加藤大臣会見概要

(令和4年11月22日(火)9:56~10:15 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について


大臣:
 養子縁組あっせん事業に係る旧統一教会への質問書について、この間、関係者と調整を続けてまいりましたが、必要な調整が完了しましたので、本日東京都と連名で質問書を発出いたします。
 同質問書においては、養子縁組あっせん事業の実施の有無及び実施している場合の手順などの実態、過去の養子縁組の成立件数等の事実関係を確認することとしております。なお、2週間後の12月5日までに回答していただきたいと考えております。私の方からは以上です。

質疑

記者:
冒頭発言にありました養子縁組に関してですが、前回の大臣会見では18年以降というお話があったと思うのですが、全体としての実態を把握されるのかということと、質問書だけですと意志決定のプロセスですとか運営の実態で不透明な部分もあるかと思うのですが、教団側に立ち入り調査などで直接聞き取りをされるお考えはありますでしょうか。
大臣:
本日、質問書を発出することになるので、まずは回答を待って、それを踏まえて必要な対応を検討することになると思います。それから対象でありますが、まさに過去の養子縁組の成立件数などを聞くこととしております。
記者:
確認ですが、質問書を発出するということは、まだ発出はしていないということでよろしいですか。
大臣:
したと考えて結構です。
記者:
外来機能報告と病床機能報告について質問させていただきます。厚生労働省は今月14日の事務連絡で各都道府県に対して、現在報告期間中である外来機能報告と病床機能報告について「一部確認を要する事象が発見された」ことから、報告期限を延期すると発表されました。この「一部確認を要する事象」とは具体的にどのようなことなのか。また、延期後の報告期間は決まっておりますでしょうか。あわせて、外来機能報告については来年3月までに都道府県が「紹介受診重点医療機関」を公表するという見通しを示されておりましたが、これについてスケジュールへの影響はございますか。
大臣:
まず病床機能報告及び外来機能報告における診療実績について厚生労働省が集計した診療実績のデータを医療機関へ提供し、そのデータを参考に当初は11月1日から報告を開始していただく予定でありましたが、当該診療実績データの集計過程で一部レセプト情報の補正作業を行う必要が生じたことから、厚生労働省が集計したデータの提供を見合わせ、報告開始を延期したところであります。現在、詳細については補正作業等を見ながら検討しているところでございます。さらに報告開始日等についても、それを踏まえた上で改めてお示ししたいと考えております。
 また、この外来機能報告の結果を踏まえて都道府県が行う「紹介受診重点医療機関」の公表についても、追ってそのスケジュール等をお示ししたいと考えておりますが、医療を受けられる方の立場もございますので、そういったこともよく踏まえながら対応していきたいと思います。
記者:
先ほどの統一教会に対する質問書の件ですが、今日質問権を行使する文科省とはどういった連携をとられているのか教えてください。
大臣:
連携というか、質問書を作成するに当たって関係者と必要な調整をしてきたと申し上げましたが、そういう意味では文科省をはじめ関係省庁とそこはよく調整した上で発出させていただいたということであります。
 その上でスケジュール感はそれぞれなので、我々は我々のスケジュール感で今日発出し、そして2週間後に回答していただきたいということであります。
記者:
5日の回答を踏まえて、文科省はさらに質問権に反映させる可能性があるのでしょうか。
大臣:
そこは文科省に聞いていただかなければなりませんが、我々の方もいずれにしても回答していただいたものを見ないと、今の段階でこうだああだと申し上げられないことはご理解いただきたいと思います。
記者:
今の質問に関連してですが、あくまで調査は任意になると思うのですが、任意で回答してもらうにあたって、先方にはどういう姿勢で臨んで欲しいかというところをお願いします。
大臣:
ご指摘のように、いわゆる行政調査として実施するものであります。それについて、まさに本件に関しても対象者の方においては真摯に事実を回答していただきたいと思っておりますので、そういったことを考慮して2週間程度の時間は必要だろうということで、回答期限を2週間後にさせていただいたということであります。
記者:
C型肝炎の特措法の延長について、二点伺います。一点目が特措法の内容が裁判のような厳しい条件ではなく、昭和38年から昭和64年まで医師や看護師の証言などある程度の証明があれば救済することと変更するおつもりはあるか。例えば30年~40年前のカルテの実証責任を患者側が求められていますが、それを変える気はあるか。二点目、延長しても裁判が和解されなくては無駄になってしまうと思いますが、大臣はどう考えるか。
大臣:
C型肝炎救済特別措置法は、いわゆるC型肝炎訴訟の解決を目的として、議員立法で立案されたもので、その基本は裁判手続きにより認定を行うこととされています。今回その期限を延長すると、また、一部救済の中身を変更させていただくわけでありますので、私どもとしてはこの枠組みに沿って救済すべき方をしっかり救済していきたいと思います。
記者:
ワクチンと検査について質問いたします。現在、第8波を前にしてワクチンの変異株に対する有効性への疑問や副反応の心配などを理由に第5回目のワクチン接種をためらう声を多く聞きます。先日は愛知県で42歳の女性がアドレナリン筋注を受けられずワクチン接種会場内で亡くなられるという事件もありました。ワクチンの第5回目接種に対する国民の不安や迷いに対して、厚労大臣としてのご見解、メッセージをお聞かせください。また、政府はPCR検査を抑制し抗原検査の拡大をこれまで行ってきたように思いますが、改めてPCR検査と抗原検査の位置づけの違いについてご教示いただけますでしょうか。
大臣:
