加藤大臣会見概要

(令和5年3月10日(金)8:37~8:45 衆議院議員食堂)

広報室

会見の詳細

閣議等について



大臣:
 東日本大震災の発生から、明日3月11日で12年が経過いたします。改めて震災でお亡くなりになられました皆様方の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様方にも哀悼の意を表したいと思います。この間、被災地の方々の絶え間ない努力によって復興は着実に前進してきたと考えております。私自身も復興大臣であるという強い意識をもって、被災者の方々の心のケア、医療・介護提供体制の整備、雇用対策等に引き続き取り組んでいきたいと考えております。
 
 2点目がマスクであります。新型コロナ対策におけるマスク着用の考え方については、2月10日の政府対策本部決定に基づき来週13日(月)から見直すこととしておりますので改めて周知したいと思います。具体的には屋外では原則不要、屋内では原則着用としている現在の取扱いを改め、行政が一律にルールとして求めるのではなく、個人の主体的な選択を尊重しマスクの着用は個人の判断に委ねることを基本とすること、政府は個人のマスク着用の判断に資するよう感染防止対策としてマスクの着用が効果的である場面などを示し、一定の場合にマスクの着用を推奨することとしております。
 政府としては、まず高齢者等重症化リスクの高い方への感染を防ぐために、医療機関を受診する時、高齢者等重症化リスクが高い方が多く入院・生活する医療機関や高齢者施設等を訪問する時、通勤ラッシュ時等混雑した電車やバスに乗車する時にはマスクの着用をお願いしたいと思います。また、このような場面のほか感染からご自身を守るために、流行期に重症化リスクが高い方が混雑した場所に行く時にはマスクの着用が効果的であること、このことについても周知してまいります。また、高齢者等重症化リスクが高い方が多く入院・生活する医療機関や高齢者施設等の従事者の方においては、勤務中のマスクの着用をお願いいたします。
 なおマスクの着用は個人の判断に委ねるものではありますが、事業者が感染対策上または事業上の理由等により利用者や従業員にマスクの着用を求めることがあります。現在、業種別にガイドラインの作成が進んでいるところと聞いておりますが、そうした点についてはご理解とご協力をお願いいたします。
 繰り返しになりますが、マスクを着用するか否かは個人の判断が基本となります。本人の意思に反してマスクの着脱を周りの方が強いることがないよう、個人の主体的な判断が尊重されるようお願いいたします。なお卒業式を除き学校におけるマスク着用の考え方の見直しは、4月1日から適用することとなっております。
 厚生労働省ではこうした見直しの趣旨やマスクの着用をお願いする場面について、国民の皆様に不安や混乱が生じないよう分かりやすいリーフレットやウェブサイト、SNSを通じて広報を行っており、引き続きテレビCM等も活用して丁寧な周知に努めていきたいと考えております。国民の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。私からは以上でございます。

質疑

記者:
新型コロナをめぐり8日のアドバイザリーボードで、感染防止対策として5項目からなる「新しい健康習慣」が示されました。この新しい習慣について大臣はどのように評価されますでしょうか。また、今後は飲食店などのパーティションを取り外すといった措置も必要ではないかと思われますが、大臣は個人的にパーティションは不要だとお考えになりますでしょうか、見解をお聞かせください。
大臣:
一昨日(3/8)の厚生労働省アドバイザリーボードで、専門家有志からこれからの身近な感染対策を考えるに当たっての「新たな健康習慣」についての見解が提出され、具体的には5つの基本が示されました。1点目は体調管理、2点目は場面に応じたマスク着用・咳エチケット、3点目は換気・三密回避、4点目は手洗い、5点目は適度な運動・食事などの生活習慣が提案されています。これらについては前々回のアドバイザリーボードで私から専門家の皆様に感染対策についてのご議論をお願いした中で、迅速に現時点での見解を整理いただいたものと受け止めております。
 今後の在り方については、こうした見解を踏まえるとともにパーティションの取扱いも含めて引き続き専門家からご意見をいただきたいと思っております。なお、こうした観点について私の個人的な見解を述べることは差し控えさせていただきたいと思います。
記者:
マスクについてお伺いします。マスクについて個人判断に委ねる意義を改めて教えてください。もう1点、例えば同じ場所で個人判断によって着ける、着けないなど考え方が違うケースがあると思います。そういった場合混乱を避けるためにどのようにしていくべきなのか教えてください。
大臣:
今回1月27日の厚生科学審議会感染症部会で「今では過剰とも言える感染対策はできる限り早期に見直しつつ、新型コロナの特性を踏まえて有効な方法については引き続き丁寧に情報発信すべき」といった意見をいただいたことを踏まえて、今回マスクの着用を先ほど申し上げたように個人のご判断に委ねることを基本としたところであります。それぞれまさに個人の判断でございますから、それをまさしく尊重していただきたいと思います。ある意味ではいささか着用しているのですか、していないのですかというところに議論がいっていると思いますので、むしろそこは自然体で対応していただくことがいいのではないかと個人的には思っているところでございます。
 それから2点目は先ほど申し上げたように個人の判断に任せていますので、それぞれのご判断でやっていただきたい、ただそれぞれの事業所等におかれては新聞報道等を見ておりますと、特に高齢者が多く来られるところなどは、そういうところに配慮して従業員の方にもマスクの着用をお願いするといった判断をされているところもあると承知しておりますので、それはやはりそれぞれそういった方に対する配慮を考えながらご対応いただければと思いますが、ただいずれにしてもそれらも踏まえた上で個人が自主的にご判断をいただければと思っております。
記者:
同じくマスクに関連してですが、コロナ禍が終わって正常化に向けた第一歩だと思いますが、これに対しての大臣の受け止めがあればお願いします。
大臣:
マスクだけではなくて5月8日には位置付けの見直し等も行うところでございます。また、この間もコロナの感染の状況、あるいはワクチンの接種が進む、治療薬が利用できる、こういったことを踏まえて逐次見直しをし、また基本的には感染症というのは行動制限をかけるわけでありますから、それを必要最小限度にすべきとの指摘も踏まえて見直しをしてきたわけであります。こうした状況を国民の皆さんあるいは医療現場の皆さんのご協力等をいただいてここまでやってこれた、引き続き感染には十分留意しながら1日でも早く日常を取り戻していただきたいと思いますし、またそれを1つのきっかけに経済や社会活動が元に戻る、そして更にこの機会に発展していくことにもつながっていけばと思っております。

(了)