールであります。それぞれ各国の皆様方も日本に来てそして長崎まで足を運んできていただいております。そうしたタイトなスケジュールではありますが、是非この中で平和公園には行っていただきたいということで今回予定させていただいたところであります。なお各国の代表や事務方の中には原爆資料館などをすでに訪問された方もいらっしゃると聞いております。
記者:
改めて大臣としてその辺りはどのようにお考えですか。
大臣:
今申し上げたようにこの時期に平和公園を訪問していただくということは大変意義があると考えております。それから各大臣におかれてもこの長崎という意味において、今回選んだ場所としてもちろん長崎の地が医療に対して大変関連が深いということのみならず、いわゆる被爆地であるということをそれぞれ皆様認識していただいております。確か昨日の展示の中にもそういったスペースがあってそこも見ていただいたと思っておりますし、そうした流れの中で先ほど申し上げたようにそれぞれのご都合の中やりくりしながら代表、事務方の中では原爆資料館までご訪問いただいたと思っております。
記者:
午後から平和公園を訪れるにあたって加藤大臣がどのような思いで今回献花に臨まれたいのかそのお気持ちをお聞かせください。
大臣:
私自身これまでも追悼の行事の際にも過去厚労大臣としてこちらを訪れさせていただいたこともございます。そうした中で今回こうしてまさに保健大臣会合の広い意味での行事の一環として皆様と一緒に献花をさせていただくことが一つ大事なことだと思っております。そうした流れの中でこうしたことが2度と起きないように我々も努力をしていく、そして悲惨な実態があったことそしてまさにウクライナ等で今様々な懸念が高まってきている、こうした時だからこそこうして各大臣と一緒に献花をさせていただいて改めて平和の必要性そしてそうした事態が起こらないよう我々が努力をしていかなければならない、このことの認識を私自身も改めて深く心に刻むとともに各大臣とも共有をさせていただければと思っております。
記者:
保健大臣会合を長崎で開催する意義について教えてください。
大臣:
長崎市は高度感染症研究センターや我が国有数の熱帯医学研究の拠点である熱帯医学研究所を有する長崎大学を中心に、世界の医療や公衆衛生分野の発展をリードしてこられた地域であります。まさに感染症対策をはじめとして国際保健の議論を行うに相応しい開催地であると思いますし、参加した大臣からもそうした評価をいただきました。また昨日大臣の皆様で参加していただきましたが、サイドイベントで長崎大学熱帯医学研究所、原爆後障害医療研究所、高度感染症研究センターの研究の概要や成果を展示していただき、そうしたものを見させていただくことが充実した会合にも繋がったと考えております。またそうした長崎大学等では日本だけでなく海外からも留学生の方が来られておりますが、そうした皆様に説明をしていただいたということ、それを見られた方にもまさに長崎が日本だけではなく国際的な取組を行っているということを身をもって受け止めていただけたのではないかと感じております。更に郷土芸能としての龍(じゃ)踊りを長崎市の鶴鳴学園長崎女子高等学校の龍踊部の皆様に大変迫力のある踊りを見せていただきました。私の方からもこうした流れの所以として長崎がその文化、日本だけでなく各国地域の文化が日本に流れ込んでくる結節点という説明をさせていただきました。そうした日本における長崎の位置付けあるいは出島を抱えるこの地域の位置付け、こういったこともご理解いただいた、まさにその場において国際的な会合、各国から7大臣のみならずアジアの大臣も参加していただいた会合を開くことができたということは大変意義深かったと私自身も思っています。
記者:
長崎市と長崎県が被爆者と認められていない被爆体験者の方たちについてこれまで出されている体験記などの資料を改めて調査するように要望したと思います。国として3月時点ではまだ対応検討中ということでしたが、その後どうなったのか大臣としてどのようにお考えかお聞かせください。
大臣:
その件に対してすでに答えが出たとは聞いておりませんので、引き続き省内において検討されているものと承知しております。

(了)