加藤大臣会見概要

(令和5年2月17日(金)9:03~9:13 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
 冒頭特にございません。

質疑

記者:
新型コロナの5類移行後の医療提供体制についてお伺いします。先週から今週にかけて、全国知事会や日本医師会がコロナの診療報酬の特例や病床確保料についての支援を一定期間続けるよう要望しています。これらを受けて、継続するかどうかのご判断についてお考えをお聞かせください。また継続する場合、現状よりも加算を縮小するか否か現在のお考えを教えてください。
大臣:
新型コロナの感染症法上の位置付けの変更に伴って、入院や外来の取扱いが原則としてはインフルエンザなど他の疾病と同様となるわけでありますので、幅広く新型コロナの患者を受け入れていただける体制を作っていくということが必要であります。そうしたことを念頭に置きながら、これまでとってきた各種対策・措置を段階的に見直していくわけでありますが、先般も全国知事会あるいは医療機関の方からも話を聞きました。具体的な内容については3月上旬を目途に検討・調整を進めていきたいと考えております。その際に急激な負担増が生じないよう、入院・外来の医療費の自己負担分に係る一定の公費支援について期限を区切って継続する、これは既に申し上げているわけであります。また厚生科学審議会感染症部会では、自己負担が高額となることを懸念する意見、また他の疾病における費用分担との公平性を踏まえつつ検討することが必要との意見があったわけであります。こうした意見も踏まえて検討を進めていきたいと考えています。
記者:
こども関連予算を巡り、岸田首相が15日の衆院予算委員会で家族関係社会支出のGDP比2%を倍増すると表明したものの、翌16日には官房長官がGDP比を倍増の基準としたわけではないと述べ首相の答弁を修正した形となりましたが、大臣の受け止めと改めて何をもって倍増とするべきか、そして倍増に向けどのように取り組むかについてお考えをお聞かせください。
大臣:
岸田総理の答弁またそれに対する対応については、昨日の官房長官の会見で説明が行われていたと思います。具体的には、こども予算を更に強化することにより防衛費との関係においても決して見劣りするわけではないとの趣旨で総理が言われたものであり、将来的な倍増を考える上でのベースとして、この家族関係社会支出対GDP比に言及したわけではないということであります。具体的にどういうベースにするかということについて様々な把握の仕方があるということも同記者会見で言われていると承知しております。その上で中身をどうしていくのかということで小倉大臣の下で今検討が進められ、最終的には6月の骨太方針までに具体化していくということでありますので、厚労省としてもそうした検討にしっかり対応していきたいと考えています。
記者:
2024年秋以降マイナ保険証の代わりとして使える資格確認書について伺います。関係省庁との調整の結果、確認書発行は無料とするのか有料とするのかと、有効期間について教えてください。あわせて希望者には確認書をずっと利用することを認めるお考えでしょうか。あるいは24年秋以降のどこかのタイミングで確認書も廃止する必要性があるとお考えでしょうか。
大臣:
マイナンバーカードと健康保険証の一体化については、デジタル庁、総務省、そして厚労省の3省庁による検討会において、本日「中間とりまとめ」が作られ、この後公表される予定と聞いております。「中間とりまとめ」では、マイナンバーカードによるオンライン資格確認を基本としつつ、オンライン資格確認を受けることができない状況にある方については資格確認書により被保険者資格を確認する、資格確認書の有効期間は1年を限度として各保険者が設定する、従前から申し上げておりますが保険料を納めることをもって保険診療を受けることができるのは当然のいわば権利でありますので、現行の保険証と同様無償となるというわけであります。
 また資格確認書の具体的な運用方法については今後、今回の「中間とりまとめ」の考え方に則って検討していくわけでありますが、資格確認書を希望する理由等を踏まえて保険者が判断し発行・更新していくということになるものと考えています。また、マイナンバーカードの紛失など資格確認書を必要とする事態は今後とも想定されるということからして、こうした仕組みは引き続き必要ではないかと考えています。
記者:
マイナ保険証の件で関連してお伺いします。有効期限を1年としたとのことですが、その理由をもう少し詳しく教えていただきたいのと、一部有料化という声もあがっていたと思いますが、無料化したところの理由と大臣の受け止めについてもお聞かせください。
大臣:
1年間というのは、これまでもいろいろな期間がありますがその中でも1番短いのが1年間なので、その1年間に合わせさせていただいたということであります。それからいろいろとご意見があったということですが、ただ政府の中でそういうことを議論していたわけでは全くありません。従ってこういう結論になるのは当然のことだと私は考えています。
記者:
三菱ケミカルが多能性幹細胞ミューズ細胞を使った再生医療製剤の開発中止を14日に発表しました。再生医療の推進は政府の重要政策ですが、開発中止をどう受け止めていますか。また、今後新たな開発パートナー探しが難航した場合、ミューズ細胞のこれまでの知見や技術が国外へ流出されることも懸念されますが、この点をどうお考えですか。
大臣:
三菱ケミカルグループの生命科学インスティテュート社がミューズ細胞を用いた再生医療等製品を開発中止する旨発表されたことは承知しています。個別事案でありますので具体的なことは差し控えたいと思いますが、再生医療の推進は非常に重要だと考えております。その上で今後再生医療の実用化に向けて様々な相談等がある場合にはしっかりと対応していきたいと考えています。
記者:
もう1点、同日14日にミューズ細胞製剤を使った治験を担当した医師、また発見者である東北大の教授が記者会見し、三菱ケミカルがまとめた治験結果報告書に対して疑義があり、データを開示して病院側の記録と照合するよう求めました。厚生労働省として三菱ケミカル側に何らかの指導等を行う考えはおありでしょうか。
大臣:
報道で、都内で緊急会見が開かれ同社に対してデータの照合・確認をその方々が求められていることは承知しております。ただこれは当事者間の個別の案件でありますから、政府としては発言を差し控えさせていただきたいと思います。
記者:
八王子市の精神科病院で看護師らによる暴行が疑われ、1人が逮捕、病院も捜索を受けました。この件に関する大臣の見解をお願いします。また、精神科病院で虐待事案が相次いでいることについての大臣の見解もお願いいたします。
大臣:
精神科病院における患者に対する虐待など人権侵害はあってはならないことでありますし、こうした形の虐待事案の発生は誠に遺憾であります。虐待行為の早期発見・再発防止に向けて都道府県において適正な指導監督を行うよう、従前から都道府県へ周知してきたところでありますが、虐待が疑われる場合は躊躇なく行政指導を行うよう改めて都道府県に周知していきたいと考えています。
 また改正精神保健福祉法、これは先般臨時国会で成立いたしましたが、令和6年4月からは虐待を発見した人は都道府県に通報する義務が生じることになるわけで、この施行に向けた準備もしっかり進めていきたいと考えています。
 今回の事案については東京都が立入検査等の対応を進めていると承知しております。東京都と連携をとりながら適切な対応を図っていきたいと考えています。

(了)