加藤大臣会見概要

(令和4年12月27日(火)11:12~11:33 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
 令和4年11月の有効求人倍率は1.35倍と前月と同水準となり、都道府県の有効求人倍率は引き続き全ての都道府県で1倍を上回りました。また、完全失業率は2.5%と、前月から0.1ポイント低下となっております。求人・求職の動向や労働力調査の結果をみますと、現在の雇用情勢は求職者が引き続き高水準にあるなど一部に厳しさがみられるものの、緩やかに持ち直しています。新型コロナウイルス感染症や物価上昇が雇用に与える影響に留意する必要があると考えております。

 二点目でありますが、先月宗教関連の虐待事案に適切に対応するためのQ&Aを作成する方針をお示しし、その準備を進めてまいりました。最終調整をした上で本日中に公表する予定であります。 Q&Aには実際に被害に苦しまれた方々のご意見も踏まえながら、宗教の信仰等を背景とする児童虐待事例の整理や、児童相談所や市区町村が相談対応に当たる際の留意点等を盛り込んでいます。今後この内容が児童相談所や市区町村はもちろん、学校等の関係機関にも浸透するよう、関係省庁とも連携しながら具体的な周知を図っていきたいと考えています。また厚生労働省のSNSも活用して広く国民に周知を進めてまいります。 宗教の信仰を含め、理由の如何を問わずに児童虐待は決して許されるものではありません。国民の皆様におかれましては児童虐待が疑われる事案を把握された場合には、最寄りの市区町村、児童相談所又は児童相談所虐待対応ダイヤル189(いちはやく)までご連絡頂きますようお願いいたします。私からは以上であります。

質疑

記者:
冒頭発言にありました宗教の虐待に関するQ&Aについてお伺いします。今お話もありましたが、改めてQ&A発出の狙いやあるいは児童相談所などに求めること、また厚生労働省として今後、旧統一協会をはじめとする宗教の問題にどのように取り組んでいくのかお聞かせください。
大臣:
宗教の信仰等を背景とする児童虐待事案への対応については、本年10月に宗教に関することを理由として消極的な対応をとらないよう全国の児童相談所等に対して通知しているところであります。その上で本日公表予定のQ&Aは、そうした事案の対応に当たる現場の児童相談所等の職員の皆さんの判断に資するよう、宗教に関連する児童虐待の事例を示すとともに、対応に当たっての留意点等を盛り込むこととしております。
 厚労省としては、先ほど申し上げましたがSNSを活用していく、あるいは関係省庁とも連携して広く国民の皆様に今回のQ&Aの内容を周知していきたいと考えております。また児童相談所や市区町村において、お子さん自身や近隣住民、学校等の関係機関から相談があった場合には、適切、迅速に対応していただく必要がありますので、そうしたことを念頭に具体的な周知等のサポートをしていきたいと考えております。これらに加えて「旧統一教会」関係省庁連絡会議のとりまとめも踏まえ、児童相談所の体制強化、生活困窮者自立支援制度における自立支援の推進、またハローワーク等における就労支援等に取り組むことで、宗教の問題を起因に悩みを抱えている方の支援をしっかりと行っていきたいと考えております。
記者:
北海道江差町の社会福祉法人が運営するグループホームで知的障害者が不妊処置を受けていた問題についてお伺いします。鈴木知事が23日に、任意で実施してきた同福祉会への調査について、国と協議し26日から障害者総合支援法に基づく監査に切り替えると表明し、実際に26日から監査が始まりました。また、処置を受けた男女8組16人から直接事情を聞く方針も判明しました。厚労省としてどのような助言をしたのかや大臣としての受け止め、今後の対応について改めてお聞かせください。
大臣:
北海道庁が障害者総合支援法に基づく監査を当該法人に対して行うということになっております。また法人の職員のほか、利用者やご家族についても丁寧にヒアリングを行い事実確認されているとのことであります。まずどのような事実関係にあるのか把握することが大事だということはこれまでも申し上げてきました。厚労省としては北海道庁に対して、実態把握に当たっての具体的な助言をこれまでも行ってきたところであります。引き続き北海道庁を通じて確認を進め、その結果を踏まえて厚労省としても必要な対応を講じていきたいと考えています。
記者:
隣国中国でコロナが感染の大爆発をしています。今後春節、旧正月もあります。日本に流入してくる中国人も増える可能性はあると思いますが、水際対策は大丈夫なのでしょうか。検疫の強化など備えは十分なのか不安に思っている国民の皆さんもいます。どのように対応されるのか見解をお聞かせください。
大臣:
中国における新型コロナの感染状況について様々な報道も行われています。政府としても鋭意注視し、情報収集も行っているところであります。今後の水際対策のお話がありましたが、感染拡大防止と社会経済活動のバランスをとりつつ、内外の感染状況やニーズ、主要国の水際措置の状況等を踏まえながら適切に判断していきたいと考えています。
記者:
関連して、適切な判断の一つには具体的にどういったことが想定されるのでしょうか。検疫強化等、具体的に想定されるものがあればお聞かせください。
大臣:
まさにこれから適切な判断を行っていくわけでありますから、今の段階で想定されるものを申し上げるのは適切ではないと思いますが、いずれにしても必要な対策を講じていきたいと思います。
記者:
今年最後の閣議後記者会見になると思いますが、大臣にとって今年はどのような年だったでしょうか。また新型コロナウイルスの感染症法上の分類見直しなどの議論も行われている最中で、来年もコロナ対策をはじめ様々な課題もあると思いますが、来年はどのような年にしたいかについてもお願いします。
大臣:
本年8月に3度目の厚生労働大臣に就任いたしました。それから5か月弱が経過したところであります。新型コロナ対策については、ウィズコロナに向けた新たな段階への移行等を進めてきました。またオミクロン株対応ワクチン接種の実施、今冬の新型コロナと季節性インフルエンザとの同時流行への備えと、状況に応じた対応を行ってきたところであります。まさに今年の漢字で私は「移」ということを申し上げたところであります。
 また臨時国会においては、感染症法や障害者総合支援法等の改正法案といった重要な法案も成立いたしました。新型コロナ対策に加えて賃上げ、人への投資、労働移動の円滑化といった雇用・労働分野や、子ども・子育て支援として伴走型相談支援と妊娠・出生届出時を通じて計10万円相当の経済的支援を一体的に行う「出産・子育て応援交付金」の創設など、重要課題への対応等を盛り込んだ令和4年度第二次補正予算も成立したところでございます。このように本年の対応を振り返ると、諸課題への対応を一つ一つ進めて来させていただいたと認識しております。
 来年に向けては、一つは今も議論していただいておりますが、新型コロナの感染症法上の分類の見直しについて早期に議論を進めていきたいと考えております。また来年はG7の関係閣僚会合が行われ、厚労省分野でも国際保健と労働政策それぞれの分野において実施いたします。それぞれの重要課題について議論を行うとともに、開催地の自治体と連携しながら日本のリーダーシップも示していきたいと考えております。
 その他、次の感染症危機に備えるための組織の見直し、全世代型社会保障の実現に向けた対応等についても引き続き検討を進め、次期通常国会への必要な法律案の提出を目指していきたいと考えております。
 また「出産・子育て応援交付金」の円滑なスタートに努めるとともに、来年4月からこども家庭庁が創設されます。更に出産育児一時金の50万円への増額等も進めていくつもりであります。そうしたタイミングを見据えながら、こども政策の充実も更に取り組んでいきたいと考えています。
記者:
新型コロナの病床確保料について二点お伺いいたします。一点目、弊社で都道府県等に対し情報公開請求を通じて病院ごとの病床確保料と病床使用率を分析したところ、受け入れ病院約2,000病院の2割に当たる404病院で病床使用率が都道府県平均を大きく下回っていました。6割が国公立や公的病院、大学病院といった新しく改正感染症法で医療提供を義務付けられる病院が中心を占めています。一方で減収分を上回る病床確保料で経営が大幅改善した病院も少なくありません。病床確保料の政策評価をお聞かせください。

