加藤大臣会見概要

(令和4年9月20日(火)10:50~11:05 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について



大臣:
 冒頭3件申し上げます。まず台風14号の関係でありますが、現在、台風14号により、西日本を中心に広範囲かつ甚大な被害が発生しております。被害に遭われた方々に、心からお見舞いを申し上げます。
 本日5時30分現在で厚生労働省が把握している主な厚労省関係の被害状況でありますが、水道については、佐賀県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県で、現在1734戸が断水中で、応急給水での対応を行っているところであります。医療施設については、宮崎県、鹿児島県において、12施設で停電や断水が発生しておりますが、自家発電機等で対応しており、病院機能は維持されているとのことであります。社会福祉施設については、高齢者施設6か所、児童関係施設1か所において、浸水、断水、停電等の被害が発生しております。
 いずれの施設においても、人的な被害は報告をされておりません。
 大型の台風により、今後も広い範囲に影響が及ぶ可能性が高いことから、引き続き万全の警戒をお願いいたします。
 また、避難所においては、まだ感染も非常に高い状況であります。マスクの着用や換気を始めとして感染対策の徹底をお願いいたします。
 厚労省では、昨日までに3回、災害対策本部を開催し、警戒態勢強化を図ってきたところであります。今後とも自治体との連携を密にし、引き続き、被害等の状況把握、被害に遭われた方々の支援あるいは復旧に万全を期してまいります。

 2点目でありますが、オミクロン株対応ワクチンの接種についてであります。9月14日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会において了承いただきましたオミクロン株対応ワクチンの接種につきましては、初回接種(1・2回目接種)を完了した12歳以上の全ての方が対象となりますが、本日より、その接種が順次開始されることとなっております。
 新型コロナは、毎年、ここ数年を見ますと年末年始に流行しています。
 現在、接種間隔等については、前回の接種から少なくとも5か月以上の間隔を空け、1回接種を行うこととされていますが、薬事・食品衛生審議会における議論を踏まえ、今後、海外の動向、有効性、安全性等の情報を踏まえ、接種間隔を短縮する方向で検討し、10月下旬までに結論を得るとされているところであります。
 接種を希望する全ての接種対象者が、本年中に接種を受けられるよう、自治体とともに連携してその準備等に当たってまいります。
 また、地域の負担軽減を図り、接種を促進するため、職域接種についても、システム改修等もございますので、その準備を行い、10月下旬から実施をすることとしております。
 さらに、防衛省が運営する大規模接種会場における接種についても、引き続き実施されるものと承知しております。
 こうした取組を通じて、1日100万回を超えるペースの接種体制を整備し、接種を加速していきたいと考えております。
 
 3点目でありますが、明日、9月21日は「世界アルツハイマーデー」であります。
 これに合わせて、本日から9月22日までの3日間、認知症施策推進関係閣僚会議に参加する各省庁(9省庁)の庁舎等に、認知症サポーターのシンボルであるオレンジリングを浮かび上がらせる取組を実施しております。今年で4年目の取組となります。
 「認知症施策推進大綱」を踏まえた、認知症の普及・啓発を促進するための取組であります。これを機に是非皆さんにも認知症サポーターの養成講座を、自治体や職域あるいは教育現場において主催していただいていますが、是非そうした主催を行っていただくとともに受講をしていただきたいと思います。現在認知症のサポーターは1,391万人となっておりまして、私も前回の厚労大臣のときに受講しサポーターとさせていただいているところであります。是非こうした講座等の受講を通じ、認知症に対する理解を深めていただき、またご協力をお願いしたいと思います。私からは以上です。

