加藤大臣会見概要

(令和5年2月7日(火)9:52~10:01 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
私からは特にございません。

質疑

記者:
こども政策について伺います。本日、こども政策の強化に関する関係府省会議が開かれ、経済的支援を中心に議論が行われる予定です。大臣は先日、岡山市内での会合で、児童手当の所得制限をめぐり「現金給付は否定しないが、所得制限の撤廃に議論が行き過ぎている」「現物給付なども含めてまとめて議論すべき」という考えを述べました。関連して3点伺います。児童手当の所得制限の撤廃について大臣のお考えを教えてください。2点目、児童手当の強化には「高校生までの支給延長」と「多子加算」という2つの論点もありますが、大臣の考えを教えてください。最後に、児童手当はこどものいる人への支援になりますが、その前段階として、望めば結婚や出産ができるように若年層の賃金水準の引き上げといった経済基盤を強化することの必要性について大臣の考えを教えてください。
大臣:
冒頭お話がありましたように、政府の中ではこども・子育て政策の強化に向けて、総理からご指示のあった基本的な方向性に沿って小倉大臣の下で検討が進められ、今日にも関係府省会議でも議論を深めていくということで、まさに今議論しているということでありますから、私の方から所得制限の撤廃あるいは今お話があった支給延長、多子加算、こういったことについて言及するのは差し控えさせていただきたいと思います。いずれにしても3月末を目途にこども・子育て政策として充実する内容を具体化すべく、厚労省としても検討にしっかりと参画していきたいと思っています。
 また経済的な基盤の強化の必要性というお話がありました。これも望めば結 婚や出産ができるように若者の経済的基盤の安定は重要であります。非正規で働く方が正社員になりたい、それを実現していく、あるいは同一労働同一賃金を通して非正規の方の処遇を改善していく等々、様々な施策を通じて若い皆さん方の経済基盤を強化していくということは大事だと考えています。
記者:
先日、岡山市内での会合で、所得制限の撤廃に議論が行き過ぎているとのお考え を政務活動ではあるのですが仰っていたと思うのですが、そのあたりのご発言の意図はありますか。
大臣:
今申し上げたのは厚労大臣としてお聞きをいただいているのでそういうことで申し上げました。今ありましたように地元の衆議院議員という立場でお話をさせていただき、その中においてはそこの現場でも申し上げましたが、所得制限ということになると年収例えば960万とか1,200万という、しかも世帯合算ではなくてどちらかより収入の高い方の水準で判断されているわけでありますが、私の地元で回る限り残念ながらそれだけの収入をもって子育てをされている方というのはあまりおられない、そうするとそうした皆さんから見ると所得制限を中心とした議論というのは、自分たちの話をしているのかどうかという受け止め方もあるのではないのか、実際我々はそうではなくてもっと幅広く児童手当に関して、更に言えば総理の基本的な考え方についても、所得制限だけじゃなくて、教育や保育の質の向上を図っていくとかあるいは様々な支援サービスをより受けやすくしていくとか、更には先ほど話もありました働き方に関する話も含めて広範な議論をしていただくのだということを申し上げたかったということであります。
記者:
本日公表の毎月勤労統計調査で実質賃金が2022年平均で0.9%減となったことへの受け止めと、あわせて同年12月でみると0.1%増となったことで今年1月以降もプラスが継続するのかなど、どのように推移すると考えるか、またどういった政策を講じていく必要があるかについてもお聞かせください。
大臣:
本日公表した毎月勤労統計調査令和4年平均の速報値でありますが、実質賃金の対前年比はマイナス0.9%、これは名目賃金が平成3年以来の高い伸びのプラス2.1%となった一方で、消費者物価指数がそれを超えてプラス3.0%と上昇したということであります。経済の好循環のためには実質賃金の改善が必要だということはこれまでも申し上げてきたところであります。また足下12月の実質賃金は前年同月比でプラス0.1%と、令和4年3月以来9か月ぶりのプラスとなっていますが、これは賞与を含む特別給与が大きく増加したことが寄与しております。
 1月以降の賃金について現時点で予断を持って言及することはできませんが、目下の物価上昇に対する最大の処方箋は物価上昇に負けない継続的な賃金の上昇であります。賃上げそのものは各企業がその状況に応じて決めていかれるものでありますが、これから春闘においてどういう形でそれが決まっていくのか、またそうした賃金の引き上げを政府としても押し上げていくために、昨年の総合経済対策では生産性向上と一体的に取り組む賃金の引き上げに対する支援の拡充などを行ったところであります。こうした措置をしっかり活用していただく、更には賃上げの流れを継続・拡大していくための「人への投資」の支援を「5年間で1兆円」のパッケージということで、令和5年度予算でも前年度比1.5倍の約1,500億円を計上しております。1日でも早い予算の成立を図っていただいて、こうしたものも積極的に活用していきたいと思っております。
記者:
先ほどの所得制限の撤廃の話に関連するのですが、高所得者が少ない地域ではメリットが少ないと言われていることについては大臣からも説明があったかと思いますが、そうしますと、よりそういった地域の皆さんにもメリットを感じてもらうためには具体的にどんな対策を実行していくべきだとお考えになりますでしょうか。
大臣:
メリットがあるという以前の問題として、自分たちのことなのかという受け止め方、あるいは自分たちのことではないという受け止め方になってしまうのではないかということで、先ほど申し上げた説明をさせていただいたということであります。我々が今やっているのはそのことだけではなくて幅広い議論をしている、総理からも大きく3本柱を含めて指示もいただいている、そういう全般をしっかり議論していくということを申し上げた、そしてそれを通じて今子育てをされている皆さん方あるいはこれからこどもを持ち子育てしていこうという皆さん方、そうした皆さんの声もしっかり聞いていただく、それから会場にはまさにそれを支援・応援していくという方々・世代、私もそういう世代に入っているわけでありますが、そういう世代の皆さん方もおられる、そういった皆さん方の理解もいただきながらしっかりとしたこども・子育て政策を強化していくといった方向性を打ち出していきたいと考えています。

(了)