まず最初のワクチンの関係ですが、様々なご懸念もあることは承知しております。厚労省としては、オミクロン株対応ワクチンの有効性・安全性等の情報や副反応の情報、インフルエンザワクチンとの同時接種などについてSNSやリーフレットなどの様々な媒体を通じて周知広報し、またQ&Aサイト等でよくあるご質問への回答をお示しさせていただいているところであります。
 これまでも申し上げておりますが、オミクロン株対応ワクチンについてはオミクロン株成分を含むということでありますので、従来株ワクチンを上回る重症化予防効果や、短期間である可能性はあるものの発症予防効果や感染予防効果があるということ、またコロナウイルスはこれまでも変異してきているわけでありますから、今後の変異株に対してもより効果が高いということが期待されるとされています。
 また、安全性についても現時点で重大な懸念は認められていないということで、先般11月11日にも厚生科学審議会の副反応検討部会においてもそうした認識が改めて確認されたとことであります。なお、先ほどの事案も含めて副反応疑い報告制度によって公開の審議会で定期的に評価を行い、その資料を公表するとともにそれに応じた対応も逐次図ることとなっております。
 さらに新型コロナワクチンの接種後に遷延する症状、いわゆる後遺症に関する研究も行う予定であります。現在具体的なスケジュールや研究内容は検討を行っているところでございます。
 また、新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種についても、単独で接種した場合と比べ有効性や安全性は劣らない、諸外国でも概ね認められているとの報告がなされているところでございます。ただ、同時接種してくれということではなく、同時接種することも可能であると申し上げているところでありますので、それはそれぞれの方々が体調を踏まえながらコロナワクチンの接種、あるいは季節性インフルエンザのワクチン接種を適宜進めていただきたいと思いますし、現在の感染状況も増加ペースは落ちてきているものの引き続き増加傾向にあります。また季節性インフルエンザについても感染の可能性が指摘されているところでありますので、重症化リスクの高い高齢者の方はもとよりそれ以外の方においても是非年内のタイミングを見ていただいて接種の検討をお願いしたいと思います。
 それからPCRと抗原定性検査のお話がありました。これは適宜していただくということで、抗原定性検査キットの場合はそれぞれご自身でチェックしていただける中で使っていただく、PCR検査等に関してはそれぞれ発熱外来等でチェックしていただくということでありますから、それぞれの使い勝手等も含めてお願いしているところなので、どっちからどっちということを申し上げているものではございませんのでご理解いただきたいと思います。
記者:
ジェネリック大手の日医工が債務超過に陥り来春にも上場廃止との方針を示しましたが、そのことへの大臣の受け止めをお伺いしたいのと、日医工の医薬品の不適切製造に端を発して医薬品の安定供給への影響が広がっていますが、今後もさらに体制の行方によってはこうした問題が長期化することも懸念されますが、国としての対応で考えられていることがあれば教えてください。
大臣:
11月14日の日医工株式会社の発表で、同社が債務超過の状態であること、来春に上場廃止する方針であることが公表されたことは承知しております。
 今後の事業再建の具体的な内容については、債権者との間で調整が進められると承知しておりますので、そのこと自体に対する具体的なコメントは控えたいと思いますが、日医工からは1,000を超える種類の薬を供給していただいていると承知しております。現在でも生産していただいていますが、従前まで戻っていないもの、あるいは未だ生産されていないものもございますので、そうしたことに伴い医薬品の供給という問題に影響が出ないように、代替品の供給あるいは同じ効能・効果があるものについては、処方箋を変えていただく等の対応が必要となる場合もあるようですが、そういったことへの対応等できるだけ影響が少ないように厚労省としてもきめ細かく対応してきておりますし、引き続き対応していきたいと思います。
 その上で、医薬品の安定供給確保については、現在「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」を開催しておりますので、流通のほか産業構造の検証等も含めた幅広い議論を行っていただいております。その結果も踏まえ必要な対策を講じていきたいと考えております。
記者:
先ほどのC型肝炎の関係でもう一度お話をお聞きしたいのですが、今年の7月19日にカルテが無いC型肝炎の原告団の判決がありました。それで終決となりました。内容はC型肝炎の特措法に基づいた判決になっています。しかし、お医者様だとか看護師様だとか法廷に出てきて答弁だとかをするのですが、それでもC型肝炎の特措法で和解にいたっていない事実をご存じでしょうか。お聞かせ下さい。
大臣:
提訴が棄却されたということではなかったですかね。それはまさにおっしゃる裁判手続きによる認定という作業が進んでいるということでございますので、他方で前回申し上げましたが、和解者2,508名のうちカルテ等によらずに認定された方も684人おられるわけでありますので、引き続きそういった場所においてまさにこの手続きの中で救済されるべき人は救済されていくように我々もしっかり取り組んでいきたいと思います。
 またそうした情報を皆さんが取得しやすいようにこれまでも対応してきたと思いますが、引き続きそういった面においてできることはしっかりやらせていただきたいと思います。
記者:
緩和するというお考えはないでしょうか。
大臣:
裁判所によるやり方を変えるという趣旨であれば、裁判所における認定という仕組みでやっていますので、(請求期限を)延長するというのを議員立法で出しており、衆議院を先般通過して参議院にかかっているわけでありますから、その枠組みで引き続きやらせていただくことになると思います。
記者:
他にC型肝炎の患者さんを救済する方法だとかはお考えはないでしょうか。
大臣:
今申し上げたようにこの基本スキームの中で必要な方がしっかり救済できるように支援していくことを我々もしっかりやっていきたい、従ってそういった情報等を収集しやすくするように我々も考えていきたいと思います。

(了)