手話付きの会見動画は(手話付き)【厚生労働省】厚生労働大臣記者会見(2022年9月20日)(厚生労働省 / MHLWchannel )からご覧ください。

質疑

記者:
オミクロン株対応ワクチンについて伺います。今日接種が始まったワクチンですが、オミクロン株対応といってもBA.1をベースにしたものと、従来型のものの2価ワクチンということなのですが、すでにファイザーがBA.5に対応したワクチンの申請をしていて、モデルナも数週間以内に申請を出せるよう準備を進めています。やはり、ワクチンを積極的に打ちたいと関心がある人は、より最新の、新しいものを打ちたいという希望があると思うのですが、このBA.5型を待たずに打った方がいいのか、その辺りについてどのようにお考えでしょうか。
大臣:
まず、BA.1に対応したワクチンについては冒頭申し上げたところであります。それからBA.4/BA.5の対応ワクチンについては9月13日に薬事承認申請が出され、今審査が行われているという現下の状況であります。その上で、現時点での知見を踏まえた専門家の検討によりますと、現在流行しているオミクロン株の中での亜系統間、例えばBA.1とBA.5の抗原性の差は、従来株とオミクロン株との間の抗原性の差と比較すると大きくないことが指摘されていることがあります。
 その上でオミクロン株の種類に関わらず、このオミクロン株成分を含むことで、従来株ワクチンを上回る重症化予防効果、あるいは時間については必ずしも断定はできないが、感染あるいは発症予防効果がまずあるとされているところであります。
 それからもう一つ、「最新の」と仰いましたが、ウイルスはどんどん変異をしていく訳ですね。そうした変異をする可能性がある中で、まさに2価を含んでいることそのものがより高い効果が期待されているところで、実際各国の対応を見ますと、米国ではBA.4/BA.5のタイプ、他方でカナダとイギリスはBA.1タイプで接種しているということでありますので、やはり大事なことはそれぞれの時点で、いま言った2価ワクチンについて接種できるものをしっかり打っていただくことが大事だと思っておりますし、その点を含めて仰るような疑問を持っておられる国民の皆様が多くおられると思いますから、引き続き広報に努めてまいりたいと思います。
 現時点でBA.4/BA.5対応ワクチンの薬事承認が出ていませんので、若干そういうところの含みを持った発言になりますが、これが承認されて実際2つのワクチンが出て行ったというときに、どうすればいいかと当然お考えになると思いますので、いま申し上げた点をよりわかりやすく発信させていただきたいと思います。
記者:
新型コロナウイルス感染者の全数把握の簡略化により、コロナ対策の接触確認アプリ「COCOA(ココア)」のサービスを停止する方針が決まりました。
 河野デジタル担当大臣はCOCOAの検証を行う考えを示していますが、COCOAに関する大臣の所見と、厚労省として今後の感染流行に備えて、こうした仕組みの必要性についてどう考えられていますか。
大臣:
まず、今回の全数届出の見直しによって、発生届の対象者が高齢者等の重症化リスクの高い方に限られる。従って、陽性登録の可能な方も限られることになりますので、それを踏まえて、COCOAのサービスの停止を決定したところであります。
 現在、COCOAについてこれまでに4,070万件のダウンロードをしていただき接触通知を送るために必要な処理番号を、COCOAに登録していただいた件数は360万件となっております。多くの方々に利用いただいて、また感染に対する行動を促していく、いわゆる行動変容を促す効果が一定程度あったと考えております。
 まず、こうしたCOOCAに対して、ダウンロードしていただいたり、登録していただき、活用いただいたことに改めて感謝を申し上げたいと思います。
 今後の話でありますが、デジタル庁と連携を取りながら、これまでのCOCOAの活用状況や評価、さらに活用を通じ見えてきた様々な課題について、総括を行っていきたいと考えておりますし、やはり、感染対策にITツールを使うということは、今後とも大事なことだと思っておりますので、今後のITツールを活用した感染防止対策のあり方の参考にしていきたいと考えています。
記者:
昨晩のイギリスのエリザベス女王の国葬で、参列者も沿道の市民の人たちもほぼノーマスクでした。日本との温度差が現れたかたちになるのですが、日本はいつになれば、また、どのような感染状況になれば、ノーマスクになれるのか、その基準は何なのか、政府のコロナ分科会に判断を委ねるしかないのか、大臣の見解をお聞かせ下さい。
大臣:
まず、感染に対する対策は、それぞれの国、あるいは地域における感染の状況に応じて変わっていくべきものなのだろうと思います。したがって、日本とイギリスでは、今の感染状況あるいは累積の感染者数の数字等が異なっているので、それに応じた対応はそれぞれ取られていると思います。
 日本においては、まさに現下の状況の中で、しかし他方で、今回のオミクロン株の特徴である、若い方に対しては軽症者が多くて季節性インフルエンザとあまり差がないのに対して、高齢者や基礎疾患の方に対してはまだ重篤性が高い、こうしたことを踏まえながら、より重症化リスクの高い人に重点を置いた対応をいま進めさせていただき、その中で社会経済活動を元に戻すというWithコロナの対応移行措置を先般決めさせていただき、また、水際の緩和、規制の緩和も行わせていただいたところでありますので、 引き続き国内の感染状況等を見極めながら、あるいは様々なこのコロナに対する分析も色々出てきていますから、そういったこともしっかり踏まえて、必要な対応を図っていきたいと思っております。
 マスクだけではなくて、様々な対応をいまお願いしている中身等についても不断に見直しを図っていきたいと考えております。
記者:
ありがとうございます。もう1点ありまして、27日に安倍元総理の国葬儀が予定されていまして、多数の要人が来日するわけですが、日本政府としては、要人らに対してマスクを配るといった対応はどうするのかということについては、何かもう既に決まっているのでしょうか、あるいは決まっていないのでしょうか。日本国内ではマスクの着用を推奨している以上、同じくマスクの着用を巡る基準で、そういった海外からの要人に対しても、マスクを配布するといった対応を取られるのか、それが適当なのかどうか、大臣の見解をお聞かせください。
大臣:
まず、要人に関わらず、先般水際対策を緩和したと申し上げました。そうした形で入ってくる方々も、日本の感染対策に十分留意いただき、仮に感染等の事態があれば、我々のルールと言いますか、やり方に従って、しっかりとした対応をお願いしているということであります。
 その上で、マスクの着用ももちろん、すべての状況でお願いしているわけではなくて、まず、どれだけの距離を取れるのか、特に屋外については、もうマスクは着用を求めないということは、もう従前から申し上げているというのがまず基本であります。 その上で、国葬儀において、施設の中でどういう形でお願いされるかは、主催者である政府が判断することになるわけです。そこについて、いま私は詳細を承知しておりませんが、これまでも当該施設等で行ってきた対応も踏まえながら、決められる、あるいは決められているのではないかと思います。

(了)