 二点目ですが、受け入れ病院を実際に取材していますと、オミクロン株が拡がっ た第6波以降については医療より介護的なケアが必要な患者が多いとの声も聞かれ ます。先日のアドバイザリーボードでも重症化率、致死率ともに低下傾向がみられ るとのデータも示されました。来年度以降も重点医療機関を中心とした医療提供体 制を継続すべきとお考えでしょうか。逆に一般的な医療体制の中にコロナ医療も落 とし込んでいく必要性は感じていますでしょうか。また病床確保料についても来年 度以降も継続すべきとお考えでしょうか、お願いいたします。
大臣:
病床確保料については、医療機関が経営上のリスクを払拭できる水準に設定した上で、最大約4.8万床の病床確保の実現に繋がったと考えております。まさにそうした体制を構築するために必要があったものであります。一方で患者の確実な受け入れを図る観点から、令和3年4月から入院受入要請があった場合には正当な理由なく断らない旨を明確化し、令和3年10月から小児など特定の患者のための病床であるなど患者を受け入れられない正当な理由等を明確にして書面で締結することを都道府県を通じ医療機関に求めていること、また病床の効率的な活用を促す観点から本年1月から病床使用率の多寡により補助単価に差を設けるなどの措置を講じ、適切な運用が図られるよう随時見直しを進めてきたところであります。
 引き続きこの冬の感染拡大に対応するため必要な支援を行い、医療提供体制の確保に取り組んでいきたいと考えておりますが、同時に今回のこうした対応がご質問があったようにどういう効果があったのかを含めて調査し、検証していくことが必要だと認識しています。

 二点目でありますが、医療より介護的なケアというお話がありました。これについては随時、後方支援病床の確保という観点から診療報酬の見直しを進めております。特に今年の10月からは更に診療報酬の救急医療管理加算、これは一日950点で最大90日間算定できるものを倍にして1,900点にするなど、病院の現場にも対応し得るような見直しもさせていただいております。   
 また現状においては新型コロナとインフルの同時流行も想定して、病床確保計画に基づく新型コロナ病床の全体の確保病床数は引き続き維持し、今感染拡大が進んでおりますので、そうしたタイミングに遅れることなく増床を進めていきたいと思っています。
 他方で現在、新型コロナの感染症法上の位置付けに関して議論の深掘りをしていただいているところであります。この議論においても、今回のウイルスについて新型コロナの重症度は低下しており感染拡大が一定程度抑制されているという意見がある一方で、ウイルスの伝播性は高く発生初期に比べ増大しているという意見もあったとのことで、見方もいろいろなご意見がござまいす。
 また医療提供体制については見直しをするとしても、患者への医療提供にマイナスが生じないよう医療機関に対するサポートを継続しながら段階的に進めていくべきではないかということ、また類型を変更しても医療機関として引き続き一定の院内の感染対策は必要との意見もいただいているところであります。
 更に先週23日からは厚生科学審議会感染症部会においても議論を開始したところでありますので、今後の病床確保や病床確保料の在り方についてもそうした議論を踏まえながら検討していく必要があると考えています。
 

(了)